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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

15の春を泣かせ続ける橋下市長の強権姿勢が体罰の実態調査と対策をできなくしてしまった

2013年01月19日 | 橋下維新の会とハシズム

 


 大阪市立桜宮高校での体罰自殺事件については、まず第三者調査委員会による徹底した事実調査が必要です。事実に基づいた対策が必要だからです。

 まず、体罰事件の原因・問題は大阪市や教育委員会にもあるでしょうから、調査委員会は独立性・中立性を旨に、教育のプロである教育学者や教員、教育心理のプロである教育心理学者やカウンセラー、調査のプロである弁護士などで構成するべきです。今のように教育委員自体が調査しても信頼性に欠けます。また、この調査委員会に、ある結論を押し付けるような圧迫を橋下市長ら政治家がしないことも条件になります。

 この第三者調査委員会が、公平な立場で、桜宮高校の生徒や保護者や教職員にアンケートを取り、さらに個別面談調査をすることが必要です。大津のいじめ自殺事件で第三者調査委員会がやっている作業と同じです。橋下市長はことを1高校の問題に矮小化してしまっていますが、これを全市・全校でやるべきなのです。

大津の中学生いじめ自殺事件で驚いた教育長の一言 そして教育者と司法は今まで何をやってきたのか



 ところが、橋下市長はまだろくに調査もせず、実態も分かっていないのに、

「生徒も保護者も教員も、部活動で勝つことに頭がいっぱいで、大切なことを忘れている」

「暴力を容認する雰囲気の中で教育して、卒業生が同じような考えで指導するかもしれない」

などとイメージや印象だけでまるで桜宮高校の教師・保護者・生徒が全員「共犯」であるかのような激しい発言を続けています。この事件が発覚した後も延々と体罰容認発言を続けてきた橋下市長が「大切なことを忘れていた」ことは明らかですが、桜宮高校全体についてのこんな印象は、彼の先入観だけで全く確かめられていません。

体罰を容認してきた橋下市長のあるべき反省と謝罪のしかた 追伸あり


 ある顧問教諭の異常な体罰が明らかになったからと言って、他のクラブでも、どの顧問も体罰をしているに違いないというのは、あまりにも乱暴な決めつけで、こんな十把一絡げの議論ではえん罪事件が続々起きてしまいます。

 橋下市長が自分が思いつきで言ってしまった入試中止などを正当化するために、これだけ激しく攻撃したら、関係者全員が防御的になってしまってかばいあいに入ってしまい、アンケートでも個別調査でも体罰の実態がかえって明らかにならない可能性が高いのです。

 実は後先考えず暴言を吐く橋下市長が、体罰実態の解明も、対策もできないように今回の事件を台無しにし続けているのです。

桜宮高校の入試中止、校長・教師の全取り換えをいう橋下市長の市長職「中止」=首のすげ替えが一番の方法だ

 


 何が起きていたのかという事実ががわからず、全教員や全部活で体罰が横行していたのかも全く分からないのに、教員全員を異動させるべきかだとか、ましてや入試を中止すべきかなど判断できるわけがないのです。

 しかも、橋下市長は自分の対策を強行するために、予算の執行の停止を宣言していますが、入試中止・予算の執行停止・給与の停止などの権限は市長にはなく違法で、また住民訴訟になることはすでに論証されています。

 そんな害ばかり大きい方法を取らなくても、事実調査さえできて実態がわかれば、そして、許される体罰などないということを首長と教育委員会が貫けば、生徒や親の相談窓口となる教育オンブズマンを設置する、体罰撲滅キャンペーンを張るなど、対策はいくらでもあるのです。

体罰はこうやればなくせる 子ども未来法律事務所通信27~体罰に対する誤解を解く~

 



 この問題で、NHKによると、橋下市長が1月15日に体育科の入学試験を中止すべきだという考えを示して以降、高校受験を控えた中学生が情報の交換などを目的に利用するサイトの中の桜宮高校の掲示板には、橋下市長の方針に対する意見や感想が書き込まれています。このうち、桜宮高校の体育科の受験を希望しているという投稿者は

「なんで何にもしてない受験生が被害受けなあかんのですか。自分は桜宮高校体育科に入るため にずっと頑張ってきました。それが一瞬で無くなるなんて気持ち分かって貰えないんですかね?多分、他の受験生も同じ気持ちやと思います。夢叶えるために必 死に頑張ってきたのに最後の最後で、簡単に中止とか言われてほんまに最悪です」

