月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『小森輝彦・服部容子デュオリサイタル Vol.2』@銀座ヤマハホール・8/12 1F-I-5

2006-08-14 18:30:41 | Koji’s Stage Review
私の右隣の方が、ほぼ最初から寝息(それほど大きくなかったけど)をたてていらっしゃって、起きられたのが9曲目の子守唄系のときで、しばらくしてまた寝始めて、ほぼ最後まで寝ていらっしゃいました。終わった時はちゃんと拍手なさってましたが。………何しにいらっしゃったのかしら?
ま、仕事等でお疲れで、どうしても睡魔に勝てなかったってことにしときましょうかね。

私はなんとか持ちこたえました(笑)
ちょろっと予習はしたものの全部頭に入るわけもなく、現場では歌を聴きつつ電光掲示板の日本語訳を目で追っていたので、そのおかげかも。

会場のトイレが小規模で開演までに済ませられない方も多かったようで、トイレ待ちで少し開演時間が延びました。
12日は11日に比べると観客のマナーは良かったみたい。
演奏を一旦止めての途中入場は、最初の方で1回のみ。
真ん中辺の列だったので後列の状況はわかりませんが、私より前方では途中入退場はなかったと思われます。
多少の咳や荷物のガサゴソ音がありましたが許容範囲内。
コンビニ袋のカサカサがなかった(あったかもしれないけど私には聞こえませんでした)のは奇跡か(笑)
ただ、携帯の電源は切っといてくれ
着信音が鳴り響くことはなかったけど、マナーモードのバイブ音が結構鳴ってましたね。
今回一番気になったのは客席で発生する音ではなくて、外の雷と階下のピアノの試し弾き。
雷は最初演出かと思ったけど、ペーターが海で彷徨う時ならまだしも、これからマゲローネとるんるん状態になろうってときに(笑)そんなことがあるわけもなく、早朝、名古屋であっちこっちに落ちていた雷が東京まで来たわけで……。雷も階下のピアノ音も演奏や朗読をものすごく邪魔するモノではなかったけど、音や声が途切れた時には気になりましたね。
50年以上の歴史があるホールなので、ビル自体の防音対策もその当時のままかもしれず(HPには2003年に内装部分は改装、とありますが)こういうことになったんでしょうか。
ビル建替え工事でホールの営業は12月末で一旦終了とのことです。
2年後の再オープンのあかつきには防音対策ばっちりで頼みます

クラシックコンサートでの騒音は論外でしょうが、歌舞伎ではもう慣れっこ。
上等なお召し物の奥様方がへーきで途中入退場するし、じーちゃんばーちゃんの咳も多いし、コンビニ袋のカサカサ率も高いしで(これはばーちゃんより40代~50代おばがひどいぞ!)客層の若いストレートやミュージカルのほうがよっぽどマナーいいっすよ。
歌舞伎はマイクを使わない生声なので、後方席では、周囲でカサカサやられると台詞によっては聞き取りにくくってねー。イヤホンガイド使うと解説以外に役者の声もイヤホンから入ってくるけど、演目によっては使わなくていい時もあるので……。


毎度のことながら前置き長くてすいません。
では本題。
といってもクラシックは聴くものの全然詳しくないので、ブラームスが好きとか嫌いとか、この楽曲には全く魅力がないからやる意味がない(クラシック音楽系のブログ記事に書いてあったのよ)とかそういう薀蓄はやめときます(笑)

舞台は、上手に水差しの置かれたテーブル&椅子&スタンドマイク、真ん中寄りの下手側にピアノなので、耕史君、小森さん、服部さんの順番で出てくるはずで、事実そのとおりで(笑/あたりまえだわさ)

耕史君の衣装は例のアレ。
最初に見たのは、Jリーグアウォーズでプレゼンターやった時かな。
『リンダ~』の頃だからド金髪でおまけにあのカッコで国籍不明やんかと、ひとりツッコミ
最近だとボージョレーですね。
これ、どーしても牧師か神父に見えるよ私には。懺悔に来た信者殴り飛ばしそうだけど(笑)
ま、似合ってるからいいです

