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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

「自己責任」と「過失責任」は法律学の基礎。自己責任とは「自分のやったことしか責任を負わないこと」

2016年03月20日 | 人権保障と平和

 

 ツイッターは炎上しやすいSNSだそうですが、私の場合はこの人徳のおかげで(笑)、文句を言ってこられるような方はめったにいらっしゃいません。

 ちゅうか、フォロワーが少なすぎて世間から気づかれていないだけ?

 ただいま毎日面白いニュースを見つけてコメント付きでツイートしていますので、ぜひ、フォローしてやってください!@raymiyatake

 さて、そんな平穏な毎日の中、ちょっと異変が起きたのは一昨日次のブログ記事を書いて、ツイッターでも流してからのことでした。

菅官房長官が、安田純平さんの「身代金要求知らない」「払わない」。また日本人を見捨てる気か。



 

 これに対して次のようなダイレクトメッセージをいただいたのですが、うちのブログもおかげさまでたくさんアクセスをいただくようになり、そのまま載せるとご迷惑をかけるかもしれませんので、書き写してご紹介します。

「国は危ないからと行ってはならないと注意喚起していましたが、安田氏は無視し現地に行きました。

 それでつかまってしまい身代金を払う義務はないと思います。

 安田氏のご家族親族の方が払うのなら話はわかりますが・・・。

 宮武氏の発言は無責任に思います」

 ごく感じのいい、素朴な反応なんですが、それだけに多くの市民の方々の一方の感覚を代弁なさっているような気がして、目の前が暗くなる思いでした。

 思えば、イラク戦争の時に、戦争を止めに入った3人の若者が現地の武装勢力に拉致され人質になった時に、日本中で嵐のように吹き荒れた「自己責任論」の嵐。日本が急速に変わった、いやその本質を露呈した瞬間でした。

 

 私は

「拉致した人間は誘拐の犯罪者であり、人質はまず第一に犯罪の被害者なのに、むしろ被害者を責める。日本人はこんなにも品性がダメになってしまったのか」

と驚き呆れるとともに、自己責任という法律用語が全く間違って使われたことに愕然としました。

これは在りし日の後藤さん。自分の生き方として自己責任を原則にするのと、国家が国民に対してそれを言うのとは全く違う。

 

 

 ここからが宮武嶺先生の法律学入門講座で、ガラッと雰囲気を変えてお伝えしていきます(笑)。

 自己責任と過失責任は近代市民社会の法律関係の基礎中の基礎である「私的自治の原則」を具体化した二大原則です。

 封建社会を打破した理性ある自由な市民が、自分たちのことは自分で決めていくというのが私的自治の原則。

 その中で、人はどういう場合に法的責任を負うのか、私的自治の原則を裏側から定義したのが自己責任と過失責任です。

 まず、過失責任は過失のある人しか責任を負わないってことですね。契約責任にしても不法行為責任にしても何かその人に故意過失という問題があるから損害賠償義務を負わされるのです。

 次に、自己責任とは自分のやったことしか責任を負わないってことです。当たり前ですが他人のやったことの責任まで負わされるようでは、安心して生活できないからです。

 これは大事な原則で、たとえば最近判決のあった認知症の家族が徘徊して電車を止めた場合に、遺された家族は電鉄会社に損害賠償義務を負うかという問題に関連してきます。意思無能力者の監督義務者は責任を負うという民法の規定は自己責任の例外というか、拡張ですね。

 判決では、高齢で自分も要介護のお連れ合いは監督義務者ではなく、責任は負わないとしました。これは法律の基礎から考えると、自己責任の原則に立ち戻ったとも評せます。

 

 さて、もうお分かりいただけたでしょう。

 自己責任という

「自分のやったことしか責任を負わない」

という言葉が、いつの間にか

「自分のやったことは全部自分で責任を負わないといけない」

という全く違った意味で使われるようになってしまっていることを。

 そんなことは不可能だから、人は社会的動物と言われており、国家も形成して納税もしているのですが、いざとなると国家の方が無責任になり、個人が自己責任と言われるのです。

挙句の果てにこんなことを言い出す人まで。納税者の権利はどこに行ったのか。この人は新自由主義経済評論家池田信夫氏が主宰するアゴラ研究所の中でも最もたちの悪い一人です。

 

 