と受験を間近に控えた今の気持ちを書き込んでいます。また、掲示板には

「涙がでました・・・。体育科にいきたいから勉強めちゃくちゃ頑張ったのに・・・。もう桜宮体育科以外、行きたい学校がないです・・・大人が勝手に決 めるのは間違ってる!」

といった書き込みや

「今までの桜宮高校が好きです。部活もちゃんとできるかわからんし。受験する側からしたらほんまに不安で不安 で」

と書き込みも寄せられています。



 他方、橋下市長はこの事件後の成人式でもまだ

「学校現場で他人に迷惑をかけるとかの 時には、手を上げることも認めないといけないかもしれない」

と体罰のルール化に言及しています。許される体罰などないとなぜはっきりと言えないのか。

 一つのかけがえのない命が失われたことを機会に、桜宮高校だけではなく、大阪の、ひいては日本の学校での体罰をなくしていくことができたら、亡くなられた生徒さんに対するせめてもの償いになったのですが、1政治家が自分の体罰容認姿勢を糊塗するためのパフォーマンスのために、若い命を「消費」してしまった。

 それがさらに子どもたちを嘆かせ、15の春を泣かせ続けている。かつて橋下氏が府知事時代に心無い言葉で女子高生たちを泣かせたのを思い出します。

 不幸な事だと思います。

「『子どもが笑う』 とは皆さんが笑うことではない」橋下大阪府知事が女子高生を泣かせたハシズム全開討論

 

 

もう、この事件のことを書くのは嫌ですね。これっきりに出来るといいのですが。

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どうなる大阪: 「都」になれない都構想
平松邦夫
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どうなる!大阪の教育―橋下・教育基本条例案を考える
 
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 体罰を受けた体育科の生徒が自殺した大阪市立桜宮高校について、橋下徹市長は、体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止するよう市教委に求めた。

 願書の提出期限は約1カ月後だ。受験予定の中学生たちに、何の落ち度もないのに進路の変更を強いるのだろうか。子どものことを第一に考えよう。橋下氏は要請をやめるべきだ。

 橋下氏の論理はこうだ。

 顧問の暴力をだれも止められず、生徒が死に至った。実態の解明もできていない段階で新入生を受け入れられない――。中止しないなら市長権限で予算をとめる可能性も示した。

 両科の定員計120人は普通科へ振りかえればよいという。だが受験科目がかなり違う。

 大阪市立中学の校長会は「生徒、保護者に不安と動揺を与える」として、入試を求める緊急要望書を市教委に出した。

 橋下氏は「そんな校長はいらない」と一蹴した。議論がかみあっていない。子どもたちの近くにいる校長たちの声を、重く受けとめるべきだ。

 体育科は、スポーツで力を伸ばしたい生徒が集まる学びの場だ。桜宮高では体罰があったバスケットボール部、バレーボール部以外にも、ボート部、水泳部、剣道部などがあり、多くが全国大会に出場する。

 入学者は大阪一円におよぶ。

 入試の中止は、子どもの一生を左右してしまう。

 橋下氏は桜宮高の全教員を異動させる「総入れ替え」も求めている。その前に、体罰の被害実態を明らかにすべきだ。

 体罰を許す空気が学校全体にあったのか、あったならなぜなのか。生徒からも聞き取りして調べるのが先だ。無法を黙認した先生を他校に拡散させ、一方で心ある先生を理不尽に追うことにならないか、心配だ。

 橋下氏は「廃校もあり得る」とも口にした。

 亡くなった生徒の命の重みを考えるなら、学校を再生する道をとるのが先ではないか。

 原因を明らかにする段階で学校の全否定や、トップからの極端な提案は慎むべきだ。傷つくのは在校生や受験生だ。

 一昨年、体罰情報を受けたのは市の公益通報の窓口だった。通報で体罰を止められなかった責任は、市長の部局にもある。

 教育委員会は、この事件で受け身になってはならない。体罰がなくならない現状や指導のあり方を考え、対策をとるのは市教委と学校の役割だ。

 子どもたちのために。それを第一に、市長と教委は責任ある判断をしてほしい。

朝日新聞 2013年01月18日00時41分

 