声も仕種も目線も色々楽しませていただきました。
左手で台本を持って右手でページを繰って、水を飲むときは持ち替えて、左手でコップを持ってました。ひさびさに親指で口を拭うのを見たわ(好きなのよこれ)
足は揃えてたり組んだり。相変わらず長いねー(笑)
朗読してる時はもちろん目は台本の字を追ってるけど、文の終わりに一瞬、上目遣いに客席へ視線を向けてくれます。不覚にも、最初ドキッとしてしまいました
小森さんが唄ってる時は、結構彼の方を見てましたね。
自分の朗読が全て終わってラスト小森さんの歌の時、台本を閉じて膝の上に乗せてじっとしていたんだけど、一瞬頭がふらっとしたのは寝たのか!?(笑)

声色が、吟遊詩人(これ名称うろ覚え)・ペーター・ペーターの母親・マゲローネ・マゲローネの乳母と、会話以外の朗読の声。ベースの声から激しく変えてるわけじゃないのに、どれも雰囲気あって面白かったー。可憐なマゲローネの声が結構好きだったりする(笑)

耕史君が、舞台で台詞や歌詞をとちったりする場面に遭遇したことがないんだけど、今回は実に3回もありまして(笑)貴重な体験をさせていただきました。
順番忘れたけど、頭ふるふるして完全に言い直してたのが1回、ちょっと噛んだのが1回、“ら”と“れ”の間のようなよくわからない発音(笑)で乗り切ったのが1回。
舞台のように完全に頭に入れた台詞を言うのと、練習してるとはいえ文字を目で追いつつの生朗読は勝手が違うかな。

舞台の台詞なら、とちりかけてもそれを防ぐための語尾や単語のちょっとしたアレンジは意味が変わらなければ大丈夫でしょう。体の動きもあるし、大抵の場合台詞を向ける相手がいて、そのひとにうまく繋がればOKなわけで……。
生朗読は繋げる相手は自分だし、身振り手振りでの感情表現を封印された状態で、物語をそれぞれの情景が目に浮かぶように伝え、登場人物の様々な気持ちを伝え、完成された台本の文章を崩すことなく読むのって、非常に難しいと思います。“生”でない場合でも“撮り直しが可能”という以外では条件は同じ。
夏木マリさんがおっしゃってたんですが、あれだけの大女優が「演技力を磨くために“声の仕事”(声優とか朗読とか)はどんどんやるようにしている」のだそうです。
耕史君も同様に充分な演技力・表現力を備えていても、“何かしらの制限”のある中で“何かを伝える”ことは、その能力に広がりや深みを増すと思うので、こういった仕事もオファーがあれば四の五の言わずに(笑)受けていってくれないかなー
今回の経験も『毎日モーツァルト』にも活かしてほしいですね(って見れないけど

とはいえ朗読は、3回のカミカミなんぞ問題にならないくらい(笑)素敵でした
普通のナレーションと違って会話以外の部分も情感たっぷりで、『英詩紀行』 に近い感じ。

朗読の台本は、既存の訳よりかなり簡略化されてわかりやすかったです。
詳細なストーリーは(ここでもリンク貼りましたが)こちらこちらでご確認ください。
内容は歌舞伎チックな「ありえねー」な部分も多いけど、小森さんがアレンジされたわけではなく原作も同じです(笑)中世の物語なんてそんなのばっかだし
ただ、ちょっとひとつ疑問が。
駆け落ち後、慣れない旅路に疲れて眠るマゲローネが苦しそうに見えたペーターが、彼女の胸元を少し緩めて、その白く美しい肌にドキドキしちゃう………てなシーンがあります。
CDの訳にもリンク貼った先の訳にも、この“白く美しい肌にドキドキしちゃう”部分は書いてないんですけど、誰のシュミですか?(笑)
既存の訳が、ドイツ語の原文からこの部分を省いてあるのかもしれませんが、ドイツ語がわからないので、そこんとこ小森さんにお伺いしたいわ

