ちぎれ雲

熊野取材中民俗写真家/田舎医者 栂嶺レイのフォトエッセイや医療への思いなど

ブユ・ブヨに咬まれた痕のかゆみを止める方法

2013-09-03 | 医療

 結構前から自分で実践していた方法なのですが、勝手なことを書いて問題があってはいけないと思い、人に勧めるのは自重していました。

 が、今年の夏の間も実践し、やっぱり一定の効果があることがわかったので書いてみます。

 かゆみがおさまるだけでなく、腫脹や発赤を抑えることができ、黒ずんだ痕もあまり残らずに済みます。

 もともとは、鹿児島県の硫黄島に取材に行った時に大量のブユに刺されたのがきっかけでした。体長わずか2mmほどの小さいブユなのですが、これがもう、食事中であろうが寝てる時であろうが飛び跳ねて踊るくらいかゆい!!殺人的にかゆい!!(笑)

 蚊に刺された時のことを考えていただいてもわかるかと思うのですが、虫刺されは、虫の唾液や体液を皮膚中に注入されて、それがアレルゲンとなってアレルギー反応が起こるもので、虫の体液は皮膚中に入ったまま居座るわけですから、冷やそうが、ステロイド剤を塗ろうが、それに対するアレルギーはそうそう止めることができないわけです。

 アレルギーの治療はまずは、アレルゲンを取り除くことなのに、それができない!!
(ちなみに刺されてすぐ腫れてくるのはI型アレルギー、一旦腫れがひいても翌日赤い斑点になって膨らんでくるのはIV型アレルギー)

 硫黄島のブユのかゆみに飛び跳ねながら、
「そうだ!アレルゲンを皮膚から取り除けないんだったら、変性させてしまえばいいじゃん!」
 クラゲに刺された時は冷やさずに、温める(クラゲ毒はタンパク酵素なので、熱で変性する)というのを思い出したのが始まりでした。ブヨ・ブユの体液もタンパク酵素だから、40度くらいの熱で変性するはず!
 
 すぐにシャワーで熱い湯をかけ続けていると、嘘のようにかゆみがおさまり、かゆみだけでなく発赤もおさまりました!
 実際には6~10時間くらい経過するとまたかゆくなってくるので、再びシャワーで熱い湯をかける……というのを繰り返しているうちに3日ほどで嘘のように治りました(3日というのは、通常の、腫れとかゆみがおさまってくるくらいの時間ですね)

 というので、まとめると、

1)刺されて赤くなっている部分に、普段シャワーを浴びているくらいの温度で湯をかける。だんだん湯温を上げていき、我慢できる範囲で熱くする(無理をしない) 私の場合、だいたい41度くらいです。お風呂をためる時の温度くらいですかね。直接かけるとかなり熱く感じます。訂正します。自宅のシャワーのダイヤルでは41~42度だったのですが、1度ごとに湯温表示のある実家でやってみたら45~46度くらいに表示されていました(羅臼の相泊温泉(約47度)と同じくらい?)各家庭や施設によって微妙に差がありそうなので、あくまで「自分が我慢できる上限くらいの温度」と、訂正させて下さい。

2)最初は熱の刺激でかゆいが、湯をかけているうちにかゆみがなくなる。かゆくなくなったら、湯を冷水に切り換えて、今まで湯をかけて赤くなっている皮膚をよく冷やす。

3)念のため、ステロイド剤などの虫刺されの薬を塗っておく。

4)6~10時間くらい経つと、再び発赤してかゆくなってくるので、1)~3)を繰り返す。かゆくなった時に絶対かかない(痕が残るし、出血して感染のもとになるから) かゆくなったら、かかずに、お湯!

 今年の夏はこれで乗り切りました。ブユの口吻(皮膚に突き刺す所ね)の痕は点としてまだ残っているけれど、かきむしってひどくしてしまった時のような痕は残らず快適です。

 6~10時間というのは、刺したブユの種類によって違いがあるからです。

 一方で、普通の蚊に刺されにも試しましたが、蚊の場合は効果はイマイチです。6~10時間でなく、3~4時間で再びかゆくなってくる。これもこまめに湯をかければ乗り切れるのか、もう少し試してみたいと思います。

 さてここで問題なのですが、あくまで自己体験での効果なので、明確なメカニズムがわかりません。
仮説1)熱でアレルゲンが変性する
仮説2)熱で、アレルゲンに反応してつくられた免疫物質が変性する
仮説3)熱で、かゆみを感知している抹消神経がマヒする
 他の医者に話しても、仮説1)じゃないか?とは言いますが、それなら数時間で再びかゆみが復活してくる理由がわかりません。

 虫刺されで病院を受診しても、冷やして下さいと言われたり、ステロイド剤を処方されて……が、せいぜいの所なので、(そんで、冷やしてもステロイド剤を塗っても治らないのだ)、特に皮膚科の先生、「冷やさず温めれば治る」メカニズムを、ぜひ研究していただきたいです。

PS ドライヤーの熱風をあてるのも試しましたが、これは温度調節ができない上、皮膚の表面だけが超高温になるので、駄目でした。ただただ火傷のもとです。ドライヤーは絶対やめて下さい。

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