 

 体罰を受けた高校生が自殺した問題で、橋下大阪市長がこの高校の体育科の入試を中止する方針を示したことに対し、受験生には困惑と不安の声が広がっています。

 桜宮高校の体育科を志望している受験生:「1年前に入試要項が決まって、それに向かって一生懸命勉強してきたのに、やっと見えてきた桜宮高校だったのに…。僕たち受験生の夢が断たれるかもしれないという不安はある」「入試ができないと意味がない。今までやってきた時間が…(橋下市長は)むちゃくちゃだと思う」
 大阪市によりますと、これまで700件以上の意見が寄せられましたが、その大半は入試の実施を求めるものだということです。しかし、橋下市長は「態勢が整っていない所に生徒を迎えるほうが無責任だ」として譲らぬ姿勢をみせています。市教育委員会は、来月に迫った体育科の入試を実施するかどうかを21日に判断するとしています。
 桜宮高校の体育科を志望している受験生の母親:「不安で、せっかくの勉強も手につかなくなっている。親として何もやってあげられない。本当に精神的に親子ともども苦痛です」
 桜宮高校の体育科を志望している受験生:「これで人生が変わってしまうかもしれないけど、今はそういう選択しか残ってないので、それしかないのかなって思ってます」

 

桜宮高問題巡る橋下市長の発言過熱…批判の声も

 大阪市立桜宮高校で体罰を受けた男子生徒(17)が自殺した問題を巡り、今春の入試で同高体育系2科の募集中止を求める橋下徹大阪市長が発言をエスカレートさせている。

 同高教員の総入れ替えや廃校の可能性まで言及。在校生や受験生の思いをなおざりにした対応に批判が上がる。

 「炎の源は教員であり、生徒の意識であり、保護者の意識だと思う。この炎を消すために、まずは教員を入れ替え、生徒、保護者の意識を改めていく」

 18日に開かれた市議会文教経済委員協議会で、橋下市長は、体罰問題を火事に例え、意識改革のために教員の総入れ替えを訴えた。

 高校時代に自らも厳しいラグビー部生活を送った橋下市長は、問題発覚後も「試合中にビンタすることはあり得る」などと体罰を容認する発言を続けた。だが、12日に遺族宅を弔問した後、「スポーツ指導での体罰は一切認めない」と一転。3日後には同高の体育科とスポーツ健康科学科の募集中止を打ち出し、「場合によっては廃校もある」とまで踏み込んだ。

 入試が2月下旬に差し迫った時期だけに、市議会からは「市長の発言が事態を混乱させている」と批判が相次ぎ、「教員を入れ替えろと言うなら、まずは体罰を容認してきた自分が責任を取るべきではないのか」との声も上がる。

 募集継続を求める市立中学校長会の動きには、橋下市長は「教育者失格。そういう校長はいらない」と一蹴した。ある中学校長は「桜宮高校を目指してきた受験生たちの夢を一方的に摘み取るのは、暴力そのものだ」と憤る。

 梶田叡一・前兵庫教育大学長は、「解体的な出直しが必要な問題で、橋下市長の発想は間違っていない」としながらも、「この時期に募集を中止すると、受験生の選択が大きく狂う。感情的に対処すべきではない」と懸念を示す。

 市教委が募集を中止しない場合、市長権限で関連予算を執行しない可能性を示したことにも反発が大きい。

 大嶽秀夫・同志社女子大教授(政治学)は「予算を盾にした手法は汚い。これを機会に教育委員会をたたいておこうという考えなら短絡的すぎる」と指摘する。

 波紋は東京・永田町にも広がる。17日の自民党文部科学部会では、「橋下マジックに引っかかってはいけない。頑張ってきた子どもたちのことを全く考えず、教育委員会に責任転嫁しても問題解決はできない」などと批判が続出した。下村文部科学相も18日の記者会見で、「良く言えば発信力があるが、厳しく言えば、騒動を起こすきっかけになっている」と橋下市長に冷静な対応を求めた。

 ただ、当の橋下市長はどこ吹く風だ。19日、記者団に「新しい教育方針が固まっていない段階で、新しい生徒をお迎えする方が無責任だ」と語るなど、一歩も引く構えは見せていない。

