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菅内閣も退陣の花道ができたというものです(ほんとにこのあたりで辞めた方がいいのになあ)。やっとまともなことをしました。
地元浜松市の自動車大手スズキの鈴木修会長兼社長が「停止要請はもっともだ」、川勝静岡県知事が「英断」と述べたのは当然でしょう。
浜岡原発は、東海地方から四国地方の沖合の海底にある南海トラフ(海溝)沿いに発生するマグニチュード(M)8級の巨大地震、東海地震の震源域の真上に立地します。地震学者から「そもそもつくるべきではなかった原発」と指摘されているように、世界にも例のない異常な立地です。あの原子力安全・保安院が、浜岡原発に30年以内に、震度6強以上の地震が発生する確率が「84・0%」としているんです。まして、東海大地震が起こったらどうなるのか。。。中部電力は何をおいてもまず一旦停止するべきです。なにしろ、15メートルの高さの津波が来たら9メートル浸水するのだそうですから。。。
もんじゅといい、浜岡といい、こんなでも差し止め訴訟で原告が負けてしまう日本の司法制度も闇です。。。
浜岡原発だけでなく、他の原発もお寒い状況です。
福島第1原発は運転開始から40年経過しているのですが、浜岡原発が今年34年目。全国に54基ある商業用原発のうち、営業開始から30年以上たつ原発は19基にも上ります。
「冷却機能を失った原子炉を100度未満の安定状態(冷温停止)に戻すには、電源車や発電機など大容量の非常用電源に加えて、冷却水を海からくみ上げる海水ポンプの予備などが不可欠。だが保安院によると、すでに確保している原発はなく、完全配備には半年~3年程度かかるとみられる。大津波を防ぐ防潮堤の建設を10原発で計画(うち2原発は検討中)しているが、これも完成までには1~3年程度かかる見通しだ。」
ちなみに石原慎太郎 東京都知事(「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心の垢をね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」とおっしゃったが、ご自身には天罰が当たらず、78才でまたも都知事に当選され、「福島でわけのわからん連中が原発に反対している」などと宣っているお方)、の息子さんの石原伸晃自民党幹事長は原子燃料サイクル特別委員会副委員長でもありますが、この人が菅首相の浜岡原発停止要請について、「電力供給はどうなるか、今後のエネルギー政策も含めて総合的に判断したのか。国会で十分な説明を求めたい」と述べたほうがおかしい。
一度原発事故が起こったらどうなるのか、これほどはっきりわかったのだから、先に原発を停止して、電力供給については後から手当てするのが当たり前でしょう。こんな人が幹事長になれる元長期政権与党がもう一回政権を取って良いことがあるとは思えません。
浜岡原発「津波で8メートル浸水」中部電、初の想定 15メートル津波で
2011.5.7 01:40 産経新聞
中部電力は6日、菅直人首相の原発停止要請の発表に先立ち、津波によって原発敷地が海抜で15メートル浸水するという初の想定を公表した。国の東海地震の想定に基づき中部電は敷地前の砂丘で浸水は防止できるとして原発敷地の浸水は「0メートル」と想定していた。しかし、東日本大震災で東京電力福島第1原発を直撃した津波の高さが14~15メートルだったとされていることから初の浸水想定に踏み切った。
東海地震の津波の高さは国が想定するが、原発敷地内への浸水想定は中部電が独自に決めた。浜岡原発の3、4号機は海抜9メートル、5号機は海抜7メートルの高さに位置しており、この想定を基にすれば、原子炉建屋は6~8メートル浸水することになるという。
これをふまえて、中部電は地面から高さ6~8メートル以内にある空調用排気口計8カ所を上方へ移動し、壁を貫通している配管計378カ所に浸水防止の止水材などを追加する新たな津波対策に着手。防水性能向上のため、建屋の搬入口や扉をパネルや鋼板で補強することにした。これらの対策は今月中に完了する見込みだ。
毎日新聞 2011年5月8日 9時10分 更新:5月8日 10時35分
政府が浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を中部電力に要請したことについて、「他の原発についても運転を止めて抜本的な安全対策をすべきだ」との指摘が専門家から出ている。政府は、国の地震調査研究推進本部(推本)が公表した各原発付近の地震発生確率の中で浜岡が突出していることを根拠としたが、近年は想定外の被害が相次いでいる。電力各社が国に提出した津波に関する緊急安全対策も、最長で3年がかりの取り組みとなり、その間に起きる想定外の地震や津波に対する防護策としては不十分なのが現状だ。
浜岡原発に停止を要請した理由について経済産業省原子力安全・保安院は、30年以内に震度6強以上の地震が発生する確率が「84・0%」とした推本の予測を公表。他の原発に比べて10倍以上高いためと説明した。しかし、「原発震災」の危険性を警告してきた石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)は「浜岡ばかりに目を奪われていると他の原発の危険を見落とす可能性がある」と指摘する。
今回公表したのは、今年1月時点で推計した全国17カ所の商用原発と高速増殖原型炉「もんじゅ」付近の確率で、最も高いのが浜岡の84%。他は東北電力女川原発の8・3%、日本原電東海第2原発の2・4%など。福島第1は0%だった。
保安院は推本の評価を「一番信頼性の高いデータ」としてきた。だが、00年10月の鳥取県西部地震(マグニチュード=M=7・3)や08年6月の岩手・宮城内陸地震(M7・2)など、被害を伴う内陸地震の多くが未知の断層で発生するなど、「想定外」も相次いだ。4月11日に福島県東部で起きた、東日本大震災の余震とみられるM7・0の地震も、推本が評価対象から外した二つの断層が原因であることが、土木研究所などの調査で判明している。
石橋名誉教授は全国の原発について▽活断層の有無や連動性▽津波の規模--などを多角的に分析し、第三者機関が公開で議論することが望ましいと提案する。【比嘉洋、八田浩輔、飯田和樹】
震災が審理に影響も 浜岡原発運転停止訴訟
中日新聞 2011年5月1日
福島原発:非常電源、防潮堤…浜岡以外も安全策に難題
福島第1原発の事故を受け、海江田万里経済産業相は電力各社に津波被害を想定した緊急安全対策を作るよう3月30日に指示。被災した3原発(福島第1、第2、女川)を除く14原発と2研究炉の16施設の対策について今月6日夜、「適切」と認めた上で、浜岡原発に限って「東海地震への安全性をより高めるため運転停止を求めた」と説明した。
浜岡以外の原発の運転継続に国が事実上お墨付きを与えた格好だが、抜本的な津波対策にはほど遠い。冷却機能を失った原子炉を100度未満の安定状態(冷温停止)に戻すには、電源車や発電機など大容量の非常用電源に加えて、冷却水を海からくみ上げる海水ポンプの予備などが不可欠。だが保安院によると、すでに確保している原発はなく、完全配備には半年~3年程度かかるとみられる。大津波を防ぐ防潮堤の建設を10原発で計画(うち2原発は検討中)しているが、これも完成までには1~3年程度かかる見通しだ。
NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「浜岡以外の原発の周辺でも想定外の地震が起こるかもしれず、抜本対策を講じている間にも津波が原発を襲う可能性は否定できない。安全を言うのであれば浜岡同様、少なくとも抜本対策完了までは運転を認めるべきではない」と指摘する。【河内敏康】