 先ごろ、沖縄戦で亡くなった人たちの遺族の方々が日本という国家に損害賠償請求を求めた裁判で、裁判所が

「戦前の日本は国家無答責といって、今の国家賠償法のような法律がなく、国家は何をしても国民に責任を負わない体制になっていたので、原告らの請求は認められない」

というとんでもなく冷たい判決が出ました。

 戦前から現代にいたるまで、一人一人の個人には自己責任が認められ、国家は徹底的に無責任な世の中。

 海外にいる法人を保護するのは国際法上・国内法上の国の法的義務であることさえ忘れられている。

 皆さん、本当に、自分のやったことは全部自分で尻を拭く、そんな強さを持っているんですか。

国民はそれでいいんです。

 

 

誰が私を「人質」にしたのか―イラク戦争の現場とメディアの虚構
安田 純平  (著)
PHP研究所

武装勢力に拘束され、「人質」と呼ばれた著者。現場に存在した事実とメディアの虚構が交錯するなかで、彼が見た真実とは何だったのか?

 

ルポ 戦場出稼ぎ労働者 (集英社新書)
安田 純平  (著)
集英社

現代の民営化が進む戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、労働者として働いている。こうした出稼ぎ労働者なしでは、もはや軍事的なオペレーションは、成立し得ないのだ。著者は自ら出稼ぎ労働者となり、イラク軍基地訓練施設に単独で潜入した。グローバル化世界における、世界の貧困を前提にした戦争ビジネス、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。


囚われのイラク―混迷の「戦後復興」
安田 純平  (著)
現代人文社

イラクで武装グループに拘束されたジャーナリスト・安田純平は、拘束の3日間に何を体験したのか。つぶさな現地取材をもとに「戦場イラク」の現実を報告する。



規制緩和という国家無責任体制を構築した小泉内閣の下、個人の自己責任論の暴風が吹き荒れたのは偶然ではなかったと思います。

自己責任論を振りかざす人は、自分が国家に対してもともと有していた請求権を放棄している、つまり大損こいていることに気付いているのでしょうか。

この項、続く!

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2016.3.18 10:22

【ジャーナリスト拘束】

安田さん映像か 度重なる拘束も…現地取材に強いこだわり

安田純平さんの主な活動

安田純平さんの主な活動

 安田純平さんは平成9年に信濃毎日新聞社(長野県)に入社後、休暇を使ってアフガニスタンやイラクを訪れたことを契機に、紛争地域での現地取材を志願するようになったという。

 15年にフリーに転向してからは、イラクを中心に取材活動を本格化。民間人がいることを知らせて攻撃を思いとどめさせる「人間の盾」に参加する形でバグダッド入りし、イラク軍や地元警察に複数回拘束されながら、フセイン政権の崩壊まで取材を続けた。

 16年4月、バグダッド郊外で市民団体メンバーの日本人男性とともにスパイ容疑で武装組織に一時拘束された際は、退避勧告が出ている危険地域へ入っていたことで「自己責任論」が浮上した。

 その後も「インターネットだけでは決して手に入らない情報がある」として、クウェートやイラクなどの現場での取材にこだわり続けた安田さん。昨年、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に後藤健二さんらが拘束されているのが発覚した際は、「どれだけ太い取材ルートがあっても外国人というだけで通報され拉致される可能性がある。日本人は風貌が違うのでターゲットになりやすい」と話していた。

 

徳島新聞社説 2016年3月18日つけ
 
 
 何としても生きて帰ってきてほしい。

 内戦が続くシリアに入国した後、行方不明になったジャーナリスト安田純平さんとみられる男性の映像が、フェイスブック上で公開された。

 公開したシリア人男性は、国際テロ組織アルカイダ系「ヌスラ戦線」が安田さんを拘束し、身代金を要求して日本政府に交渉を求めているが、日本側は応じていないと主張している。

 事実とすれば断じて許されないことだ。罪のない人を捕らえ、金を求める卑劣な行為を強く非難する。

 犯行組織は安田さんに危害を加えることなく、家族や仲間が待つ日本に即刻戻すよう求めたい。

 安倍晋三首相は、情報収集や映像分析に万全を期すよう関係閣僚や機関に指示した。

 昨年初め、ジャーナリスト後藤健二さんら邦人2人が、過激派組織「イスラム国」(IS)に惨殺された記憶は今も生々しい。その反省を踏まえて、救出に全力を挙げてもらいたい。

 安田さんは昨年6月、取材目的でトルコ南部からシリアに入り、北西部イドリブ県で行方が分からなくなった。ヌスラ戦線が掌握し、支配地域を固めている県である。

 専門家によると、ヌスラ戦線は対立する勢力やシリア軍兵士、シリア政府の支持者らを拉致、殺害してきたものの、拘束した外国人を殺した例はほとんどないという。

 さらに、残虐な殺害を繰り返すISに比べて、交渉を重視しているともいわれる。

 希望が持てる話だが、予断は禁物である。拘束したのはヌスラ戦線を自称する地元の犯罪集団だとの見方も根強い。正確な情報収集を急ぎ、最悪の事態を防がなければならない。

 安田さんとみられる男性は映像の中で、日本政府への明確な要望は発しなかったが「痛みに苦しんでいるのに」「誰も反応してくれない」と話した。解放交渉に乗り出さない政府にいらだつ犯行組織のメッセージを、代弁させられたとも考えられよう。