(2013年1月20日  読売新聞)

 

「橋下市長、生徒の姿見て」桜宮高保護者ら

 「学びの場所として不適切」「伝統や校風はゼロにして一新させる」――。大阪市立桜宮(さくらのみや)高 校での体罰問題を受け、同高の体育系2科の募集中止を求める橋下徹市長が繰り返す“校風批判”。生徒や保護者に意識改革を迫るのが狙いとみられるが、同高 の保護者やOBらからは「勝利至上主義というのは誤解」「子どもたちは傷ついている。夢を奪わないで」と反論の声が広がっている。

 「学校全体の風土が(今回の問題の)根っこにある。断ち切らないといけない」

 橋下市長は18日の市議会文教経済委員会の協議会でこう答弁し、募集中止を見直す考えがないことを強調。校長が自殺のわずか4日後に「(バスケ部 が)新人戦に出場してもいいか」と遺族に打診したことや、学校が把握していない「寮」が存在していたことなどを挙げ、「生徒も保護者も教員も、部活動で勝 つことに頭がいっぱいで、大切なことを忘れている」「暴力を容認する雰囲気の中で教育して、卒業生が同じような考えで指導するかもしれない」などと批判し た。

 これに対し、桜宮高を昨春卒業した野球部OB(19)は「先生からは『勝つことがすべてじゃない』『負けをどう生かすかが大事だ』と指導されてきた」と、勝利至上主義が蔓延(まんえん)していた、との市長の見方を否定する。

 中学生の時に練習を見学し、部員たちの一体感、質の高さを感じて「ここで野球がやりたい」と必死で勉強した。3年間、大阪府南部から毎日1時間半 かけて通った。「先生方は厳しいことも言うが、生徒のことを考えてぶつかってきてくれ、本当に成長させてもらった。甲子園の夢は達成できなかったけど、桜 宮でしか学べないことがあったと思う」と話す。

 「桜宮に子どもを入れたことは間違ってなかった、と思う」と訴えるのは、体育科1年男子生徒の父親(50)だ。当初は自宅から遠い同高への進学に反対していたが、学校見学の際に校門で出会った女子生徒がきちんとあいさつする姿を見て、考えを変えた。

 公式試合では、相手チームの好プレーに、桜宮の生徒が拍手を送るのをみて、感激したという。息子は毎朝、始発の電車で朝練に通う。近所の人にもきちんとあいさつをするようになった。

 この父親は「仲間が自殺したのに『早く部活や試合がしたい』と言う感覚は確かに間違っている」と市長の指摘は認めたうえで、「桜宮には、規律や礼 儀を重んじるという良い伝統もある。教員の総入れ替えで部の指導者が代わってしまったら、その指導を受けたい一心で入学した生徒たちがかわいそうだ。桜宮 の魅力が失われたら、学校自体の存続が危うくなるのでは……」と心配する。

 市長に対して抗議の声を届けようとする保護者も出てきた。18日に弁護士とともに記者会見した3年女子生徒の母親(52)は「娘は体育科の先生に あこがれ、たくさんの実習、厳しい先輩の指導を乗り越え成長してきたが、『桜宮高の伝統を断ち切る』と言われて泣いていた。伝統がつぶされたら、体育の教 師になっても、戻るところがないと悲しんでいる」と訴えた。「市長は学校に来て生徒の姿を見てほしい。体罰はいけなかったことだが、子どもたちにチャンス を与えてほしい」と話した。

(2013年1月19日  読売新聞)
 
 
 

毎日新聞 2013年01月19日 東京朝刊

 大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の男子生徒(当時17歳)が自殺した問題を巡り、橋下徹市長 が同校の体育系2科の入試中止を市教委に要請したことに波紋が広がっている。同校の保護者や市議会からは「受験生への影響が大きい」と批判が噴出するが、 橋下市長は予算権を盾に一歩も譲らない。体罰を巡る議論が首長と教育委員会との権限問題へと広がるなか、市教委は21日に入試の是非を最終決定する。

 ■実施求め要望書

 「亡くなった生徒が入試中止を望むのか」。18日の市議会では、市長に批判的な意見が相次いだ。公明市 議は「出願が迫っている。調査結果も出ておらず時間を置くべきだ」と訴えた。だが、橋下市長は「態勢が整っていないところに生徒を迎える方が無責任」と反 発。公明、自民、民主系の3会派は入試実施を求める要望書を出した。

