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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

浜岡原発には津波集中と東大地震研究所発表 しかも30年以内に震度6強以上の地震発生確率84%

2011年09月26日 | 原発ゼロ社会を目指して


末尾にあるように、毎日新聞によると、東海地震の震源域に位置する中部電力浜岡原発の前面海域は、津波のエネルギーが集中しやすい地形であることが、東京大地震研究所の分析で分かりました。

「光が凸レンズを通過して焦点に集まるように、海脚の根元に当たる同原発周辺に津波のエネルギーが集中する」んだそうです(恐)。


もともとわかっていたことですが、浜岡原発は、東海地方から四国地方の沖合の海底にある南海トラフ(海溝)沿いに発生するマグニチュード(M)8級の巨大地震、東海地震の震源域の真上に立地します。

地震学者から「そもそもつくるべきではなかった原発」と指摘されているように、世界にも例のない異常な立地です。

浜岡原発から10キロ以内の牧之原市議会が、本日、永久停止決議を上げたのも当然です。

こんなところに原発建設を作った中電も中電ですが、建設を認めた自民党政権や旧通産省、差止めを認めなかった裁判所は一体どこに目をつけていたのでしょう。



あの原子力安全・保安院が、浜岡原発に30年以内に、震度6強以上の地震が発生する確率が「84・0%」としているんです。まして、東海大地震が起こったらどうなるのか。。。中部電力は何をおいてもまず一旦停止するべきだったのです。

なにしろ、15メートルの高さの津波が来たら半分以上の8メートルが乗り越えてくるんだそうですから。。。

祝 「世界で最も危険な原発」浜岡原発停止要請 中部電力は即時停止せよ 「津波で8メートル浸水する」

現在、あらたに堤防を作っていますが、世界最大の釜石市の堤防は津波が来たら堤防が沈んでしまって役に立たなかったことがわかっています。

まして、堤防が沈むことに加えて、津波が集中しておそってくることも想定していないこの堤防では、いざというときに役に立たない可能性は十分あるでしょう。

(特に波打ち際にある恐怖のケープ・フィアー 浜岡原発第5号機)



浜岡原発は、菅前首相が中部電力に対して異例の運転停止要請を行い、中電が5月9日にそれを受け入れました。

 

祝 浜岡原発停止!電力の融通は一部可能。中部へ280万、東電へ103万キロワット送電目指して節電!

自民党や読売・産経新聞などは、菅前首相の要請が法的根拠がないとか、中電区域の電力が不足するなどと散々攻撃しました。



石原伸晃自民党幹事長は原子燃料サイクル特別委員会副委員長でもありましたが、菅首相の浜岡原発停止要請について、「電力供給はどうなるか、今後のエネルギー政策も含めて総合的に判断したのか。国会で十分な説明を求めたい」と述べました。

地下式原発議員連盟顧問(笑)の谷垣自民党総裁は、「菅さんは独裁者だ。自分が英雄になり目立つために法、権限を無視して独断でやっていたら、民主主義は崩壊してしまう」と菅前首相の中止要請を批判しました。

 

中曽根・小泉・安倍自民党原発推進議員人脈 地下式原発議連のお笑い

 

 

しかし、もちろん電力不足はもちろんクリアできましたし、そもそも強制力がない行政指導に法的根拠が要らないのは行政法の常識ですから、全くいわれのない言いがかりでした。

 

浜岡原発停止要請は行政指導だから法的根拠はいらない 不毛な国会審議はやめろ

 

目の前の事実を直視せず、反省しない自民党には本当に政権担当能力がありません。

谷垣自民党は人に質問するより原発推進姿勢を改めるのかどうか国民の疑問に答えるべきだ


浜岡原発にもある猛毒プルトニウム入りのMOX燃料を使うプルサーマルを推進するため、自民党、経産省・原子力安全・保安院はやらせシンポジウムなどを開くなどなりふりかまわぬ「原子力安全神話」作りを進め、読売・産経新聞などのマスメディアもこれを大いに助けました。

もんじゅといい、浜岡といい、こんな状態でも差し止め訴訟で原告が負けてしまう日本の司法制度も闇です。。。

 

