好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

事件124『満月の夜の二元ミステリー』(第42巻)考察。

2012-03-11 | 『名探偵コナン』原作考察
『名探偵コナン』の最高潮にして終着点。
とうとう具体的に行動を起こしたベルモット。
物語は、ジョディの活躍する埠頭と、新一の活躍する船上との、
二重構造で進んでいく。
学園祭以降の長丁場に付き合ってきた読者たちは漏れなく、
一気に回収された伏線に、驚愕と感嘆の声を上げるだろう。

残念でならないのは、『コナン』がこの事件でさえも終了しなかった事だ。
そのため、この事件は後の展開に、むしろ手痛い禍根をもたらしてしまった。

1.変装技術のインフレ現象。
『工藤新一NYの事件』でも触れたが、「カンペキな変装」という設定は、
純粋なミステリとしては完全にルール違反である。
敵も味方も誰も彼も変装できる世界観では、アリバイなど完全に崩壊してしまう。
登場人物も読者も、事件を解く事はもはや不可能だ。

2.蘭が組織へ本格的に介入した事。
現場に突如乱入した彼女に、
灰原は何故か明美を重ね合わせ、
ベルモットは命を救われたのを思い出し、
結果、登場人物同士の緊張感が霧散してしまった。

3.FBIが組織を追っていると明かされた事。
コナンが単身孤独で追っている事は、この作品の重要な部分だったはず。
しかし、今や彼は、「組織VS FBI」の構図に巻き込まれた部外者に過ぎない。
つまり、この事件を境に、『名探偵コナン』は所期の目的を失ったのだ。

それでは。また次回。


(※次回以降の考察は、より一層厳しい内容になっていく予定です。あしからず)
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