 市には18日までに700件を超す意見が寄せられた。大半は実施を求め、「子どもの人生をどうしてくれ るんだ」と泣きながら訴える中学生の保護者もいたという。桜宮高校の保護者や弁護士ら約20人も18日、実施を求める要望書を市教委に提出。次男が同校に 通う男性(43)は「大半の保護者は体罰を知らなかった。生徒や保護者を加害者扱いするのは乱暴だ」と話した。

 ■予算権は首長に

 「市教委の決定に自動的に予算が付くわけではない」。橋下市長は17日、市教委が入試中止を拒んだ場合、予算凍結などの措置を取る考えを示した。

 地方教育行政法では、入試の権限は教育委員会にあるが、予算執行の権限は首長にある。市教委によると、入試の関連予算のうち約130万円が支出されておらず、担当者は「予算を止められたらお手上げだ」と困惑する。

 ■受験生負担重く

 橋下市長は、桜宮高の体育系2科の希望者をいったん普通科で受け入れ、入学後の2科への編入を検討する 考えで、「普通科に入っても十分だ」と話す。しかし、現場の実態とは隔たりがある。体育系の試験が運動実技と国語・数学・英語なのに対し、普通科は理科と 社会を加えた5教科で、配点も異なる。入学後の編入も、必要な単位数が異なりスムーズに進むかどうか不透明だ。【津久井達、茶谷亮】

 
 

“入試中止”掲示板に批判の書き込みも

1月18日 22時7分 NHK

大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題 で、橋下市長が体育科などの入学試験を中止すべきだという考えを示しているのに対し、インターネットの掲示板には、「頑張ってきたのに最悪だ」とか「大人 が勝手に決めるのは間違っている」などといった書き込みが寄せられています。

この問題で、橋下市長が今月15日に体育科の入学試験を中止すべきだという考えを示して以降、高校受験を控えた中学生が情報の交換などを目的に利用するサイトの中の桜宮高校の掲示板には、橋下市長の方針に対する意見や感想が書き込まれています。
こ のうち、桜宮高校の体育科の受験を希望しているという投稿者は「なんで何にもしてない受験生が被害受けなあかんのですか。自分は桜宮高校体育科に入るため にずっと頑張ってきました。それが一瞬で無くなるなんて気持ち分かって貰えないんですかね?多分、他の受験生も同じ気持ちやと思います。夢叶えるために必 死に頑張ってきたのに最後の最後で、簡単に中止とか言われてほんまに最悪です」と受験を間近に控えた今の気持ちを書き込んでいます。
また、掲示板 には「涙がでました・・・。体育科にいきたいから勉強めちゃくちゃ頑張ったのに・・・。もう桜宮体育科以外、行きたい学校がないです・・・大人が勝手に決 めるのは間違ってる!」といった書き込みや、「今までの桜宮高校が好きです。部活もちゃんとできるかわからんし。受験する側からしたらほんまに不安で不安 で」と書き込みも寄せられています。

 

高2自殺:橋下市長、発言転換後も体罰ルール化依然模索

体罰を巡る橋下徹市長の発言体罰を巡る橋下徹市長の発言

 「試合中にビンタをすることはあり得る。僕が受けたビンタは愛情だった」。自殺発覚後の今月10日にそう発言するなど、体罰を一部認めると も受け取れる見解を過去に示してきた橋下市長は、自殺した生徒の遺族と面会した後、スポーツ指導での体罰を一切認めないと方針を変えた。ただ、その他の生 徒指導の現場での「手を上げる指導」については、「ルール化が必要」との姿勢を崩していない。文部科学省は、肉体的苦痛を与えない範囲で懲戒を加えること を認めているが、橋下市長は「ぬるい」と批判してきた。ルール化は可能なのか。

 学校教育法は「教育上必要がある」場合、生徒に懲戒を加え ることを認める一方、体罰を禁止。文科省は、放課後などに教室に残す▽教室内に起立させる▽学習課題や掃除を課す▽当番を多く割り当てる--などは、肉体 的苦痛を与えない限り体罰に当たらないと、07年2月に各教育委員会に通知している。通知では、教師に対する子どもの暴力を防ぐための行動や、子ども同士 の暴力行為を制止するためのやむを得ない行為も、体罰ではないと規定している。

