ちぎれ雲

熊野取材中民俗写真家/田舎医者 栂嶺レイのフォトエッセイや医療への思いなど

空港のX線手荷物検査でのブローニーフィルムの安全性

2008-01-15 | 写真
奈良県念仏寺陀々堂の鬼走り その3 採灯護摩 各家庭が奉納した護摩木は阿弥陀仏の前で祈願された後、読経とともに護摩の灯で焚かれる。


 続きです。
 富士フィルムイメージング(株)プロフェッショナル技術担当窓口からいただいた回答は次のようなものでした(- -;;;
 私は日常的に飛行機でフィルムを持ち歩くので、複数回X線を浴びることを想定して以下の答えをいただいています。

**************
 X線照射の強さにもよりますが、ブローニーフィルムの方が遮断するパトローネが無い分、影響を受け易い傾向にあります。従来型の手荷物検査機ではカラーネガよりはリバーサルの方がカブリ難いと言う長年の知見,データはありますが、やはり何回も積算照射されると影響が大きくなります。
 1回照射での微妙な変化(最高濃度低下,粒状劣化)は比べてやっと分かる程度ですが、実用的には4回までは大丈夫だと考えます。その時の照射強度によりこれ以降の照射回数では、更に感度低下等の何かしらの影響が出てもおかしくないと推定します。
 これからも大変ですが、通関時には頑張って手検査を御主張願います。
 間違えても、鉛の防止袋に入れたり,預け入れ荷物の方に回したりしないように願います。返って取り返しのつかない事に成り得ます。
**************


 いや、実は正直なところ、1回照射しただけでも、比べてやっとわかる程度でも(たとえやっとでも、比べてわかるくらい)劣化があるとは驚きだったですよ。あれだけ影響ない、まったく影響ない、絶対影響ないからX線通せ、と繰り返されていたので、大丈夫なのかと思いかけていました(泣)

 今日の手荷物検査では、フィルムは全部オープンにしてもらいました。
 が、フィルムをオープンにすると、何故だかそれ以外の手持ちのバッグの中身を全部取り出して、トレーに並べ直してX線をもう1回通さないといけないことになっていました。
 機材だけじゃなくて、洗面用具もまるめた靴下も洗濯物も全部取り出されて3つのトレーに広げられて流れていきますが。・・・フィルムをX線にかけられるよりマシなので全然オッケー。
 自分の治療中のアンプルとか注射器とかも流れていきますが。・・・それは何にも言われないのが少々ヘンな気分。
 フィルムはトレーに広げ、「封の空いてるフィルムがないかどうか確かめろ」とか言いながら、1本1本目視で改めていきます。・・・撮影済みフィルムは封が空いているのですが・・・、私にはよくわかりません。
 今日は60本くらい。
 いい時間がかかりました。
 
 X線じゃないけど、こんなこともありました。
 フィルターとか、ストロボとか、もうめんどうくさいので、クッションなどにぐるぐる巻きにして、預け入れにしてしまおうかと思ったことがありました。が、窓口で「保証ができないので絶対機内持ち込みにしてくれ」と拒否されました。
 仕方なく機内に持ち込むと、
「保証ができないので、上の荷物棚には絶対入れないように」
 と言われます。足もとに置けるような大きさではなかったので(大きいです)、置く場所がなくて途方に暮れていると、空いている座席にシートベルトをかけて置いてくれました。
 が、もう一つ分の座席分支払うように言われました(汗)
 (もう1枚航空券を買えってことです)

 いつも、航空機に乗る時はとてもストレスです。
 怒るというより、ひたすら疲れます。どっっと疲れます。
 他のカメラマンの方はどうしているのでしょうか。そんなに頻繁に飛行機で移動はしないのでしょうか。今どきはもう、デジカメ主流になってしまって、ブローニーのフィルムカメラを持って飛行機で移動するカメラマンはいなくなってしまったということなんでしょうか。
 いや、そんなはずはない。そうではないと思うのですが。

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空港でのフィルム及びカメラのX線手荷物検査 その2

2008-01-15 | 写真
奈良県念仏寺陀々堂の鬼走り その2 ここでは鬼役を縛っている「こより」を持ち帰ると無病息災になると言われ、鬼走りが終わると、みんなこぞって解かれたこよりを拾おうとします。
 有名な鬼走りの場面以外にも法要や護摩焚き、陀々堂の名前のもとである「だったん」行など、見どころはたくさんあり、昼の鬼走りが終わっても、夜の鬼走りまでの間も時間をもてあます暇はなかったです。