 ただ、不法な要求に応じるわけにはいかない。ヌスラ戦線にはカタールが影響力を持っているとされる。日本政府は関係国や地元有力者らの協力を得ながら、粘り強く状況を打開する必要がある。

 自ら危険な地域に向かった安田さんに対して、自己責任を問う声もあろう。だが、現場に行かなければ見えてこない事実がある。

 シリア内戦では、一般市民を含む約27万もの人々が死亡している。その実相を世界に伝え、問題を提起しているのは現地に入ったジャーナリストだ。「戦争のリアリティーを伝え続ける」と話していた安田さんの意志を、重く受け止めたい。

 折から、内戦の政治的解決を目指す国連仲介の和平協議が再開されたばかりだ。これを成功させ、流血の悲劇を終わりにしなければならない。

 

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20 コメント

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結局そうやって (リベラ・メ(本物の))
2016-03-20 21:20:45
結局はそうやって逃げたでしょ?13年前に、今井さん・高遠さん・安田さんが拘束された時も、香田証生さん(この人忘れてない?皆さん)の時も、「自己責任だ!」と言って背を向けたじゃない!自民と大多数の議員達、AfghanとIraq戦争の責任から逃げたでしょ(怒・泣・涙)!
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2016-03-20 21:21:39
 弱い民草を、一言で切り捨て、片方では、富裕層と大企業には、手厚い政策でお手盛り。 糞みたいな国に生れて損したね、国民の皆さん。 

 処変われば、国を挙げて助けるところがあるのに。。。

 「イタリア政府はツイッター(Twitter)の公式アカウントで、「2人は自由の身になり、間もなくイタリアに帰国する」と発表した。2人が自由の身になった経緯や拉致グループなどの詳細は明らかにされておらず、 イタリア外務省は「チームイタリアによる精力的な働きの結果」とのみ述べている。」

シリアで拉致されていたイタリア人女性2人が帰国 AFP 2015年01月16日 13:09 発信地:ローマ/イタリア
http://www.afpbb.com/articles/-/3036678

 「チームイタリア」って、泣かせる。 良い国に生れたね、この女性二人。 

返信する
シリーズ化、期待してます(^-^) (むう)
2016-03-20 21:24:20
自己責任に囚われている家族や友人をどうにかして救い出したい。
常々そう思ってました。
このシリーズ、期待してます!

自己責任と新自由主義。
自己責任と独裁(類似)国家。
これらはワンセットですね。

人の流れ。
お金の流れ。
コストの流れ。
責任の流れ(もしくは所在)。
リスクの流れ(もしくは所在)。
この社会で、これらはそれぞれ一体どこに集まっているのか。
独裁国家と違い、民衆主義・資本主義では組織は複雑になってしまい、これらの流れは複雑で、うっかりしてると何がどこにあるのか、分からなくなりますよね。
この流れが可視化できて一見して人に伝えられるように出来れば、身近な家族や友人を「自覚のない奴隷状態」から救いだせるかもしれない。
ずっとそう思ってました。

rayさん、どうぞよろしくお願いします。

芸術家とかが協力して、現代の人・金・コスト・責任・リスクの流れをアートとして絵にして表現してくれたらいいのにな、とか思ってるんですが(^^; めっちゃわかりやすそうです。
返信する
過度な自己責任論と、過度な擁護論 (K)
2016-03-20 21:34:34
自己責任の風潮には、同じく懸念している一人です。
貧困問題などが、その最たる悪例だとも思います。

しかし、この問題において、何の責任も求めなくて良いとは思いません。
「自力で脱出せよ」などと無茶なことを言いたいのではなくて、ある程度【罰金】のような処罰をするべきだと思います。
登山でも、遭難すると費用請求されることがあるようですし、危険地帯に行く人にも同じような制度を作るべきだと思います。
そうじゃないと、こうやって毎年日本人が拉致されて、場合によっては殺される事件が続いてしまうからです。


わざとではないと思っていますが、過度な自己責任論と、過度な擁護論に終始することで、この問題が矮小化されてしまい、本質的な議論が遠ざかっている気がします。
返信する
民度がわかる (mz-dog)
2016-03-20 22:25:18
紛争の絶えない地域に身の危険を顧みず飛び込んでいくジャーナリストは、ぼくは「英雄」だと思います。

