まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

台湾 嘉義駅周辺の近代建築

2015-07-23 23:26:59 | 建物・まちなみ
嘉義の続き。

嘉義へはもちろん阿里山鉄道に乗る目的でやってきたが、まちの散策もまた目的である。
嘉義など日本のガイドブックにはほとんど載っておらずマイナー扱いだが、森林鉄道の発着地であり
ヒノキの集散地として栄えたまちであるから、面白いはず。
調べるとやはり日本時代の建築も残っている。また夜市はどこでも楽しみ!

駅から宿へ向かって歩いていると、さっそく現れた、菸酒公売局嘉義分局。すでに役割は終えており
国定古蹟の扱いである。


なんと美しいフォルム・・・縦長窓は各階ぐるりとめぐらせた短いひさしによって上下に分割
されているように見える。その下にある換気口とをセットにして、コーナーのR部分は等間隔に、
エントランスのある中央部は4つまとめて、そして矩形の部分は2つずつ吹き寄せに、と
変化をつけながらリズミカルに配置されている。


エントランスのひさしはちょっとバランスが悪く思えるほど長く突き出しているが、支柱や吊具が
ないのが驚き!


エントランスの両側の壁はアールがつけられ水平のボーダーがめぐらされているのは、この建物全体と
相似のような意匠となっている。カーブしたタイルが使われ、入り隅も役物タイルが使われ
窓まわりを見てもとても律儀な造りであることが分かる。


向かいにあるのはもと嘉義酒廠、お酒の工場である。日本統治時代に主要都市ごとに造られた
お酒やタバコの工場が近年廃止されてきているが、宜蘭酒廠の記事でも書いたように、台湾では
廃止された工場建築が丸ごと保存活用される例が多い。


砂糖工場や貯木場など、広大な面積を占める産業遺産も、丸々公園や文化園区にするのだから台湾はすごい。
ここも敷地がほぼ丸ごと残されていて、モダニズム香る建物は全面改修されているが、あえて少し
むらのある塗装がほどこされ違和感なく風景になじんでいる。


この嘉義酒廠はまだまだコンテンツは準備中のようだが、建物の改修は着々と進められており、内部の
機械類の展示も整えられている。




レンガの建物は何棟か続いていたようだが、整理され1棟のみが残る。


荘厳でも奇抜でもなく親しみやすいモダニズムデザインの建物は活用しやすそう。


RCの構造美。縦横に梁が入っていて耐震性も高そうだ。そりゃあ、壊してしまうのはもったいないよね!


一部の建物には醸造過程で使用した機材などが残されている。




数年後にはお店やアートスペースが入居し、観光スポットとして賑わいを見せていることだろう。


さて、友達と合流して嘉義のまちなかを探索といくか!

続く

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2 コメント

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Unknown (hiro)
2015-07-24 23:13:40
お宝建築がたくさんあって、これは楽しいですね!

台湾にはまだ行った事がないので、参考にさせて頂きますね。
返信する
hiroさん、 (ぷにょ)
2015-08-02 09:40:08
台湾の記事、続きを書こうと思いながら、いろいろ出かけたり
気分が乗らず、写真の選定もなかなかはかどりません・・・

参考にしてもらえるよう、がんばります!
返信する

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