月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『リトルショップ・オブ・ホラーズ』@青山劇場・11/11マチネ 1F-I-17

2005-11-13 22:39:36 | Koji’s Stage Review
交通費のことを考えると、大阪に行くほうがもちろん安いんですが、待ってられないので行ってきました、東京まで。
公式はコチラ
←これは諸事情がからんでくるのでちょっと控えめの大きさにしてみました(笑)
今回、厳しい目でみればツッコミ処満載なんですが(汗)頭で考えて観る部類のミュージカルじゃないと割り切って、レビュー書きます。
BW版を観ていないし(映画は観たけど)、BWミュージカルについて詳しいわけでもなく、比べて批評する資格は私にはないので……。

でも、最初にひとことだけ。全体的にちょっと物足りなかったなー。
映画はハッピーエンドで終わるけど、舞台は違うとのことで、ラストでもっとドタバタがあるのを期待してました。が、意外とあっさり食われちゃって……
オーラスは深読みすれば頷ける演出なのかもしれません。
皆、オードリーの一部になっちゃってて、それでも笑顔って一番のホラーかもただ可笑しみのある怖さではなくて、少し哀しみを含んだ、背中に一筋冷や汗が流れる感じなんですが……。
「多香子LOVE」や「睦くん大好きー」な(馬鹿にしてるわけじゃないですよ。私だって「耕史君LOVE」だから)フツーの観客の方からあのラストを見ると、「皆出てきて、わーい」かな。
ひとことじゃなくなってしまいましたすいません

以下、ちょっと甘め。
『レミゼ』等のビッグネームは別として、BWに比べてあらゆる面で、日本のミュージカルはまだまだっていわれてます。だからって、非常に高レベルの技術を持った俳優を集めて、高名な演出家を使って、大掛かりな舞台を用意すればいいということでもないでしょう。
まずミュージカルを観に来てもらうことが大事。
ミュージカルを観に来てくれる人を増やすのが大事。
観客のレベルも意識も低いから、日本のミュージカルはだめなんだと言う前に、一般の人々が興味を持つ作品を作ることも必要なのでは。

山口祐一郎は知らなくても小堺一機は知ってるでしょう。
一路真輝は知らなくても上原多香子は知ってるでしょう。
アッキーは知らなくてもV6は知ってるでしょう。
有名人を集めりゃいいのかってツッコミは承知の上で言いますが、やっぱりTVで見知ってるひとたちが舞台に出てくると場が華やぐんですよ。小堺さん然り、多香子ちゃん然り。(耕史君に華がないって言ってるんじゃないわよ!)
そうそう、アッコさん然り。彼女の声で全体がビシッと締まりますもん。
今回は、このお三方を使ったメリットが結構あったのではないでしょうか。

男性も女性も大人も子供も、「ちょっと観てみようか」って気軽に楽しめる作品としては、この『リトルショップ・オブ・ホラーズ』、OKだと思いました。(演出家の意図とは違うかもしれませんが)
現に客層が実にバラエティ。おばあちゃん&お孫さん、中年のご夫婦、若いカップル、母&娘、男性ひとりでとか(多香子ちゃんファンか?/笑)。
最近、99%女性で占められてる観劇が続いたので、新鮮な雰囲気が味わえました

批評する資格がないのなんのと冒頭で言ってる割には、結構書いてます。
ご意見ご希望(違)異論反論オブジェクションありましたら、ご遠慮なく。





席はI列の真ん中からちょっと左寄り。
舞台全体を見るには丁度いい位置でした。楽日も殆ど同じ場所なので、シーモアのつむじ見たり、足に手がとどきそうだったり、根っこひっぱったりすることはありませんね(笑)


