9 月 13 日、米国下院の国際関係委員会で「従軍慰安婦動員関連決議案」が満場一致で議決されましたが、いわゆる「従軍慰安婦問題」に全く知識の無い筆者でも、日本にとって、たいそう深刻なニュースではないかと思いました。
しかし、日本のマスコミに殆ど取り上げらていないことが不思議でもあり、又、たいそう気懸かりです。 そこで、韓国の「朝鮮日報」の報道から、この件を追ってみました。
「20世紀最大の人身売買」 米下院(の委員会)、慰安婦決議案を採択 (9-15-06)
慰安婦決議案に尽力した米下院エバンズ議員 (9-15-06)
先ず、同委員会の委員長が、「小泉さんが訪米しても、米議会では演説をさせない」と釘を刺したヘンリー・ハイド氏 (82) です。 同氏については、下記のサイトでも説明されていますが、太平洋戦争と朝鮮戦争を知る元軍人で、米国共和党の長老です。
筆者個人的には、小泉さんが訪米の折、エルビス・プレスリーの館で浮かれてなどいないで、かような方を表敬訪問するくらいの機転があれば良かったのに、などと考えてしまいます。
韓国は旧友を捨ててしまわないよう … (8-12-06)
又、この決議案の立案者のお一人が、これ又、元海兵隊員のレイン・エバンス氏 (55) で、採決の日は、持病のパーキンソン氏病が思わしくなく傍聴席にいらしたとのことですが、採決された直後、全員が同氏をスタンディングオーベィションで祝福したと伝えています。
同氏は、退役軍人の社会復帰などを含む弱者の人権保護の活動に生涯を捧げられている方のようです。
同決議案では「20 世紀最大の人身売買」とまで言っているのですから、当然、下院本会議への上程を阻みたい日本政府は、ボブ・ミシェル氏を中心に激しくロビー活動を展開しているようす。
日本、慰安婦決議案阻止をねらい米国で大物ロビイスト動員 (10-10-06)
唯、上記ロビー活動のみならず、
・ 北朝鮮の状況が緊迫化していること
・ 同決議案の推進役であった上記お二人が、まもなく引退されること
の理由などで、当分、下院本会議の議案となることは、難しいのではないかと、個人的には予想しています。
しかしながら、この決議案が米国下院本会議に上程される直前まで進んでいること自体、北朝鮮による拉致問題で、国家による人権侵害という重い問題にブチ当たってしまった日本人に、もっと普遍的に「人権問題」を捕らえるよう、改めて問いかけられているような気がしてなりません。
〈追記〉
この後、
慰安婦 : 米下院外交委で可決した慰安婦決議の全文 (6-27-07)
米下院が従軍慰安婦決議を採択 (7-31-07)
「慰安婦決議案」のその後 (9-17-07) と進み、
更に、2013 年 7 月 30 日、米国カリフォルニア州ロサンゼルス郊外、グレンデールに、米国在住韓国人有志により、「従軍慰安婦像」が設置されれいます。