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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

事件続出なのにあっと驚く在日米軍夜間外出禁止令解除!不平等な日米地位協定の改訂こそ必要だ。

2013年02月16日 | 沖縄差別の解消と基地問題

密約 日米地位協定と米兵犯罪 [単行本] 吉田 敏浩 

密約によって米兵犯罪は見逃されてきた!日米地位協定にひそむ密約の闇とはなにか?国家による情報隠蔽の驚愕すべき実態とは?「安保50年」のいま、日米関係の不平等を徹底的にあばく画期的ルポルタージュ。

 

 

 沖縄県警は2012年10月16日、県内の20代女性への集団女性暴行致傷容疑で米海軍上等水兵(23)と、同三等兵曹(23)を逮捕しました。

 この逮捕された米兵たちは女性に片言の日本語で声を掛け、被害者の女性が取り合わずに歩いていると、後ろから近づき首を羽交い締めにし、人けのない場所に引きずり込んで犯行に及んだということです。

 ちなみに、沖縄返還後の米軍関係の刑法犯は2011年末で5747件にも及び、そのうち殺人、強姦、強盗などの凶悪犯罪は568件に上ります。

沖縄米兵集団女性暴行事件と田母神俊雄元航空自衛隊幕僚長ら極右のセカンドレイプ

 この集団強姦事件に対する沖縄の方々の怒りは凄まじく、やむをえず在日米軍は事件の再発を防ぐとして夜間外出禁止令や禁酒令を出していたのですが、夜間外出禁止令発令以降も、沖縄や横須賀などで呆れるくらい米兵による事件が相次ぎました。

夜間外出禁止令に違反して沖縄米兵が深夜に住居侵入・傷害事件 野田政権は誰のための政府か

 ところが、米軍は2013年2月13日、夜間外出禁止令を階級に応じて解除する新たな行動指針を発表したのです。

  くわしくみると、日本国内に滞在する全軍人が対象だった夜間外出禁止令は今後、最下級から5段階目までの下士官と兵士だけが適用対象になり、時間帯も従来の 「午後11時から翌日午前5時まで」が1時間短縮され、午前0時からとなります。なお、基地外での自由行動が認められるためには、性的暴行予防の講習や、日本に駐留するにあたっての教育プログラムを過去1年間に受けていることも条件となります。

 飲酒に関しては、基地外での飲酒は階級を問わず、午前0時から午前5時までは禁止としています。なお、沖縄だけは、基地外での飲酒は時間帯を問わずに全面禁止を継続するとのことです。

 しかし、この新しい指針も穴だらけです。

 一年間に一回だけ、日本の文化や道徳についての研修を受ければいいだなんて足りないでしょう。継続研修にすべきです。

 米軍基地に出入りするときに飲酒検査を抜き打ちでしているというのですが、それでも飲酒による事件が多発しているのですから、出入りする全員を飲酒検査するべきなのです。そもそも、外出禁止令などが出ているのに、しょっちゅう基地外で米兵が捕まるのが信じられません。せめて、自軍の兵士が基地内にいるのか外に出ているのかは把握するべきです。

 曲がりなりにも日本国民を守ると称しているのが在日米軍です。日本の人々を安心させるためなら、それくらいの負担がなんだというのでしょうか。 

 そして、それらの情報を定期的に公開し、新たな指針が有効かどうか日本に検証をさせるべきなのです。これらのことを要求もできない安倍自民党政権ってどこを向いて政治をしているのでしょうか。

検証地位協定 日米不平等の源流 [単行本] 琉球新報社地位協定取材班

スクープした外務省機密文書をもとに、日本における米軍の行動、基地使用、米兵犯罪の取り扱い…等の実態を検証、米軍側に身を寄せて地位協定の拡大解釈で 対応する外務省の、「対米従属」の源流を突き止めた問題作!

日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞大賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞。



 現に、ここ一週間以内でも、2月11日には、上級職の空軍曹長が沖縄県内で飲酒して玉突き事故を起こすなどして現行犯逮捕されています。逮捕容疑は10日午後11時35分ごろに起こった事故で、夜間外出禁止令違反でした。翌12日午前3時45分にも米軍属による酒気帯び追突あて逃げ事故が起きているのです。また、神奈川県・横須賀でも海軍兵らが窃盗や住居侵入の疑いで摘発される事件が相次いでいます。

 4か月にわたる夜間外出禁止令や飲酒制限はまるで守られなかったのです。自分たちで決めた規則も守れない他国の軍人なんて危なくて日本においておけるわけがないでしょう?

