さいこの部屋

音楽とNYが大好きな私の部屋です。あまり無理せず、日々の出来事や感じたことを。

ヴェルディ・レクイエム(大阪新音フロイデ合唱団)

2013-07-07 22:36:23 | 演奏会・観劇覚書

連日ちょっとお疲れですが、金曜日は友人(が出ている)の演奏会があったので、行ってきました。

【ヴェルディ レクイエム】
2013年07月05日(金) 19:00~@フェスティバルホール
ヴェルディ:レクイエム
独唱:森 麻季(Sop)、竹本 節子(Alt)、錦織 健(Ten)、三原 剛(Bass)
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
合唱:大阪新音フロイデ合唱団
指揮:小林 研一郎

新しくなったフェスティバルホールの杮落しの一環です。
演目、独唱、指揮者、見るからに非常に魅力的です。
実際、合唱団は350人以上…ものすごい数です。舞台上に全員乗れているのがすごい
しかし、正直350人以上もいたら、合唱としては揃わないんじゃないかと危惧していました。
確かに揃わなかったところもかなりありましたが、この人数の合唱としてはよく頑張っていた方だと思います。
1曲目のアカペラ部分、これはしんどいですね…実際歌い終わってオケが入ったとき、まったく違う音でした…。
その分、2曲目Dies iraeはすごい迫力
人数のメリットが顕著に出た例だと思います。
この人数だとpやppにするにも限度があり、ほとんど音を出さずに子音だけにする、という対策(?)を取ったと思われるところもいくつか見られました。

この曲は、合唱もさりながらソリストの重要性が非常に高いので、ソリストがどれだけ良い出来かによって、ほぼ評価が決まってしまうところがあるのですが。
うーん、竹本さんの一人勝ちだったように思います。
竹本さんは、日本でヴェルレクを歌わせたら一番うまい、と私は思っていますが、今回もその期待は裏切られませんでした。
かなり後方の席にいましたが、よく飛んできました。
錦織さんが意外に(失礼!!)とても端正にしっかりとした歌い方をされているのが印象的でした。往年のアラーニャみたい。
三原さんはいつも通りの安定した歌い方。もう少し強くてもよかったかなあ。
森さんは、以前ご一緒したときから変わらずピッチは鉄壁ですが、ちょっと弱かったかなあ…。
というか、合唱や曲との相性の問題の気が。
森さんはスーブレットが合いそうなくらい軽い声質であり、一方でヴェルレクのソプラノソロはどちらかといえばリリコ・スピントあるいはドラマティコぐらいの「野太い」と言ってよいくらい強い声が合うので、そこのギャップかなあ。
そしてまた350名以上の合唱と張り合うのも大変です。
森さん独特の、messa di voce的な歌い方だと、かえってかき消されてしまって…正直聞こえなかったところも多々。
森さんはバロックやロマン派の曲の方が向いてるかも。

まあこの声質に関してはどのソリストにも言えることかもしれません。
ちょうど今さっき、EテレでN響定期でのヴェルレクをやっていましたが、そう、これくらい良くも悪くも「オペラチック」に歌える人が向いてるんだと思います。
そして何より、楽譜から目を話して、情感たっぷりに歌っていたところが全く異なります。
大フィルでの4名は(竹本さん以外は)かなり楽譜に目が行って、目線が下になっていたのがとても気になりました。
N響のソリストは、何というか、その情感からものすごく説得力があるというか。声の飛び方にも影響しますし。

大フィルはよく検討していましたが、時々「おい!」と突っ込みたくなる時が
Tuba mirumのバンダのTrpは良かったです。
Offertoriumの低弦は「喝!」。もうちょっと揃ってほしかった
大太鼓がDies iraeの際にノリノリでたたいていて、たたくたびに太鼓が傾いていくので、いつか転がっていくんじゃないかとドキドキしました

コバケンの指揮も久しぶりですが、うーん、ちょっと全体的にルバートしすぎかなあ。
ところどころ、変な隙間が空いたりしているのが気になりました。
一部終わった段階で、ものすごく休憩モードになってしまったのが残念。
休憩時間が入らないのであれば、一呼吸したらすぐ二部に入るべきだなと思いました。お客さんも集中力が切れちゃった…。

フェスティバルホールが新しくなってから初めて来ましたが、すごくきれいになりましたね~素敵


しかし、肝心の音響は、うーん…個人的にはイマイチ。
何というか、よいホールが持っている、音をふわっとまろやかにするような力が少ないかなあと。
好みの問題だと思いますが。
時間がたつにつれてこなれてくる場合もあるので、今後に期待かな


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2 Comments

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乙です~ (シークレットM)
2013-07-09 00:18:36
この一つ前のブログの表題をついさっきまで「ストレッチボール」と読んでいて、なんでこいつ(写真を見て)はボールなのに棒状なんだ。と思っていたMです。

いや、久方ぶりのシンフォニーはゴージャスでしたね。
その真っ赤な絨毯の階段を颯爽と上っていくさいこちゃんは一目見てわかりました(笑)

いやぁしかしソリストは豪華でしたねー
300超えの合唱も豪華といやぁ豪華
そして上機嫌のコバケン(笑)・・・おっちゃんやりたい放題やったね。

森さんは12月か1月に出産されて、半年もたっていないのにあの声はすげーと思いました。
確かにスタートは合唱団にかき消されてた感がありますが、あれだけの数の合唱団相手ではソリストは大変よね。
ただ、最終曲のソプラノソロは「(合唱に)まけへんで~っ!」という森さんの根性が聞こえたような気がしました。。。

私は、どちらかというと健ちゃんがあのソリストの中では浮いてたかなぁという気がしました。声が軽いというか・・・
いえ1人で歌うとそう思わないのですが、4人で歌うとちょっとそんな気がしました。(好みの問題かな)
バンダのTrpはそりゃ良かったでしょ。いい音来たなぁ!と思ってぱっと見たら、右側にはH大先生の特徴的な髪型が見えたので「さすがやなぁ」と。てか、トラを引き受けたりするんだと驚きました。

しかし、シンフォニーのオープニングコンサートとしてはふさわしいごつい演奏会でしたな。行った値打ちはあったかな
いろいろツッコミ (さいこ)
2013-07-10 01:48:43
Mさん、コメントありがとう。
いろいろツッコミどころがありますが
ボール(ball)じゃなくてポール(pole)ですがな。
そして、シンフォニーじゃなくてフェスティバルですがな

森さんは決して悪いわけではなく、すごく上手だったんだけど、どうしてもパワーが足りんかったように思います。
まあ相手(350名以上)が悪かった、とも言えるけど(笑)。
(その点、日曜日に見たN響のソプラノソリストはすごかった。鬼気迫るものがありました。新国立歌劇場合唱団に負けてなかったし。)
錦織さんは、その通り。往年のアラーニャみたいっていうのはそういうのも込みです。
H坂さん、私ももちろん見つけてました。お互い様、なところがあるのかな~と思ったり。
まあ、なかなかに面白い演奏会でした。
今度はもうちょっとロビーとかでゆっくりしたいな~

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