 しかし、橋下氏は府知事時代の08年、「言っても聞かない子には手が出ても仕方ない」と発言。市長就任後の12年10月には文科省の通知を「ぬるい」と批判し、「もみあげをつまんで引き上げるくらいいい」として、独自基準を作るよう市教委に求めた。

  しかし、今月12日、生徒の両親と面会してから大きく方針転換する。「スポーツ指導で手を上げることは全く意味がないと分かった。猛反省している」。14 日に市内で開かれた成人式では「部活動で手を上げることは一切禁止する」とスポーツでの体罰一掃を宣言した。ただ、「学校現場で他人に迷惑をかけるとかの 時には、手を上げることも認めないといけないかもしれない」とも話している。

 市教委幹部は「体罰を容認するような発言は好ましくないと思っていた」と変化を歓迎する一方、「市長がどう変わろうと、教育行政の責任者は市教委だ」と話す。【茶谷亮、林由紀子】

 ◇第三者機関設置を

  村山士郎・大東文化大教授(教育学)の話 体罰に当たるかどうかを線引きするのは、「ここまでなら許される」という教師の言い訳を作るための論理だ。生徒 を思ってやったことでも、子供の側からすれば体罰でしかないことが多い。日本では体罰を容認する風潮があり、今回の問題は特殊事例ではない。保護者や弁護 士、カウンセラーらで作る第三者機関を学校に設置し、子供が体罰やいじめを訴えられる仕組みを作ることが必要だ。

2013年01月15日 06時49分

 


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11 コメント

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維新の会と体罰推進 (a)
2013-01-19 19:48:46
維新の会代表の石原慎太郎は長年、戸塚ヨットスクールの戸塚宏を支援し続けています。その戸塚氏は、自殺は本人が悪いと言っています。

また、維新の会府議団代表の浅田均議員は、体罰の会の発起人の一人でもあります。体罰の会には戸塚宏氏のQ&Aも載っています。

維新の会の議員の体罰推進体質こそが、そもそも問題でしょう。
返信する
今日は、、、 (交通人)
2013-01-19 20:22:00
橋下さんの記事にも関わらず、【橋下批判ありき】では無かったので読みやすかったです。

> ある結論を押し付けるような…

やっぱり【結論ありき】ではダメだってことですよね。


> 橋下市長はことを1高校の問題に矮小化してしまっていますが、これを全市・全校でやるべきなのです。

大賛成! 全県でも実施すべき!


> 橋下市長が自分が思いつきで言ってしまった入試中止などを正当化するために、

彼は、矛を収めるというコトを学ぶべきですね。
おそらく、プライドがそれを許さないのだと思いますが…


> 一つのかけがえのない命が失われたことを機会に、桜宮高校だけではなく、大阪の、ひいては日本の学校での体罰をなくしていくことができたら、亡くなられた生徒さんに対するせめてもの償いになったのですが

その通り! 亡くなられた方(生徒)のコトを一番に考えるべきだ!
二度と彼のようなケースを出さないように、再発防止策を講じることが、ご遺族様の願いだと思います。


> 1政治家が自分の体罰容認姿勢を糊塗するためのパフォーマンスのために、若い命を「消費」してしまった。

これに関しては橋下氏だけでなく、彼を批判する反橋下の方々にも言えますね。
今回の不幸な出来事を、橋下を叩く【ネタ】に使った人は悔い改めて欲しい!