 そもそも、在日米軍は指針見直しの理由について、1月に沖縄県内で米軍人が摘発されず「重大事件の数が劇的に減少したため」などと説明していますが、1月はたまたまで、それも沖縄だけで、2月は事件が頻発しているのに、その直後に制限を緩和するなんて信じられません!

 ですから、日米安保条約による在日米軍基地の存在を前提にして、しかも日本に住む人々の安全に万全を期するなら、日米地位協定を見直すべきです。

日米密約 裁かれない米兵犯罪 [単行本(ソフトカバー)]布施 祐仁 

なぜ彼らの犯罪は裁かれないのか。強姦や暴行の被害者が裁きを求めて得られないのは、なぜなのか――。徹底取材で明らかになった日米密約とその関連文書には、米兵犯罪を日本で裁かせないようにするための数々の巧妙なトリックと日米両政府の申し合わせが隠されていた。


 

 米国は沖縄の施政権こそ日本に返還しましたが、復帰後も日米地位協定に基づき「基地の自由使用」の権利や米軍の特権的地位を温存しています。オスプレイの運用協定をいきなり破るやり方を見てもわかるように、彼らは沖縄を自由に使える土地だと思っているのです。

 ヨーロッパの米兵が日本のような問題を起こしたら大変なことになるそうで、現にほとんど事件は起こっていません。日本人はなめられているのです。

オスプレイ 市街地でしかもヘリモードの運用ルール違反 日米政府にだまされた振りの我々日本人が悪いのだ

 そして、現行の地位協定では、米軍人の公務中の事件・事故については米軍が裁判権を優先的に行使できます。公務外に基地の外で起こした犯罪についても、集団暴行事件と違い、米側が身柄を拘束した場合は、起訴まで身柄を日本側に引き渡さなくていい規定になっています。

 また、1995年の沖縄米兵少女暴行事件を受け、凶悪犯罪では起訴前の容疑者引き渡しに「好意的配慮を払う」と運用を改善しましたが、引き渡しを判断する権限は依然米側にあります。

 自分たちの米軍基地に逃げ込んでしまえば、日本の警察に逮捕されないですむことを、米兵たちはよく知っているのです。

 日本政府がこのような対米追従の不平等協定をまず改めることが、事件防止の最初で最大の策なのです。

 さらに、日米間には米兵の犯罪を見逃す密約さえあると指摘されています。現に、米兵刑法犯の80%以上が不起訴になっていると法務省は発表しています。いずれは日米安保条約を軍事同盟ではなく友好条約とし、米軍に段階的に出て行ってもらうのが一番いいのです。

沖縄差別の象徴 普天間基地移設問題の解決方法は撤去・廃絶のみ

 

 

 

まだ占領されているのも同じなのですから。

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 在日米軍司令部は13日、昨年10月に沖縄で起きた米兵による集団強姦(ごうかん)事件後、日本にいる全米兵に出していた午後11時~午前5時の夜間外出禁止令を解除。階級に応じて外出を制限する新たな指針に切り替えたと発表した。沖縄などでは疑問の声が出ている。

 新指針では、階級の低い兵士(海兵隊では3等軍曹以下)を対象に、午前0時~午前5時の外出を禁止。さらに、全兵士に対し、午前0時~午前5時の基地外での飲酒を禁じる。

 また、勤務時間外の自由時間を得る条件として、性犯罪の防止や日本文化に関する受講を義務づけた。沖縄県の飲食店で外出禁止時間に米兵を見かけた場合、店側から米軍に通報する「ホットライン」制度は継続する。

 在日米軍は10月の外出禁止令について「暫定的措置」と説明。新たな指針を設ける方針を示していた。

 だが、神奈川県横須賀市など米軍基地の周辺では、外出禁止令が出ている間も事件が続発。沖縄県では11日、嘉手納基地の先任曹長(41)が酒に酔って乗用車を運転し玉突き事故を起こしたとして、道交法違反の疑いで逮捕。翌12日にも米軍関係者(46)によるあて逃げ事故が起きた。

 仲井真弘多知事は今回の決定について「米軍は、新たな指針の実効性を確保し、事件・事故が皆無となるよう再発防止に万全を期していただきたい」とのコメントを出した。

 沖縄で米兵犯罪の被害者支援に取り組む池宮城紀夫弁護士は「よっぽど厳格な規則にしないと、規則から漏れる兵士がいるのは証明されている。新指針も小手先の措置でしかなく、抑止効果は期待できない」と話した。 

朝日新聞 2013年2月13日

 

