好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

布石のための布石のための布(略)

2012-06-29 | その他ミステリ
『死亡フラグが立ちました!』(by七尾与志)、読了。

「凶器はバナナの皮?殺人事件!」という、奇妙なサブタイトルに強く惹かれた。

人によっては、そもそもの「死亡フラグ」という言葉に注釈が必要だろう。
フラグとはつまり、「作劇における布石」である。
必ず生きて帰ってくると見得を切った人は、いずれ死にゆくとか。
万策尽きたと諦めかけた人は、助太刀が入って助かるとか。
そういった「お約束」と化した流れを、
特にアドベンチャーゲームで「フラグ(旗)」と称する。
この通り、あくまでも架空の物語での用語である。

しかし、その「フラグ」を駆使してターゲットを消す
謎の殺し屋が、この本では登場する。
命を狙われた人は、偶然にしか思えない出来事に、
知らず知らず誘導され、事故としか思えない形で殺される。
究極の完全犯罪と言っていい。

だから私、てっきり黒幕は
『盗賊会社』(by星新一)並みの巨大組織かと思っていたら。

まさかあんな小規模な犯人だったとは。
しかも、本業の傍らで殺しをこなしているとは。
流石にそこで醒めてしまった。
なんぼ何でも無茶やろと。

最後の最後に至っては、何かもうジャンプ漫画の打ち切り最終回みたいな大騒動。
真面目にツッコミ入れるのでなく、笑って流すのが、この本の楽しみ方なのだろうと思う。

それでは。また次回。

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