ただ空が残る -Blowin' in the Wind-

休日。ハルの日和。
塩茹でしただけの小魚を頭から丸ごと口に運び
缶ビールで流し込む。
波に洗われる小砂利の浜。
砕ける白泡。
揺れる海面。

手元から水平線まで視線を漂わしさらに上へ向かう。
流れる雲。
にじり昇る月。

仰ぎ見る姿勢はそのままカラダを横たえ寝の体勢へ。

魚眼レンズで覗いたような空。
地べたに仮設された、カキワリの景色やウスノロな生活は
もはやそこにはなく。
あとはただ風が吹くだけ。

孵化 -Ball And Chain-

木にタマゴ。石のタマゴ。

石化したタマゴの孵化を夢想。
それが孵えるのを木のタイムスパンで待つ。

それは空へ帰るのか。海へ還るのか。
それは空間を返るのか。時間を換えるのか。
束縛された連鎖。縁と業。

...from Q@WX310K

ハルノーサイクル -TURN! TURN! TURN!-

殴りかかる雨風。
がおがおと海の咆哮。
空も海もひっくり返してかきまわす。
湿気に満ちた町。
潮気に満ちた道。

そんな激しい嵐もたった半日で駆け抜ける。
そして。それはハルの先駆けであったのだ。
再びのハル。その訪れを高らかに告げた。

カガミガワ -mirror side-

太陽の東。月の西。

誰そ彼。彼は誰。

非対称の世界の境界面。

太陽が展開した時を月が巻き戻す。

...from Q@WX310K