保安院のやらせを産んだ原発推進利権 自民党・経産省・財界・マスメディア・自治体の癒着の構造

 

原子力安全・保安院がやらせ質問・動員要請 世論工作 中部電力、四国電力、中国電力 全部やろ! 続報あり


浜岡原発だけでなく、他の原発もお寒い状況です。

福島第1原発は運転開始から40年経過しているのですが、浜岡原発が今年34年目。全国に54基ある商業用原発のうち、営業開始から30年以上たつ原発は19基にも上ります。

冷却機能を失った原子炉を100度未満の安定状態(冷温停止)に戻すには、電源車や発電機など大容量の非常用電源に加えて、冷却水を海からくみ上げる海水ポンプの予備などが不可欠です。

しかし、保安院によると、このような対策をすでに確保している原発はなく、完全配備には半年~3年程度かかるとみられています。大津波を防ぐ防潮堤の建設を10原発で計画(うち2原発は検討中)していますが、これも完成までには1~3年程度かかる見通しです。

こんな状態で原発をまだ11基も運転している方が信じられません。

全原発が永久停止すべきです。

野田首相は来年夏までに原発再稼働と言い切りましたが、こんな状態で再稼働を認めるなら、もう、それは犯罪としか言いようがありません。

 

野田原発推進総理が米誌に来年夏の原発再稼働を明言 アメリカ・原発べったりの首相は要らない 

 

(津波に襲われた福島第1原発)

 

 

 

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 中部電力浜岡原発=5月、静岡県御前崎市

 中部電力浜岡原発の10キロ圏内にある静岡県牧之原市議会は26日午前の9月定例議会本会議で、同原発について「東海地震の(想定)震源域真上に立地しており、確実な安全、安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止すべきだ」とする決議を賛成多数で可決した。

 同市や、浜岡原発がある御前崎市を含め、中部電と安全協定を結ぶ10キロ圏内の4市で永久停止を決議するのは初めて。政府の全面停止要請を受け入れた中部電は、地元同意を得てからの運転再開を目指しており、新たな壁となる。

2011/09/26 11:32   【共同通信】

 

 

 

浅い海底が外洋に突き出て、津波のエネルギーが集中しやすい浜岡原発付近※東京大地震研究所のデータを基に作成
浅い海底が外洋に突き出て、津波のエネルギーが集中しやすい浜岡原発付近※東京大地震研究所のデータを基に作成

 東海地震の震源域に位置する中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の前面の海域には、浅い海底が外洋に突き出すように広がり、津波のエネルギーが集中しやすい地形であることが、東京大地震研究所の都司嘉宣(つじ・よしのぶ)准教授(地震学)の分析で分かった。

 浜岡原発の前面には、深さ200メートルより浅く、約20キロ沖まで舌状に広がる「御前崎海脚」と呼ばれる海底があり、その先は深さ500メートルまで急激に落ち込んでいる。また、御前崎海脚の両側も急に深くなっている。

 津波の速度は水深が深いほど速く、浅いほど遅い。都司准教授によると、海から陸に向かう津波は、海脚の中央に近いほど速度が遅くなる一方、中央から離れるほど速度が速く、津波の進む向きが中央方向に曲げられる。そのため、光が凸レンズを通過して焦点に集まるように、海脚の根元に当たる同原発周辺に津波のエネルギーが集中するという。

 中部電は東海、東南海、南海地震が連動した場合、同原発付近が高さ約8メートルの津波に襲われると想定。約1000億円の対策費をかけて、来年12月の完成を目標に海面から高さ18メートル、厚さ2メートル、全長1.6キロの防波壁の建設などを進めている。

 