皆様ご注目の“誠の愛”については、小森さん自身がご自分の日記でお話されてます。
既存の訳も“誠実な愛”や“まことの愛”なので(“真実”や“真”ではないんですよね)『組!』&『組!!』をご存じない方々があの言葉を見ても違和感はありませんよね

小森さんは、耕史君に負けず劣らずのスラリとした長身で舞台映えのする方です。
耕史君の朗読に耳だけでなく、かなり目線も傾けていて(笑)その様子が実に嬉しそうだったのが印象的でした。あと、私とよく目が合ったような気がしたのは気のせいかしら?(汗/ただの思い込みかも)
もちろん歌声も素晴らしく、友が言っていたように「自分自身が楽器」なひとの歌は一味も二味も違います。
アンコールの〔星よ〕では思わず涙。
英語verは海外版CDで聴いたけど、もう比べものになりません。
やっぱりプロのオペラ歌手はすごいわーーーーー
最初、ドイツ語?と思いつつ、“running”とか“grace”とか聴こえたので英語と判明。
ドイツ語訛りの英語だったってことね。
ぜひ2曲聴きたかったなー(小森さんの日記参照のこと)
ただ〔IF I CAN'T LOVE HER〕って〔星よ〕ほど盛り上がりはないので〔THE MUSIC OF THE NIGHT〕辺りがいいかも……ってもう終わってるけどさ

服部さんは、その柔和な顔立ちからは想像できない、力強く包容力を感じる(もちろん繊細な部分はそのように弾かれますが)ピアノを弾かれる方で、小森さんとの息もぴったりで、彼が全幅の信頼を寄せるのがわかる気がします。お年が不明なので失礼に当たるかもしれませんが、何かあったときに絶対何とかしてくれそうな頼れるお母さんという感じでした。

アンコールで再登場した時の耕史君の顔が、いつもの終わってホッとしてのにこにこ顔
そのかわいらしい笑顔に思わずつられ笑い
小森さんとがっちり握手してました。
下手へはけるときに、ピアノの鍵盤をポンとひとつ叩くお茶目あり。
どーしても笑いを取りたいか?(笑)

終演後は、小森さんと服部さんがロビーでファンの方々とフランクに談笑されてました。
耕史君はいるわけございません。そんなのパニックになるだけだ


このリサイタル、11日のみだったら絶対参加不可能だったので、追加公演を決行してくださった出演者・関係者の方々に大感謝
それ以前に、耕史君をキャスティングしてくださった小森さんに大大大感謝
アンコール含めて約2時間、至福眼福癒しのひとときをありがとうございました。


最後に、ご一緒させていただいた方々、楽しかったよーーー。ありがとーー
いるかなーと思ってた友にも久々に会えて嬉しかったーーー
雷の影響で山手線が止まってたけど帰路には関係なく、新幹線も止まらず(大雨だと三島付近ですぐ止まるのよね)無事帰宅できました。
一応、オットにはばれてません(笑/今回もお忍び)


★余話1
DVDはムリかもしれないけど(どこかでカメラ回してたっけ?)CDは出してほしいなー。
オール再録か3回カミカミ部分録り直しで(笑)


★余話2
『ラブ・レターズ』のオファーが来たら是非受けてください
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6 コメント

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きょーうもー (おみつ)
2006-08-14 23:44:16
いちにちをいきのーびたー

カザルスホールの前を通ってーかええってきたよー♪

(なんのうたになっちまったんだろう)

ステキなレポをありがとう。

行けなくて、会えなくて残念だったさー。

でもこうして水無月さんのレポも読めたし幸せです。



その、自分自身を楽器として生きていってる方の

「うた」をいい耳で聴き取ったこーじ君は

きっとまた一歩も二歩も進んでくれそうな

いい予感がします。
興奮して読みました! (coffeemilk)
2006-08-16 15:43:32
前にも1度お邪魔しているかと思うのですが・・?山本くんの朗読!分かち合いたくて、登場してしまいました。



