愛しきものたち

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福井県南越前町 言奈(いうな)地蔵

2009年10月19日 | 石仏:その他

石仏としてはそれほど優れたものではなさそうに見えますが・・・・

福井県の嶺南と嶺北を隔てる分岐点、木ノ芽峠の直ぐ近くに有るこの「言奈地蔵」には興味深い逸話が残されていて興味深い。

北国街道、湖北の木の本宿よりR365を北進する事約30分、大きなトチの木が深い谷の崖から背伸びしているかのように見える栃の木峠につく。

ここより左手山手に入る林道を進む事約10分強、林道とは言え道路は快適なアスファルト。(所どころダートもあったかな??)

林道脇にそれと解る看板があって、少し手入れは行き届いてないが、斜面の間道を登りつめると、この東屋のような趣の有る萱葺きの地蔵堂に出会う。

ここは、かつて都と北陸諸国とを結ぶ交通の難所、平安初期に開削された古い官道で、敦賀から今庄へ抜ける最短路でもあり 気候や方言などもここを境に一変すると言われていますが現在では直下近くを北陸道敦賀トンネルやR476の敦賀から今庄へ抜ける木の芽トンネルが貫通していて、全く車にも出合わない。

地蔵堂の正面の扉は、ふいの参拝者のためか鍵はかけられず誰でも真近に参拝できるようにに成っている。

巨大な自然石の正面に、等身大の稚拙な彫りで野趣にとんだ地蔵菩薩を刻んでいる。

言い伝えに依るとこれは弘法大師の化身だと言われていて、掲示板のような謂れを伝えていると言う・・・・。

「地蔵は言わぬが、おのれ言うな。」・・・・・、う~~~ん含蓄の有る言葉、いつの世も人間って大して変わらないもんですね。

ふと石の地蔵さんが苦笑いして、今にも喋り出しそうな気がしてくる。

ここより500mほど手前には旧北陸道、「木の芽峠」の石畳が残り、一軒家の前川家が今に街道筋の面影をとどめている。

ここは遥か人里はなれた山の中、栃の木峠から板取宿近くの国道までの間、殆ど車にも出会うことは無かった。

撮影2008.7.5

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2 コメント

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Unknown (幽黙)
2009-10-19 23:05:27
お地蔵さまそのものは
可愛いという感じはありますが
それだけではあまり…
という風情のものでも
伝説とこの風景が重なることで
えも言われぬ気配を醸し出して
素敵です
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Unknown (ぺん)
2009-10-21 07:52:57
幽黙さん、いつもありがとう。

実はね、最後にちょっと紹介したこの前川家が実に凄い家です。

桓武天皇48代目の直系だとか??

一度検索してみたら興味をそそるかもですよ。
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