2013年2月15日 16時06分
(16時間56分前に更新) 沖縄タイムズ

 在日米軍は15日までに、階級に応じた夜間外出禁止令の一部解除を在沖縄の米軍にも適用する一方、沖縄での基地外での飲酒は時間帯を問わずに全面禁止を継続すると明らかにした。

 在日米軍は13日に、全軍人を対象にしてきた夜間外出禁止を、最下級から5段階目までの下士官と兵士に限定するなどした新指針を発表。沖縄では「追加措置」を継続するとしていたが、外出禁止措置については、本土の米軍と歩調を合わせる形となった。

 基地外での飲酒禁止は、沖縄以外の地域に駐留する米軍人については、外出禁止時間帯の午前0時から午 前5時までのみが対象。在日米軍基地の74%が集中する沖縄では全面禁止とし、飲酒に関してはより厳格な対応が継続されることになった。沖縄では、基地の ゲートで抜き打ちの飲酒チェックも継続。酒に酔った状態で基地の外に出ることも禁じられる。(共同通信)

 

 在日米軍司令部は13日、昨年10月に沖縄で起きた米兵による集団強姦(ごうかん)事件後、日本にいる全米兵に出していた午後11時~午前5時の夜間外出禁止令を解除。階級に応じて外出を制限する新たな指針に切り替えたと発表した。沖縄などでは疑問の声が出ている。

 新指針では、階級の低い兵士(海兵隊では3等軍曹以下)を対象に、午前0時~午前5時の外出を禁止。さらに、全兵士に対し、午前0時~午前5時の基地外での飲酒を禁じる。

 また、勤務時間外の自由時間を得る条件として、性犯罪の防止や日本文化に関する受講を義務づけた。沖縄県の飲食店で外出禁止時間に米兵を見かけた場合、店側から米軍に通報する「ホットライン」制度は継続する。

 在日米軍は10月の外出禁止令について「暫定的措置」と説明。新たな指針を設ける方針を示していた。

 だが、神奈川県横須賀市など米軍基地の周辺では、外出禁止令が出ている間も事件が続発。沖縄県では11日、嘉手納基地の先任曹長(41)が酒に酔って乗用車を運転し玉突き事故を起こしたとして、道交法違反の疑いで逮捕。翌12日にも米軍関係者(46)によるあて逃げ事故が起きた。

 仲井真弘多知事は今回の決定について「米軍は、新たな指針の実効性を確保し、事件・事故が皆無となるよう再発防止に万全を期していただきたい」とのコメントを出した。

 沖縄で米兵犯罪の被害者支援に取り組む池宮城紀夫弁護士は「よっぽど厳格な規則にしないと、規則から漏れる兵士がいるのは証明されている。新指針も小手先の措置でしかなく、抑止効果は期待できない」と話した。 

 

米兵新指針 危機感なき小手先の変更だ

2013年2月15日  琉球新報社説

 規定を緩和していながら「犯罪をゼロにするために見直した」と公言する。この論理矛盾ぶりにはあきれるしかない。
  在日米軍司令部は、勤務時間外行動を規定する「リバティー制度」の新たな指針を発表した。新制度は、基地外での飲酒を午前0時から同5時まで禁止したほ か、軍曹階級相当以下の兵士は同時間帯で基地外や民間居住地への外出を禁止した。昨年10月に発令した午後11時から午前5時までの夜間外出禁止令の時間 帯を緩和し、これまで禁止してきた自宅以外の基地外飲酒も時間を制限して認めた。
 これほど県民を愚弄(ぐろう)した指針があろうか。続発する米兵の事件事故には、何ら歯止めがかかっていない。行動をさらに厳しく規制するならまだしも、まさに現状に逆行する対応と言わざるを得ない。
 米軍は、従来からあったリバティー制度の措置では、適用する兵士の階級を引き上げたことなどで、規定を厳しくしたと強調している。しかし、階級によって 区別する理屈が分かりにくい。指導的立場にある兵士が飲酒運転で逮捕されたばかりでもある。新指針を規制強化というなら、あまりに危機感を欠いている。
 新指針は、各軍が暫定的に取ってきた全ての措置に取って代わるという。今も事件事故が相次いでいる現状を考えれば、小手先の数字の修正にすぎない制度変更に、ほとんど効果は期待できないだろう。
 そもそも、4カ月にわたる夜間外出禁止令は一体何だったのか。これほど兵士に順守されない軍令があっていいはずはない。各兵士が米軍施設内や基地外の住宅内にいるのかさえ確認していない点からも、実効性を伴わない見せかけの対策だったといえよう。
 新指針にある「過去12カ月の間に性暴力防止と対応訓練、日本教育訓練をする」との内容も異様だ。数回の“道徳教育”なのか、繰り返し訓練するのかがよく見えない。それ以前に、兵士は、沖縄が植民地ではなく米本国と同様に法治国家であることを分かっているのか。
 米軍は基地ゲートでの抜き打ちの飲酒検査をするとしているが、やるなら徹底して出入りをチェックし、外出禁止措置が十分機能しているか情報開示をすべきだ。県警も基地周辺での検問を実施するなど取り締まりを強化し、米軍に綱紀粛正を強く促してもらいたい。