オードリー
思ってたよりよかった。
もちろん技術不足です(笑)
でもね可愛いのよ多香子ちゃん、すんごい可愛いの、もうオードリーなの
シーモアが彼女に惚れないわけがない。
ついでに中の人が「かわいいかわいい」連発するのも無理はない(笑)
日本人なら大抵似合わない金髪も無問題、演出の吉川さんがおっしゃってたようにまさにバービー人形。
目がくるくるでスラリとした手足に、意外と胸があって(笑)次から次へと変わる衣装も良く似合ってて、ビジュアル面では完璧
声量がないし低音高音でちょっと苦しいけど、よく通る綺麗な声は歌詞がちゃんと聞き取れました。訓練すればいい歌を聴かせてくれるでしょう。
オードリーの、ちょっぴり抜けてる天然、でも素直なところも、多香子ちゃんに合っていたと思います。あとは、演技にテンポが加わればいいかと…。
一幕目のシーモアとオードリーのやり取りは、ほんわかほのぼの。演技が流れると、観客の心を掴めないので難しいとこなんですが、ここでのオードリーはもう少し弾けた感じがあってもよかったかも。
でも初舞台としては中々の出来でしょう。
彼女が唄う“SOMEWHERE THAT'S GREEN”(Reprise)は、涙腺弱りました。


ムシュニクさん
最初のシーンで声が掠れてて、小堺さん疲れてるのかなと思ったんですが、歌のときの声は出てるし後のほうでは気にならなかったんで、演出?
とにかく安心して見ていられる存在。演技も歌も完璧。
小市民な市井の花屋のおじさんそのものでした。
あ、あとダンスもよかった。シーモア&ムシュニク名(迷?)コンビ

オードリーⅡに食われちゃった後、次のシーンで別の役で出てくるんだけど、それがねえ(笑)
岡幸二郎さんがオリン役だった時、この小堺さんがやったヤツは、岡さんがやっていたようなんですが、ガタイのいい彼があれをねえ(笑)
睦君もオリン以外に3役やってるけど、もう1人色々役をやるひとを用意してもよかったんではないですか?
演技とは全然関係ないとこでのツボがひとつ。
シーモアとムシュニクさんが顔を近づけて話すシーン。
なんか遠近感が変と思ってたら、何のことはない、耕史君の顔が小さくて、小堺さんの顔がちょっと大きかったのでした(暴言/小堺さんごめんなさい)


オリン
唄い方がロッカー(当たり前か)でもいいのよ、オリンはそれで。
そのイカレた雰囲気が伝わればいいんです。
彼は縦にも横にも華奢なので、高圧的な暴力男の迫力はあまりなくて、イッちゃってる変なヤツって感じでした。表情はよく出てたと思います。
もうちょっと突き抜けててもいいかなと思ったんだけど、周囲がほんわかだらけで、ひとりあのテンションでいなきゃいけないのは難しいでしょうね。


3人娘
さすがに上手い
オープニングではもっと動きを派手にしたほうがいいと思ったんですが、歌がいいからいいや
あちらこちらで大活躍の縁の下の力持ち。
主役や演出が少々へタレ(念のために…今回のことじゃないですから)でも、アンサンブルやこういった狂言回し的な存在に、実力派がでんと構えててくれるとホッとします。
彼女達の存在は大きかったですね。
3人で組んでThree Degreesとかやってくれないかな。


オードリーⅡ
アッコさんで正解。今回のベストキャスティング賞あげたいくらい。
オードリーⅡが喋り始めると、テンポがよくなって、場面が動き出すんですよね。
ストーリーが進むにつれて、オードリーⅡとの絡みも多くなって、登場人物もキャラ立ちしてきて感情移入し易くなりました。シーモアとの掛け合いも見事。
歌も大迫力!やっぱりアッコさんは唄わないと
アッコさんの歌のおかげで、耕史君の歌の良さが増幅されてました。


シーモア
お待たせしました、本命登場。
終始猫背でおどおどとメガネをずり上げ。どこから見てもシーモア。
多香子ちゃんや小堺さんとの息もぴったり。
オードリー絡みのシーンはどれもよかったです。
最後の方は哀しいシーンの連続。
シーモアの頬に涙が一筋光るのを見ました。

真ん中辺りからのオペラグラス越しで(×10だけど)、眼鏡も邪魔だったけど、後半の追い詰められていく表情をなんとか見ることができました。台詞や動きだけでもその狂気に駆られていく雰囲気は、充分に伝わってきましたけどね。さすがです、山本耕史。