そういうヒーローがいなかったら、世界中の報道機関が流す情報は「大本営発表」ばかりになってしまうからです。

情報こそが民主主義の基盤だし、出版・表現の自由度がその国の「民度」だと思います。

いわゆる「自己責任論」を聞くと反吐が出そうになります。

どこまでアホかと思います。

誰が味方で誰が敵か、どこまで分かってないんだろうかと思います。

何でもかんでも国まかせ。
お上はエライ。

あれだけ福島の原発事故でいい加減な情報に振り回されても、まだ気がつかないんですかね。

いかに日本の民主主義が未成熟かよくわかります。

アメリカやヨーロッパだと、全然反応が違うんじゃないですか。

むろん、身代金を払う払わないにはいろんな考えがあるにしろ(一度払ってしまうと二度目・三度目が起こる.etc)、勇敢なジャーナリストは尊敬されると思います。

同胞を平気で見殺しにしようとするアベ政権。
彼らこそ「非国民」だろうと思います。
返信する
自己責任は、国家こそが負え (タカニシ)
2016-03-21 00:41:23
小泉内閣あたりからでしょうか、自己責任論が幅を利かせるようになったのは。橋下の「とおるちゃん!」も「日本は自己責任の国だから云々」とかなんとか、訳の分からない理屈で若者を泣かせてドヤ顔しているけど、心底反吐が出る。それを言うなら、まず国家こそが「いまだに餓死者が出る」「外国のテロリストに自国民が捕まる、またそれぐらいの危険を冒すフリーランスしか真実を伝えることができない」現状への自己責任を果たしやがれ!

宗教学者のひろさちや氏は、複数の著書の中で「国民はあれこれ勝手を言えばいい、それをどうにか調整するのが政治家の仕事だ」と言っていますが、その通りです。国民に自己責任を押し付けるなら、まず政治家こそが、国民の好き勝手な要求をどうにか調整しなくてはならない仕事を選んだ自己責任を果たせばよいのです。
返信する
責任と言われてもね (たか)
2016-03-21 01:56:42
”身の危険を顧みず"というフレーズは、ちゃんと己で解決できる人のみが使えるものです
人にケツを拭いてもらうのはヒーローでも何でもない

移動の自由があるという事は危険をできるだけ回避する責任もあるという事
政府は、何回も拘束されているにも関わらず、渡航自粛を鼻で嗤う人間に責任を負う必要はないね

返信する
逆に、司法用語としての自己責任の意味に囚われすぎている (別視点)
2016-03-21 06:25:36
また異論を挟むことになるのですが、おっしゃりたいことに一理も二理も三理もあることは承知の上です。
国家にせよ国民にせよ、原因が何であれ困った人がいれば、出来る範囲で助けようとするのは当然の事です。
私は、日本はその点で、満点には程遠くても、十分良くやっている方だと思います。

しかし、二言目には「アベノセイ」とするアンチ自民、アンチ安倍の方々の論調は、民主党政権のトラウマがある一般国民には響かないと思います。社会不安を煽って革命でもしたいかのように受け取られるのではないでしょうか。

特に本件は、政府は水面下で動くしか無く、具体的に何をしているかは口が裂けても言えません。
それがわかっていながら「政府は何もやっていない」という批判につなげるのは、
(意図していないんだろうと私が思っていることは念押ししておきますが)
まるで、素人に手出ししない誓いをたてた空手有段者を、チンピラがボコボコに殴りつけているかのような卑怯な印象を持つ人もいるかもしれません。


自己責任という言葉は元々司法用語なのかもしれませんが、司法試験など別世界の出来事である我々のような「一般人」は、そんな意味を意識して使っているわけではありません。

>自分のやったことは全部自分で責任を負わないといけない

このような極論として捉えている人は、常識的に考えて極一部だろうと思います。
一般には、
「失敗、危険を承知の上で、自分の意思で決断して行った結果問題が生じても、その結果は運命として甘んじて受け入れる覚悟を持て」
つまり、「因果応報」というような捉え方なんだろうと思います。


再び安田さんのツイートを引用します。
安田さんは安倍政権、日本政府への批判も舌鋒鋭く行っていましたが、アジア記者クラブを名乗るネトサヨの、シリア国民に対する配慮に欠ける態度に対しても激しく非難しています。

安田純平
ネットで好きな話だけ集めて「記者」のくせに全く取材せず全て知った気になるアジア記者クラブは、二言目には在日認定するネトウヨと変わらない。日本はネトウヨが目立って右傾化しているように見えるかもしれないが、右も左もこういうどうにもならないレベルの人が異常に増えてしまっただけだと思ってる