 

沖縄米兵、飲酒運転容疑で逮捕

 沖縄県警うるま署は11日、米空軍嘉手納基地の第18航空機整備中隊に所属する上級曹長エリック・シモンズ容疑者(41)を道交法違反(酒気帯び 運転)容疑で現行犯逮捕したと発表した。12日午後にも那覇地検に送検する。防衛省沖縄防衛局は同日午前、同基地に電話で再発防止を申し入れた。

 発表によると、10日午後11時36分頃、同県うるま市の県道交差点で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。同容疑者の呼気からは基準値 (呼気1リットル当たり0・15ミリ・グラム)の約6・6倍のアルコール分が検出された。同容疑者は軍服を着ており、「うるま市の自宅でビールを飲んだ 後、出勤する途中だった」などと供述しているという。

(2013年2月12日  読売新聞)
 
 
 

米兵と軍属逮捕 酒気帯びで事故疑い2013年2月13日

 うるま署は12日までに、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで嘉手納基地所属の先 任曹長(41)を逮捕、送検した。同容疑者は10日午後11時35分ごろ、うるま市の赤道交差点で3台が絡む追突事故を起こしており、米軍が出した午後 11時~翌朝5時まで深夜外出禁止令を破った可能性がある。同容疑者は容疑を認めた上で「自宅で酒を飲んだ。出勤途中だった」と話しているという。また 11日午後3時45分ごろには、飲酒した上で車に追突し、北谷町北前の事故現場から逃走したとみられる事故の容疑者として米軍属の男が逮捕され、米軍関係 容疑者による飲酒絡みの事故が相次いだ。

 同容疑者からは基準値の6倍以上のアルコールが検出された。追突された車に乗っていた男性ら計3人にけがはなかった。うるま署が飲酒場所などの裏付けを進めている。
 一方、沖縄署は12日、軽自動車と追突したにもかかわらず現場から逃走したとして、道交法違反(事故不申告)の疑いで、宜野湾市普天間の米軍属(46) を逮捕した。同容疑者は容疑を否認しているという。軽自動車に乗っていた30代の夫婦にけがはない。同容疑者の血液からアルコールが検知され、同容疑者も 飲酒を認めていることから、同署は酒気帯び運転での立件も視野に捜査を進める方針。

◆実効性なく失望
 仲井真弘多知事の話 外出禁止令など軍隊で決めていることの実効性はどうなっているのか。規律や指揮命令系統がしっかりしているはずなのに、失望させているだけだ。


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1 コメント

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意見 (昔は沖縄すきだった)
2013-03-16 12:21:50
米軍の夜間外出禁止解除を特に強く求めているのは沖縄のキャンプキンザーのある金武の金武町社交飲食組合の方々です。商売あがったりでこのままだと死活問題だと訴えてます。自分も1月にコザと金武の街を歩きましたが本当に悲惨です(週末でも人歩いてません)。そのような背景もあるのに負の面ばかりを語るのは何故なんでしょうか?米軍人の犯罪のことにも言及されてますが私が住む(あなたも住んでいるであろう)関西地区の方がよっぽど恐ろしいです 昨年車で走っているときに何度も見ず知らずのドライバーから脅されました。あなたもご存知だと思いますは米軍人の25%は敬虔なクリスチャンです。隣人である沖縄人のためにさまざまなボランティア活動も行っています。そのような人達をあなたはどう考えるのでしょうか?関西には米軍基地もなく米軍放送もキャッチできません。だからおどろくほど米軍に関して偏ったマイナス考えをもった人達に出会います。
昔は沖縄が好きでしたがオスプレイや米軍を題材にした度重なる限度を超えたゆすりたかりを見て正直嫌いになりました。原爆を落とされた広島、長崎県人がゆすりたかりをする姿をこれまで見たことはありません。とっても大人の対応だと思います
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