
斜里町に行って、クマの話をいろいろ聞きました。今年に入って射殺されたヒグマはすでに2頭。知床峠付近で誰かヒグマに餌をやった人がいるらしく、追い払っても追い払っても近寄ってくるためやむを得ずの射殺だったそうです。
いや自分も旧開拓地内を一人で歩き回っていて、他人に向って気をつけよと言える立場ではないのですが、それにしても耳に入ってくるのは「なんでや(- -"」という話ばかりです。
複数のタクシーの運転手さんが、ヒグマを見つけるなりタクシーのドアを勝手に開けて外へ出てしまう観光客のことを嘆いています。ある運転手さんは「車から出るな!」とほとんど髪の毛逆立ちながら制すしたら、「だって、車から降りなかったら写真撮れないじゃん。」
・・というやりとりをお客さんとやってる所に、今度はスーッとレンタカーが停まり、何を思ったかいきなりそのヒグマに向ってソーセージを投げた!!
ばか者!大ばか者!!
ソーセージが食べられる(しかも美味しい)ということを知ったヒグマは、次からソーセージの匂いのする所(家でも人でも)を必ず襲う。ソーセージを投げたあんたのせいで、誰かが死ぬかもしらんね。そして、ソーセージに寄って来るヒグマは、(寄ってくるというだけで)射殺されるんよ。
運転手さんはすかさず窓から顔を出して「餌投げるな!!!」と怒鳴ったら、レンタカーは「関係ねぇー」と言い捨てて去っていったそうな。
野生動物に餌をやりたいという気持ちは理解できないでもないです。
なぜなら、餌やりは「野生動物と接点を持つ」一番簡単な方法だからです。野生動物をただ「見る」のではなく、「接したい」「何か関係を持ちたい」「コミュニケーションをとりたい」という願いは誰にでもあるでしょう。
しかし、非常に残念なことに、私たちは動物に餌をやるというやり方以外に、動物との接し方を知らない。知らなさ過ぎるんです。餌を投げる。それを野生動物が食べる→→→与えたものを受け入れてくれた、野生動物とコミュニケーションが成立した!!!と、喜ぶわけです。
んな簡単に動物とコミュニケーションが成立しますかい。
はっきし行って馬鹿です。阿呆です。ということに、ヒグマでもキタキツネでも何でも餌をやりたがる観光客の人々に早う気付いて欲しいです。ただぽーんとソーセージを投げた一瞬で、野生動物とコミュニケーションがとれた?野生動物に受け入れてもらった? んな馬鹿な話はありません。そのソーセージが野生動物を、そして人間を殺すんです。
ちょうどウトロ市街(シカ柵の内側:ホテル住宅側)にヒグマが入り込んで、自然センターのレンジャーさんが一人で、犬の散歩中の人、キャンプ場でテント張っている人など、全員に声をかけて走り回っていました。その時ヒグマはちょうどキャンプ場と下の国道の間の斜面(ほんの数十メートルの幅しかない)にいましたね。たった一人でダッシュで走り回る後姿を見ながら、
(斜里町~~!アナウンスのスピーカーくらい設置してよ!!!(@@;;;)
とか思っていたのですが、瞬間、やっぱダメだ・・・とうなだれました。
現在○○にヒグマがいます、なんてアンアウンスしたら、必ずや「どこ?どこ?」とヒグマを見に人が殺到するに違いないからです。アナウンスなんかしたら逆効果。レンジャーさんが一人で走り回らないですむ日は来るんでしょうか。
なお、ヒグマをはじめ野生動物に餌やりをすることへの問題については、まったく同感ですので、上記のみ訂正をしていただけたらと存じます。どうぞよろしくお願いします。
一方、後半に書いた、ウトロ市街の柵の中に入ったヒグマは、結局気の毒な転機をたどったそうです。非常に残念で、ショックでもありました。昔、広島県にいた時にクマフォーラムというのに行ったことがあるのですが、やはりクマの駆除で議論が炎上していて、その中で駆除派が「クマは何か役に立つのか」と言ったことが納得できなかったことなども思い出しました。人間中心でしかない考え方では、クマだけでなくそのうち人間の方も気の毒な転機をたどるかもしれません。人間の安全を守るためには駆除しかないという現在の状態から、早く抜け出せることを祈っています。
クマ愛好者さんはクマについて活動していらっしゃる方なのかなあと思いつつ、いつもコメント拝見しております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
私達は、北海道にも多く生息して、ヒグマとも、接点があります。
私達の蝶道にも、ヒグマの棲家と重なっております。
一方、本州では、山間部では、ツキノワグマも
生息している。
先ほどの話ですが、ヒグマに餌(ソーセージ)を放り投げる行為は、信じられません。
ヒグマは、オオカミとは、異なり、自分の餌に対する執着心があることです。
登山等で、クマに出会ったら、リュックをクマへ差出した後、クマが去ってからリュックを持ち帰る行為は、自殺行為です。
クマによる事故は、クマ側が、射殺され、大概、クマが悪者扱いを受ける。
しかし、実際は、人間側に「非」があると思います。
特に、ヒグマの生息地への観光客への教育実施は、必要と思います。
クマ達が絶滅すれば、人間も絶滅するのですから。
はじめまして、コメントどうもありがとうございます。そうなんです、ヒグマが「自分の獲物」に対する執着心があることが、どうしてもっと周知されないのだろうと私も思います。リュックを取り戻しに行って襲われる事故は、1970年の福岡大ワンゲル部ヒグマ襲撃事件が有名ですね。あの事件は今読んでも怖いです。
知床も、ヒグマの数は以前ほど増えてはいないそうですが、知床に入る観光客の数が圧倒的に増えたために、ヒグマとの接触事例が極端に増えています。目撃数がすごく増えているのですが、観光客はヒグマを見たいわけですから、良いのか悪いのか・・(いや良くないんですが・・) ヒグマ講座を受講しないと知床に入れない、とか、そんな対策が必要ではないかと強く思います。