このような見識を持つ方は、是非今後も現場の様子を情報発信し続けて欲しいと思います。
犯人が何者か分かりませんが、人質をとっても金にならず、殺せば損するだけということを理解し、早急に解放することを望みます。
返信する
法律用語だったのか! (バードストライク)
2016-03-21 08:47:20
今回の記事、リベラルなブログ主様の人間・社会・国家に対する信条を柱とし、専門家としての解説を加える、熱くてとても力のこもった記事で、感動しました。(おちゃらけじゃなく書こうとすると、うまく言葉が出てこないのが残念。伝わっているかな?)

自己責任って、法律用語だったのですか!
全く知りませんでした。
でも、古舘キャスターもそういう事は知らなかったのか、安田さんのテープを流しながら、
「自己責任とは、自分の行動を自分で顧みて自分に問う言葉であって、他者を責める言葉ではないと思います。」
と語っていて、私はそうだそうだと深く頷いたのですけど、さらに一段上があったのですね。

【まとめ】

1。 自己責任と過失責任は近代市民社会の法律関係の基礎中の基礎である「私的自治の原則」を具体化した二大原則です。

2。 自己責任とは、自分のやったことしか責任を負わないこと。

3。 「自分のやったことしか責任を負わない」
という言葉が、いつの間にか
「自分のやったことは全部自分で責任を負わないといけない」
という全く違った意味で使われるようになってしまっている。

4。 戦前から現代にいたるまで、一人一人の個人には自己責任が認められ、国家は徹底的に無責任な世の中。
 海外にいる法人を保護するのは国際法上・国内法上の国の法的義務であることさえ忘れられている。

↑ すぐ忘れるから、自分用にまとめてみました(笑)。



タカニシさんが挙げてくれた、ひろさちや氏の

> 複数の著書の中で「国民はあれこれ勝手を言えばいい、それをどうにか調整するのが政治家の仕事だ」と言っています・・・

本当にその通りだと思います。
国民に義務だけ課して、困った時に助けてくれない国なんて、いらない。まさに、日本死ね!だわ。



ところで、別視点さん、先日の安田さんの項のコメ欄では、

> ここまでシリア住民を大切に思う安田さんにとって、自分を解放するための身代金がテロリストに渡り、テロリスト側によるさらなる無差別殺戮が行われる事態は堪え難い事だろうと思います。
ビデオメッセージからも、死への覚悟を窺い知る事が出来たような気がします。

今回は、

> このような見識を持つ方は(=安田さんのこと)、是非今後も現場の様子を情報発信し続けて欲しいと思います。
犯人が何者か分かりませんが、人質をとっても金にならず、殺せば損するだけということを理解し、早急に解放することを望みます。

直截に言うなら、あなたのご意見は、

前回ーーシリアに行くのが悪い、勝手に行ったのだから自業自得、だから殺されちゃえ!

今回ーー報道の使命を認識する安田さんは、現地に居続けて貰いたい。ただし身代金は支払うな。殺し損だ、ってテロリストに理解させてやれ。つまり、殺されちゃえ!

ということになるようですが、結局安田さんにはシリアに行って欲しいが、行ったこと自体は「自己責任」(間違った使い方のほうの)だから、死んじゃえ!
と主張なさっているのですよね?

あなたは水面下で政府が一所懸命交渉しているはずだ、と主張なさっていますが、政府は後藤さんの時も、今回も、手を拱いているみたいですよ。「リテラ」に記事が載っていました。あんまりあちこち飛んでコピペしようとすると、書いたものが消えたりするので参照先は載せませんけど。また、それは信用できるソースじゃない、とお思いになるのも自由ですけど。

あなたは、このブログから何か学んでいますか?
私は、不思議です。
アンチの意見しか投稿したくないブログなんか読むの、苦痛だし、時間の無駄じゃないですか。
ストレスを感じないのですか?
返信する
メルマガ (raymiyatake)
2016-03-21 09:44:10
この前の、個人の尊厳の記事だとか、今回の自己責任の記事がコンスタントに書ける自信がつけば、メルマガを出す踏ん切りがつくんですが、まだ実力不足でどうも踏み出せないんです。

個人の尊厳と「世界で一つだけの花」のことや、自己責任という言葉が全く違う意味でつかわれているということは、時分の中で15年前後温めてきた内容なんですよ。

そういう、ずっと考え続けて血肉になったようなことだと、やはり少しは深みのある記事が書けるような気がします。

精進します。
返信する

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