声の調子かなり良かったと思います。高音がよく出てました。
でも低音はちょっと聞き取りにくいところもあって……。多香子ちゃんの声質が実にクリアで綺麗で、ハスキーな耕史君の声が隠れてしまうこともありました。
耕史君の声って功罪あるというか諸刃の剣かも
でも、柔らかくて暖かみのある歌声は、シーモアの優しさや切なさやいじらしさがストレートに伝わってきました。大切なものを手のひらで包み込むような耕史君の唄い方は、じんわりと心に染みとおっていきますね。

オードリーⅡとの掛け合いはもちろんばっちり
相手の声が生じゃないのって、生より合わせるの難しいんじゃないでしょうか。日によって舞台のノリとかテンポも多少違うだろうし……。

あと、鉢植えのミニオードリーⅡに振り回されるとこ!
ホントに振り回されてました(笑)こういうのシャレにならないくらい上手いよ、耕史君
ミニオードリーⅡって、口空けて血は食うけど、姿形がとってもキュート。
鉢植えの頃は、シーモアにだっこされてることが多くて、オードリーⅡになりたいと思ってしまいました(莫迦)

最後にちゅーで締めよう(笑)
でも“SUDDENLY SEYMOUR”のぎゅー&ちゅーじゃないです。
あるシーンで、シーモアがオードリーの肩にそっと手を添えて、そっと額にというか前髪にキス。
洋画じゃよくあるなんてことない仕草だけど、その後の展開を思うと、ちょっと印象に残りました。



えーと、こんなとこでしょうか。
初見なのでストーリーには沿わず、それぞれの印象くらいしか書いてません。
思い出したら、ちょこちょこ書き足してくかも。



★余話1
オリンとシーモアの診療室でのシーン。
診療台のシーモアのつむじはもちろん見えないかわりに、でこが見えました。
つむじが客席側なのって、でこがやば(強制終了)


★余話2
パンフに素敵な写真がいっぱい。
特に後ろの方の“MAKING SCENE”のちっちゃい写真。
2P目の右端の笑顔、最高
1P目の右から2番目と3P目の左から2番目も好きです。
まだの方は、パンフ買ったら見てみてください。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« On the lucky day | トップ | リトルショップでお買い物 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あさぽん)
2005-11-14 08:17:44
Three Degreesいいですねーーーーー!同感。

あっさり食われちゃいましたね(笑

まるで自殺のようだと思いました。



早くもう1回観たいです。



あさぽんさんへ (水無月)
2005-11-14 22:41:53
おっ、さすがあさぽんさん

Three Degreesに反応していただけるとは、嬉しい限りです



……そうか自殺か。

あのあっさり感は、死なばもろともということなら、しっくりくるのかも。



私はあと楽日を残すのみです。

あさぽんさん、誘惑には負けてませんか?(笑)
Unknown (サトル)
2005-11-15 00:13:40
水無月さん

お疲れのところ、レポありがとうございました~。

ほくほくほく。わくわくわく。でへへへへぇ~。(笑)

読み進むのが勿体なくて、行きつ戻りつしながら

読ませてもらいました。

そっかぁ~。ふむふむ。ぐふふふぅ~。



>相手の声が生じゃないのって、生より合わせるの難しいんじゃないでしょうか。



ですよねー。返ってくるのが毎回同じっていうのは、こう…。

はっ。でもそこを、録音の声と「毎日戦って」いる自分が

好きとか…?!(←夢見過ぎです)



そっかぁ~。そっかぁ~。

(↑また、行きつ戻りつしたらしい)



はぁ~。ドキドキドキ!

サトルさんへ (水無月)
2005-11-15 23:39:27
詳細なレポでなくてごめんなさい

次の記事でかよこさん宅にリンク貼ってあるので、よろしければ飛んでってみてください。読みやすくてわかりやすいレポがあります。



今回、オードリーⅡのアッコさんの存在が、耕史君のあらゆる面での上手さを引き出してると思います。

戦ってますよ、耕史君



おどおどシーモアにヤラレてきてくださいね

後半は特に表情を見て~。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Koji’s Stage Review」カテゴリの最新記事