私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」

2011-12-08 21:36:32 | 映画(た行)

2011年度作品。アメリカ映画。
タンタンは、世界中を飛び回り、スリルに満ちた冒険を記事にしている少年レポーター。ある日、彼はガラスケースに陳列されていた帆船の模型に魅了され購入する。ところがその直後から、彼は見知らぬ男たちに追いかけ回されることに。何とその船は17世紀に海上で消息を絶った伝説の「ユニコーン号」だった。模型を調べていたタンタンは、マストから暗号が記された羊皮紙の巻物を発見する。その暗号は、ユニコーン号の財宝のありかを示していた。(タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 - goo 映画より)
監督はスティーブン・スピルバーグ。
声の出演はジェイミー・ベル、アンディ・サーキス ら。




「タンタンの冒険」の予告編を映画館で見たときは、さほど関心を惹くような内容とも思わなかった。
表情や動きはいささか硬いし、筋からしてそこまで予想を裏切る展開にならないのだろうと感じる。
それなら、映画館に行ってまで見る価値もないような気もした。

そんな考えを変えたのは、テレビでこの映画が紹介されているのを見たからである。
そこでは長回し風の映像が映し出されており、その臨場感とかっこよさに興味をかきたてられたのだ。

そういう安直な理由で見に行った本作、見終わった印象を率直に語るなら、映画館の予告編とテレビでのVTRで抱いた予感、それらは概ね両方とも当たっていたかな、といったところだろうか。
ストーリーはいまひとつだが、映像はすばらしい。
「タンタンの冒険」は、そういう作品だったからである。


ストーリーはご都合主義の宝庫だ。
ある程度は仕様がないことは認めるけれど、あまりにそれが目立っていたように思う。

たまたま買った模型の船が、事件の鍵になるという点は仕様がないとしても、船が盗まれたとき、怪しい男が口走った家を疑い、すぐ侵入するのはどうかと思ってしまう。
常識的に考えて、普通の人間は、そんな行動はしないよ、と見ていてつっこんでしまいたくなる。
おかげで物語に入り込むタイミングを失ってしまった。

そのほかにも主要人物の現れるタイミングや、記憶がもどる状況などは、いかにもとってつけたようで、気に入らない。
エンタメだからある程度は許したとしても、もう少しどうにかできたのではないか、という気もする。


しかし映像はさすがにすばらしい。

予告編をみたときは表情が硬いかな、と感じたけれど、実際に見てみると、そんなことも気にならないくらい、すんなりと映像世界を受け入れることができる。
またテレビで見た長回し風のアクションシーンも見応え充分だった。
また実写っぽい造形なのに、動きがカートゥンアニメっぽい点もちょっと新鮮である。
外見はリアリティがあるのに、動きが突飛というのはなかなかおもしろい。


というわけで、難はあるし、個人的には物足りないが、光る点もあるというのがこの作品の評価らしい。
とりあえず家族で見るにはちょうどいい作品なのかもしれない。

評価:★★(満点は★★★★★)



製作者・出演者の関連作品感想
・スティーヴン・スピルバーグ監督作
 「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」
 「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」
 「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」
 「ミュンヘン」

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