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出典:「読売新聞」2010/1/26
個人消費の低迷や大手企業の進出で,地場資本は体力を消耗し経営基盤の脆弱化をきた
した。九州地区の流通・小売業界はこの10年間,大きく変動した。来年3月には九州新幹
線鹿児島ルートが全線開通し,阪急百貨店などが入る新博多駅ビルも開業する。駅ビル全
体の売り上げは年間1000億円規模との試算もあり,地元福岡のみならず,近県の小売業に
影響を与えるのは必至である。
こうした状況からして,九州エリアの小売業の勢力地図は激変し,5年後には,まった
く新らたな業態や企業が脚光を浴びている可能性もある。
スーパー業界では,熊本市のスーパー・寿屋,ニコニコ堂が民事再生法の適用を申請
した。イオン九州の動きも注目される。業績が伸び悩む総合スーパーの出店は当面凍結
し,将来性のある部門を独立店として育成することで活路を見いだす方針で,1月には自
転車専門店を福岡市に出店した。
▼百貨店
百貨店では,1754年に呉服店として創業の岩田屋が私的整理のガイドラインに基
づき,三越伊勢丹ホールディングス傘下で再建に取り組むこととなったが,これは実質的
な破綻にほかならない。
鹿児島市の山形屋は,延期している新2号館建設計画について,今秋行うとしていた再
開の判断を当面見合わせると発表した。同社は計画中止ではないとした上で,「現時点で
再開時期は不明」としている。
山形屋によると,秋以降も個人消費の急速な回復が望めず100億円の投資に見合う売
り上げが見込めないため,見合わせた。「工事再開までの間,空き地を中心市街地活性化
につながる広場や駐車場として暫定利用する」いう。
同社は2007年10月,売り場面積を1.5倍に増床する新2号館建設計画を発表。
九州新幹線が全線開業する11年春の完成を目指した。しかし,景気後退による急激な消
費の冷え込みの影響を受け09年2月に計画を延期していた。
▼家電量販店
九州地盤の家電量販店,ベスト電器(福岡市)が苦境に陥っている。今期(2010年
2月期は最終赤字の見通しで,05年2月期から今期まで5年で4度も最終赤字となるな
ど不振続き。経営再建を目指同社は,メーンバンクの西日本シティ銀行を中心とする銀行
団9行から約300億円の協調融資を受け,06年に買収したカメラ系家電量販店の「さ
くらや」を今期中に清算,12年2月期までには直営の50~70店を閉鎖と,荒治療を
断行する。
(次回に続く)
▼関連ブログ-------------
・九州・激動の小売業界-その1
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鹿児島地盤のミドリ薬品 マツモトキヨシHDの傘下入り
卒業式を終えて2 - O君の卒論(商店街活性化)
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