> もう、この事件のことを書くのは嫌ですね。これっきりに出来るといいのですが。

ただ静かに、亡くなられた方のご冥福を祈りたいですよね。
返信する
Unknown (TAKE)
2013-01-20 11:23:36
体罰(一方的暴力)の非は当然ですが、橋本市長の言動に感じるのは、ただの人気取りのためのパフォーマンス発言だということ。
とにかく一方的独善的すぎ。真相解明をだめにしたという貴方の見方は確かにそうだと納得して読みました。
僕もちょうど今年が受験の子供が2人いるので、人の思い、人生の重みを何と考えているのか!と憤りを覚えます。
自分が間違っているなら選挙で落として結構と開き直るのでしょうが、その権利を持っていないことが残念です。
返信する
遺族に恨みが向くように (時々拝見)
2013-01-20 11:55:38
橋下氏の所業、自殺した生徒と遺族に非難の声が向くように、仕向けた鬼畜の所業です。結果的にそうなっただけ?それくらい予想できなければ、無能というだけです。
大阪市の現場で他人に迷惑をかけつづけるなら、手を上げることも必要でしょう。
大阪の橋の下を徹るのは汚水だけ。
返信する
バカの一つ覚え (ホームズ)
2013-01-20 11:57:50
この男の常套句が気に入らなければ選挙で落とせばよいというものです。もう聞きあきました。そもそも選挙で当選すれば何でも決められると考えるのが不遜です。橋下氏に入れなかった人も52万人以上いるわけですから、その人たちの思いも大切にすべきでしょう。
返信する
Unknown (入試中止はやりすぎだけど)
2013-01-20 16:47:49
でもそれぐらいのことを言わなければ、今の教育現場
特に教育委員会は変わらないと思う。今までのように
形だけの調査をして「再発防止に努めます」とかなんら
具体性のないコメントをこっそり発表して事件は風化
してします。
橋下市長の過激な発言が無ければ、今までの繰り返しに
なってしまうと思う。実際問題、自殺する子は減らないし
体罰も減らない。これを変えるには関係者の意識改革が
必要不可欠だと思う。それを促す意味であの過激な
発言はアリだと思う。ちょっと過激すぎて反発を買いすぎ
てしまってますけど…
返信する
Unknown (おーちゃん)
2013-01-20 21:05:51
先生がおっしゃるように、橋下市長のこの問題に対するアプローチの仕方がおかしいのですよ

しかも、彼は体罰を容認していたし、そもそも学区制を廃止して、結果を出した先生を高評価するという人事制度を積極的に導入してきたわけですから、

彼の進めてきた教育改革の一つの負の遺産でもあるんですよね。

にも関わらず、彼があたかも「改革者」のようにふるまってるのもおかしいと感じちゃうのです。

ところで、

大阪の教員の知人がメールをくれました。「関西でこんな体罰教員が今の時代にいるなんて、ビックリだ」と職場の先生たちが言っていたという

多忙を極める教員がボランティアでやっている部活動でわざわざ体罰までするなんて・・・

みたいな感じなんでしょうか!?

大阪だけじゃなく、他の高校でも珍しい事件!?だったと思いたいです。

公立だから、この問題が顕在化しているともいえますよね、私立だったら・・・です(これも教員の知人が言ってました)
返信する
考え方がコドモ (サトウ)
2013-01-21 07:15:51
この橋下という人は、考え方が幼稚ですね。
苦労が足りないのではないですか?
いや、もしかしたら反対に、虐められた経験があるのかも
しれません。
いずれにせよ、とても「身勝手な」人格であることは、
見ていてわかります。このような人に若者が泣かされる
のは理不尽極まりない。

民主主義についての理解も浅いようですし、大学に戻って、
憲法を再履修するのが良いでしょう。
「嫌いなヤツの人権なんて守りませんよ」などと言うなら、
弁護士を辞めればよい。
返信する
うーん (うーん)
2013-01-21 19:08:16
ちょっとブログ主の考え方には問題があるかな。

調査も終わっていないし実態も解っていないというのはそうだろう。
それなのに橋下氏が

「生徒も保護者も教員も、部活動で勝つことに頭がいっ
ぱいで、大切なことを忘れている」

「暴力を容認する雰囲気の中で教育して、卒業生が同じような考えで指導するかもしれない」

と決めつけるのは確かにおかしい。

しかし、そうではないと否定は出来ない筈です。調査が終わっていないのだから。

そうなると最悪の場合を想定すれば、体育会系の体罰を容認する校風があるかもしれない。

そうであるならばきちんと調査が終わるまでは入試を中止するという考えもあながち間違えとは言えないと思うが。
返信する
暴力の連鎖 (horihori)
2013-01-21 21:09:06
予算を出さないと脅し、感情的になって教員の総入れ換えや入試の中止を強行するのと、レギュラーや主将としての立場が無くなると脅し、暴力を振るうのと…本質的に何が違うんでしょう…

こういう時こそ冷静に対応するべきなのに…暴力を連鎖させてどうするのか…
返信する

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