マルヤガーデンズ－店舗コンセプトに疑問 ２

　私は，コンサルタント活動においては流通，マーケティングを主な活動領域としている。「鹿児島市商業のさらなる発展を願う」とする思いをこめ，マルヤガーデンズを事例に，地域商業活性化を考察する。

　本年５月開業のマルヤガーデンズは，「デパートメントから、ユナイトメントへ。」を唱えている。同社，ホームページによると，

■マルヤガーデンズ基本的な考え方－－デパートメントから、ユナイトメントへ。

　鹿児島・天文館に、かつてどこにも存在しなかった、まったく新しい空間が生まれます。マルヤガーデンズ 百貨店のようでありながら、性格の異なる10 のギャラリーを持つこの場所は、ショッピングをするだけでなく、人と人とが出会い、つながり合い、つねに何かを生み出すことのできる、いわば「買い物集会所」。すべてをつなぐ＝Unitement新しいつながりとともに、新しい鹿児島がはじまります。
　

　私は，この考え方に疑問を持つ。「４０代後半から５０歳代の女性をターゲットとした店づくりに徹する」。特に，子育てが一段落した主婦層を最重点顧客とすべき，と提案する。“余計なお世話”とのお叱りは承知のうえで，「なぜ，そう思うか」について，私の考えをご披露する。


　⇒マルヤのコンセプト　http://www.maruya-gardens.com/concept/

▼その１－中途半端な店作り・売り場構成　
「マルヤガーデンズ」は，２０～３０歳代の女性をターゲットとし美容などにも力を入れてるいると推察する。だとすれば，地階の食品売場，５～６階の書店，文具フロア，それに屋上のビアガーデンはミスマッチである。特に若い女性をターゲットするなら，地階の食品売
り場のテナント，カフェ＆レストランの店舗構成は，再考を要す。　
▼その２－アダルト世代の取り込みを　
　下の２つのグラフは鹿児島市の人口グラフ（２００５年）である。左が女性，右が男性の５歳刻みでの実数値で示したグラフである。このグラフから，５０～５９歳代が２０～２９歳代を上まわっている事，３０歳代の人口が少ないことが俯瞰できる。

　このグラフの意味するところは，足許商圏の鹿児島市内においては，アダルトとも呼ばれる４０～５０歳代の年齢層が無視できない存在ということである。
　若い世代をターゲットとし，同様な客層を狙う鹿児島中央駅のアミュプラザとガチンコ勝負をするよりも，アダルト層の取り込み，囲い込みを図る方が得策である。

　下の２つのグラフは鹿児島市の人口グラフ（２００５年）である。左が女性，右が男性の５歳刻みでの実数値である。




15歳～64歳の人口構成グラフ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－－明日に続く－掲載内容
　　　▼その３－プランタン銀座に学ぶ　
　　　▼その４－天神の商業施設、ソラリアプラザのリニューアルに学ぶ

▼バックナンバー

マルヤガーデンズ－店舗コンセプトに疑問　３

マルヤガーデンズ－店舗コンセプトに疑問　２

マルヤガーデンズ－店舗コンセプトに疑問　１　

本日11時，「マルヤ-ガーデンズ」オープン 2010-4-23
「マルヤガーデンズ」開業－購買動向調査から鹿児島の商業を考察・２　－現状分析 2010-4-27
鹿児島　「ガーデン」（マルヤガーデンズ）4月28日　グランドオープン
九州・激動の小売業界－その１　2010-4-17
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