想定外地震・津波への対策不十分…浜岡停止要請

 毎日新聞 2011年5月8日 9時10分 更新:5月8日 10時35分

 政府が浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を中部電力に要請したことについて、「他の原発についても運転を止めて抜本的な安全対策をすべきだ」 との指摘が専門家から出ている。政府は、国の地震調査研究推進本部(推本)が公表した各原発付近の地震発生確率の中で浜岡が突出していることを根拠とした が、近年は想定外の被害が相次いでいる。電力各社が国に提出した津波に関する緊急安全対策も、最長で3年がかりの取り組みとなり、その間に起きる想定外の 地震や津波に対する防護策としては不十分なのが現状だ。
 浜岡原発に停止を要請した理由について経済産業省原子力安全・保安院は、30年以内に震度6強以上の地震が発生する確率が「84・0%」とした推本の予測を公表。他の原発に比べて10倍以上高いためと説明した。しかし、「原発震災」の危険性を警告してきた石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)は「浜岡ばかりに目を奪われていると他の原発の危険を見落とす可能性がある」と指摘する。
 今回公表したのは、今年1月時点で推計した全国17カ所の商用原発と高速増殖原型炉「もんじゅ」付近の確率で、最も高いのが浜岡の84%。他は東北電力女川原発の8・3%、日本原電東海第2原発の2・4%など。福島第1は0%だった。
 保安院は推本の評価を「一番信頼性の高いデータ」としてきた。だが、00 年10月の鳥取県西部地震(マグニチュード=M=7・3)や08年6月の岩手・宮城内陸地震(M7・2)など、被害を伴う内陸地震の多くが未知の断層で発 生するなど、「想定外」も相次いだ。4月11日に福島県東部で起きた、東日本大震災の余震とみられるM7・0の地震も、推本が評価対象から外した二つの断 層が原因であることが、土木研究所などの調査で判明している。
 石橋名誉教授は全国の原発について▽活断層の有無や連動性▽津波の規模--などを多角的に分析し、第三者機関が公開で議論することが望ましいと提案する。【比嘉洋、八田浩輔、飯田和樹】

 

福島原発:非常電源、防潮堤…浜岡以外も安全策に難題

 福島第1原発の事故を受け、海江田万里経済産業相は電力各社に津波被害を想定した緊急安全対策を作るよう3月30日に指示。被災した3原発(福島 第1、第2、女川)を除く14原発と2研究炉の16施設の対策について今月6日夜、「適切」と認めた上で、浜岡原発に限って「東海地震への安全性をより高 めるため運転停止を求めた」と説明した。

 浜岡以外の原発の運転継続に国が事実上お墨付きを与えた格好だが、抜本的な津波対策にはほど遠い。冷 却機能を失った原子炉を100度未満の安定状態(冷温停止)に戻すには、電源車や発電機など大容量の非常用電源に加えて、冷却水を海からくみ上げる海水ポ ンプの予備などが不可欠。だが保安院によると、すでに確保している原発はなく、完全配備には半年~3年程度かかるとみられる。大津波を防ぐ防潮堤の建設を 10原発で計画(うち2原発は検討中)しているが、これも完成までには1~3年程度かかる見通しだ。

 NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「浜岡以外の原発の周辺でも想定外の地震が起こるかもしれず、抜本対策を講じている間にも津波 が原発を襲う可能性は否定できない。安全を言うのであれば浜岡同様、少なくとも抜本対策完了までは運転を認めるべきではない」と指摘する。【河内敏康】

 

 

 

 浜岡原発「津波で8メートル浸水」中部電、初の想定 15メートル津波で

 2011.5.7 01:40 産経新聞

 中部電力は6日、菅直人首相の原発停止要請の発表に先立ち、津波によって原発敷地が海抜で15メートル浸水するという初の想定を公表した。国の東 海地震の想定に基づき中部電は敷地前の砂丘で浸水は防止できるとして原発敷地の浸水は「0メートル」と想定していた。しかし、東日本大震災で東京電力福島 第1原発を直撃した津波の高さが14~15メートルだったとされていることから初の浸水想定に踏み切った。

 東海地震の津波の高さは国が想定するが、原発敷地内への浸水想定は中部電が独自に決めた。浜岡原発の3、4号機は海抜9メートル、5号機は海抜7メートルの高さに位置しており、この想定を基にすれば、原子炉建屋は6~8メートル浸水することになるという。

 これをふまえて、中部電は地面から高さ6~8メートル以内にある空調用排気口計8カ所を上方へ移動し、壁を貫通している配管計378カ所に浸水防 止の止水材などを追加する新たな津波対策に着手。防水性能向上のため、建屋の搬入口や扉をパネルや鋼板で補強することにした。これらの対策は今月中に完了 する見込みだ。