もう、すばらしいレポなんで、感動再び!という感じです。『そう!そう!そうだったわぁ』と一人で喜んでました。同じモノをみて、書けるものがこんなに違うって・・いろいろと勉強になりました。そして、もう一つ興味があるのが「歌舞伎」こちらで研究させてもらって、秋にはデビューしたいなぁと。

勝手なことを、長々と書いて失礼しました。またお邪魔させてください。
おみつさまへ (水無月)
2006-08-17 22:54:35
めぐーりあえたのにー よーやくあえたのにー♪

あすはとーおざかるーー♪

って私も会いたいさ



朗読も歌もピアノも素敵でした。



>いい予感がします

同感。

歌う小森さんを見つめる耕史君の真摯な視線は、その予感を物語るものでした。
coffeemilkさんへ (水無月)
2006-08-17 23:16:46
コメントありがとうございます!



coffeemilkさんも12日組だったんですねー。

雷とか階下のピアノ音とか気になるところはありましたが、そんなのが許せちゃう素敵なリサイタルでしたよね





歌舞伎はいいですよー。

秋の歌舞伎デビュー応援します!

と言うわりにはウチには大した記事がなくてすいませ~ん

よろしければ、サイドバーの“ご贔屓blog②”とか“歌舞伎&伝統芸能関連リンク”を覘いてみてくださいね 
今頃ですが…。 (REI)
2006-08-18 18:30:15
大遅刻のコメント、ごめんなさい。



水無月さん、楽しいレポ、ありがとうございました。小森さんご自身のなど、レポ読ませていただいて、私もすっかり行った気になっております。ハハハ…。



山本君の舞台での台詞カミカミは、まあ、今後も経験するチャンスはあるでしょうね。お楽しみに!(って、言っていいのか!?ごめんねー、山本君~!でも、山本君が、歌詞をとちるのは、今のところ、私は聞いたことありません。今、某所でヴァンパイアに変身されている、ある御方は、色々な歌詞を聞かせて下さいますが…。でも、初めて聞く人には、「いつもと違う」ことすら分からない、お見事さで…。)



山本君は、オペラの発声法に、多少は興味をもった様子ですか?一番、喉に負担をかけず、一番大きな声が出る発声法ですもの。ミュージカルの歌い方とは違うけれど、ミュージカルやる人間が知っておいて、絶対損はないです。万一、汗でマイクがマスキングされても、一階最後列まで、歌声届かせることができます。(色々なところで、色々な作品観てるもんで…。色々な体験させていただいてます。)



「ラブ・レターズ」!ねー!あれだけ、色々な方々がやってるのに、山本君はまだですもんねー!やってほしい!でも、出演間近に発表\あって、東京だけ!なんて、やめてね! 2004年に、地団駄踏んで悔しがった経験ありですから!(それにしても、大阪公演の少ない「ラブ・レターズ」。クスン。(;_;))
REIさんへ (水無月)
2006-08-22 00:11:40
レス遅くなりましたーーー



朗読や歌の内容については全くもって説明できてませんが(汗)小森さんの日記と合わせて、リサイタルの雰囲気は多少は伝わったんではないかと思ってます



>某所でヴァンパイアに変身されている、ある御方は、色々な歌詞を聞かせて~

え?そうなんですか?(笑)

てことは、某レミ(某じゃないじゃん)でも色々な歌詞が聞けるんですか? 



>山本君は、オペラの発声法に、多少は興味をもった~

小森さんの歌には目線と共に耳をじっと傾けてましたよ。

興味をもったかは不明ですが、あれだけの歌声を聴いて何かしらのパッションを受けないようでは困りますね(笑)

とにかく「星よ」はすごかった

小森さんにレミ楽曲集CD出してほしいくらいです。



『ラブ・レターズ』って名古屋でやらないのはわかるんですけど、大阪も少ないですよねー。

交通費の関係上、私も大阪派です。

耕史君がやるなら東京でも飛んできますけど(汗)

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