 続きですが、こんな冗談みたいなこともありました(- -;;
 手荷物の300mm長焦点のレンズケースを見て、係員が「それは何ですか」と言うので、「レンズです」と答えると、ケースから出せと言う。
 仕方なくケースから出して見せると、
 「それはペットボトルですか?」
 ・・・・
 ・・・・・・・あのう(- -;;
 ほんの5秒前に、レンズですと言ってますがな。
 そりゃー最近はペットボトルの検査も厳しくなって頭の中はペットボトルのことがいっぱいなのかもしれないけど、
 どこをどー見たら、真っ黒真っ直ぐな交換レンズがペットボトルに見えるつうねん

 こんな具合なので、
「ブローニーフィルムはパトローネに入っていないので、通常のフィルムよりも感光しやすいのでメーカーからもX線を通さないように言われています」と説明したところで、
 「パトローネ」という単語がわかる人が一人もいません。
「普通の35mm判のフィルムは小さい缶に入っていますよね、それがパトローネです」と説明しなおした所で、「35mm判」も誰もわからなければ、フィルムが缶に入っているというイメージすらもう、誰にも通じません。
 ブローニーフィルムはこれこれ、このように紙巻きで、と、仕方なく実物をほぐして見せて、やっとフィルムが紙1枚のみに包まれた剥き出しの状態であることを理解してもらうのですが、その時点でもう、ものすごくタイムロスしています。
 んなうちに、
「お客さま、ご協力いただけないのであれば、出発時間が迫っていますので、便にはお乗りいただけません。」
 こうなることを見こして、かなり前から手荷物検査場に入ってるのですが。誰のせいでこんな時間になってると思ってんねんよ。
 その一言(脅し)ですべて押し通されてしまいます。

 空港の検査員が、ちゃんとフィルムについても、フィルムカメラについてもよくよく理解していて、その上で「それでもX線を通せ」と言うのならまだ納得の仕様もあるというものです。が、レンズもフィルムも何にもわからなくて、こっちがびっくりするようなトンチンカンなことを言いながら、「ISO1600までは大丈夫とされていますからX線を通すように」とマニュアルだけで繰り返されても、ちょっと待てヲイ、になってしまいます。

 ちなみに、実際のところブローニーフィルムのX線検査での安全性はどんなものでしょう。
 あんまり手荷物検査で疲労するので、「もうX線に通してまえ」と思いかけていたのですが、メーカーに問い合わせた答えは予想外に厳しいものでした(汗)

続く

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空港でのフィルム及びカメラのX線手荷物検査 その1

2008-01-15 | 写真
先週から紀伊半島の方に行っていました。昨日は奈良県念仏寺陀々堂の鬼走りでした。
人混みのカメラマンだらけの場所とりで怒号が飛び交うような場所には行きたくなくて、直前まで逃げたくて帰りたくて仕方がなかったのですが(でも自分のテーマなので帰るわけにいかない)、人は凄かったけど怒号が飛び交うようなことはなく、学ぶことも多く収穫の多い一日となりました。


 昨年秋に、空港での手荷物検査の際にフィルム装填中のカメラをX線に通す通さないですったもんだし、難しい時代になったものだと途方に暮れていましたが、年が明けて、空港でのカメラの手荷物検査はもっと厳しくなっていました。
 自分なりにフィルムを持ち込む際には自衛手段をとったり、カメラにフィルムが装填中にならないように気をつけたりしていたのですが、毎週のように飛行機で移動していると、どうしても装填中の場合が出て来てしまいます。
 昨年秋は、「1枚撮ってみせろ」(カメラの動作確認のため)だったのですが、今年は
 「フィルムを全部巻取ってカメラの外に出せ」
 になっていました(- -;;

「X線に通せ。でも、フィルムが感光しても保証しない」
「それがいやなら、フィルムを外に出せ。その際、数千円のコストがムダになっても保証しない」
「それでもいやなら、宅配便で送れ。でも、宅配便がX線を通さないのかどうかは知らない」

 宅配便業者には自分で確認しろと言うので、じゃあ宅配便業者に確認しますと言うと、
「それをするなら、この便には乗れません」
 ・・・・・
 ・・・・・・・あのう(- -;;
 どうせいつうねんよ

 フィルムを無駄にしたくないので残り枚数全部ここで撮影します、現在の手荷物検査はこうなっていると会社に報告しますと言うと、
「撮影禁止です」
 仕方なく、あさっての方角にシャッターを切って残りのフィルムを消費していると、係員がとんできて、
「そのレンズはどこから出てきましたか!?(怒)」
 (カメラのボディとレンズは別々に収納しています。) あのう、さっきアナタがX線に通した機材バックに入っていたでしょーがよ。
 あの、何が疲れるかというと、最近はもう、カメラとレンズが別々になっているということも、わかる人がいなくなってしまったことです。巨大な交換レンズのタマを見て、それが「レンズである」ということすらわかってもらえないことも多いです(それはカメラにつけるものですか、とかきかれる(疲))

続く

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