もう二年間も御蔵入りしていた画像を引っ張りだして来ました。
御田祭りと言うのは我々農耕民俗にとっては切ない願い、五穀豊穣を願ってどの地方の神社でも春先いろんな形で行われる。
西日本三代奇祭として知られる此処、飛鳥座神社の御田は毎年二月第一日曜日に執り行われ、その一部で行われるいかにも空け広げな、男女和合を象徴化したコミカルな所作が大人気・・・・・参拝参観者(僕達、出歯亀も含め)で狭い境内は鈴なり状態です。
飛鳥座神社は「むすびの神」としても良く知られ、境内にはひと目も憚らず「陽陰石」が数多く見られる。
先ず最初に現れるのは牛と天狗・・・・・・これは何処の神社でも似たか寄ったか。
まあ面白おかしく、形どおりの農耕所作が進みます。
松葉を早苗に見立てた神官に拠る田植え・・
早苗を観覧者に撒いて第一部の終了・・・、松葉早苗は個々の水口祭りにでも使うのだろう・・・。
ここで一幕が無事終了、待ちに待った(笑)二幕目「種付け神事」は・・・オカメが天狗に手を引かれて恥ずかしそうに登場・・・・・。
舞台で一物を揮いい立たせる天狗、そのしぐさのコミカルさが観衆の笑いを誘う
天狗とオカメが演じるその様は、見るのも憚る男女の夜の営みそのものズバリ、とてもオープンで開放的な日本の性信仰を伝えるものとして、民族学的にも興味深い神事だと言われています。
飛鳥では稲渕の男綱や栢森の女綱の勧請縄にせよそのものズバリを現す性信仰が根付いている。
後ろから、もっともっと、と翁が手助け・・・・これが真昼間から神前で行う仕草か??、しかし神の起源は案外これが第一かも??
命の再生産を喜ばぬ神は居ない。
和合の股間を処理したティッシュは(なんとも空け広げで生々しい)「拭くの紙」が「福の神」に転化・・・翁と天狗が観衆めがけて撒きますが、誰もがわれ先を競って奪い合います。
五穀豊穣も子孫繁栄も農耕民族の我々にとっては欠かせない営みだったに違いない。
撮影2010.2.7