 

 

 

 

 


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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-09-26 23:52:20
武田教授の「日本社会には原発を建設・運転・管理するポテンシャルが無い」を支持します。
責任能力・安全性管理能力・危機想定能力ともに、全て日本人に欠落してる。
直ちに全ての原発を止めるべきだ。
「徐々に停止に持って行くのが現実的だ!」などと呑気な事を言ってるアホが多いが論外だ!
返信する
フェールセーフ (カフェ)
2011-09-27 09:48:58
誰一人、安全と言える人が誰もいない。国外を見ても、米国、英国、ソ連邦などで、既に発生して来ました。先般には、フランスも核燃料施設で事故が、発生しました。欧米の諸国は、全部で安全性に重大事故の実績があり、巨大科学の問題となっている。
返信する
死の原発 (TK)
2011-09-27 19:17:22
こんばんは、はじめましてTKと申します。

私は、今回の事故で初めて原発の闇を知り、こんな事を続けていては日本はダメになると「脱原発派」になった、事故前まで無責任だった罪ある一市民です。

記事に全面的に同意します!

この期に及んでも「脱原発」に総意で舵をきれない日本人はどうした事か・・・?(牧之原市議会の決議は良かったが)

6万人アクションにもマスゴミは知らんぷり・・・。

日本に正義はあるのでしょうか?
返信する
ありがとうございます (ray)
2011-09-27 20:34:50
どこまで破滅的な事が起こったら止める気になってくれるのかと思いますよね。

福島原発だってまた水素がたまってきているのに。

もう一回地震と津波が来て、西の方の原発も爆発して、日本列島に誰も住めなくならないとわからないのかな、と思うくらいです>原発推進派
返信する
脱原発を (元LEC受講生)
2011-09-28 13:56:42
 宮武先生
 いつもブログを拝見させていただいております。
 ところで先生はウクライナの首都キエフにある
チェルノブイリ博物館をご存じでしょうか。そこは文字通りチェルノブイリ事故の惨状を伝えるための博物館であり、館内には無邪気に笑う数百名もの少年少女の写真、いまだに放射線を放つぬいぐるみなどが展示されています。
 果たしてこの光景を正視できるでしょうか。
今後、福島が現在のウクライナ、ベラルーシのように健康被害に苦しむ人がたくさんいるのと同じ状況になるかは誰にもわかりません。
 ただ、チェルノブイリ事故と同様に故郷を、生活の糧を奪われた無辜の民がいます。こんな残酷な現実を引き起こした国(経産省)、電力会社、自民党、そして核武装のために原発から生み出される使用済み核燃料を保持し続けようとする自民党の政治家を私は絶対に許すことはできません。
 たとえ彼らがどんなに言葉を尽くして謝罪しようが、絶対に許すことはできません。
 原発から決別し、放射能の恐怖のない世界をご一緒に目指しましょう。
 
返信する
コンピューター・プログラムのフェールセーフ(安全性)・ソフトを、東電に対し開示請求思案ければならないが、今まで誰も指摘しなかった、これが決定的に重要な観点なのです (cafe安全性解明の重大ヒントは何か?)
2011-09-28 18:52:27
 この福島第1原発事故の安全性問題は、2011.3.11の東北大震災に伴う原子炉事故発生以来、約6ヶ月を経て、未だに核燃料溶融、メルトダウンの核放射性物質が、落下した推定に留まって、収束されていない。
 この安全性テーマの報道で、一つ大きな欠落があって、巨大科学システムだから、コンピューター・プログラムの運転操作手順ソフトによって、オペレーションが行われているけれども、その手順書を東電が90パーセント以上、黒塗りで、国会特別委員会、及び政府経済産業省・資源エネルギー庁、原子力安全・保安院へも、情報を100-パーセント開示拒否でした。
 実は、この外に重要なのが、その運転操作のコンピューター・プログラム、バックアップ・システムの事故原因保存ソフトを、どの機関も開示の必要性について、請求してこなかった。
 このソフトを究明すれば、実際の事故原因を解明できます。
返信する

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