さいこの部屋

音楽とNYが大好きな私の部屋です。あまり無理せず、日々の出来事や感じたことを。

寿初春大歌舞伎

2013-01-26 23:14:29 | 演奏会・観劇覚書

有給休暇が余って、そろそろ消費しないとと思いつつ、仕事が忙しすぎて取ってる暇がなかったのですが、昨日ようやく一日お休みを取ることができました。
というわけで、もう諦めていた大阪松竹座の大歌舞伎へgo!
…本当は京響定期の日だったのですが、この日しか見に行けそうな日がなく…すみません…。

【寿初春大歌舞伎】
― 二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、九代目市川中車 襲名披露 ―
2013年1月25日(金) 16:00~20:30@大阪松竹座
<夜の部>
第一 操り三番叟 長唄囃子連中
第二 小栗栖の長兵衛 一幕
第三 二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、九代目市川中車 襲名披露 口上 一幕
第四 三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜 川連法眼館の場
     市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候

(口上 右から)
片岡秀太郎
坂東竹三郎
市川門之助
中村扇雀
中村翫雀
坂田藤十郎
市川猿之助(亀治郎改め)
市川猿翁(猿之助改め):休演
市川中車(初御目見得)
市川笑也
市川笑三郎
市川寿猿
市川春猿
市川猿弥
市川右近

ネットでまだチケットがありそうだということを確認した上で行ったのですが、現地のチケットオフィスで聞くと完売とのこと。
ええーーーここまで来たのになあ…と思っていると、どうもキャンセルが出た(?)ようで、2階席正面3列目の席がありますよ、とのこと。やった!
開演ぎりぎりに飛び込みました(笑)。

まず「操り三番叟」
いや~これ、ほんとに良く出来た番組ですね。
翁が藤十郎、後見が薪車、三番叟が翫雀。
三番叟は操り人形という設定で後見がメンテしているという設定なので、2人の息が合わないと台無しなのですが。
息がぴったりですごい
翫雀さんの舞(上から操り人形として操られている設定)がとても可愛らしくて、「糸につられている」感がすごく出ていて面白かったです。

「小栗栖の長兵衛」
岡本綺堂作の、割と新しい作品だと思われます。
長唄などは何言ってるのかわからないこともありますが(イヤホンガイドや番付で理解することも多数…まだ未熟者なので)、これは口語の劇でわかりやすかったです。
中車さんが主役ですが、元々演技力はある人なので、見ていて安定感があります。
アイロニーのスパイスの効いた劇で面白かったです。
巫女の小鈴の春猿さん、やっぱり綺麗ですねえ

さて口上。
いいですねえ、やっぱりなんか口上を聞くと、その方々の私的な一面も見えて興味深いです。
猿翁丈は体調不良のため休演です。残念。
扇雀さんの口上が面白かったですねえ。
「猿翁のお兄さんと猿之助さんと私は同じ学校の先輩と後輩でして。慶応という学校なんですけどね。けど中車さんは東大ですわ。」
みたいなことをおっしゃてて、場が和みました
澤瀉屋一門さんの口上が続いたのち、最後に中車さんと猿之助さんの口上。
中車さんの口上も立派でしたが、猿之助さんがやはり別格ですね。
お辞儀の前にも拍手、お辞儀の後にも拍手、「市川猿之助でございます」の一言の後にも拍手。
お客さんからの人気が垣間見えます。
口上自体が本当に聞き惚れる素晴らしいものでした

番付に添付されている襲名記念の写真。素敵


驚いたのが、口上用の祝幕を福山雅治さんのデザインだったこと!
隈取がデザインされていて、綺麗でした


さて、ラストの「義経千本桜」。
これがもう本当に素晴らしかった
お正月(元日だったかも?)の中継番組で少し放送されていて、うわ~これ見たい!と思ったのがきっかけでしたが。
猿之助さんの独壇場。
源九郎狐が本当に素晴らしかった。
縁の下から・梁の内からの神出鬼没、佐藤忠信との早変わり、キツネ語とその仕草。
400年生きているキツネですが、親の皮が使われた初音の鼓を追いかけてきた子狐でもあり、なんかものすごく可愛らしくて愛らしい。
キリリとした佐藤忠信との早変わりがとても印象的。
欄干渡り。なんであんなことができるかなあ…。
そしてラストの宙乗り。
テレビよりもずっとずっとすごかったです。演技も素晴らしい。
桜吹雪が舞ってとても綺麗。
いや本当に大感動です。見に来てよかった!
義経の扇雀さん、静御前の秀太郎さんもよかったです。
秀太郎さん、もうかなりのお年ですが、めちゃ美女ですよ~。女らしくてきれい。

終演後、歌舞伎では珍しいオールスタンディングオベーション。
猿之助さんが出てこられて真摯に一礼。
いや~もうすごい、本当にすごい。すごいしか言えない。
興奮して興奮して、昨夜はなかなか寝られませんでした。実際寝つけたのは4時過ぎです。
「芸」というものの神髄の一部を見せていただいた気がします。
ほぼ同じ年代の人ですが、こんなことができるんだ…。

「この人と同じ時代に生まれることができて本当に良かった」と思う人が世の中には何人かいますが、猿之助さんもその一人となりました。
そしてそのことを、今の内に気づくことができたことも本当に良かった。一目ぼれしました。
きっと将来、大役者の一人になるはず。応援していきます!

大変厳しいことを言うと。
中車さんはやはり、これからが大変かと。
義経千本桜や先月見た仮名手本忠臣蔵など、伝統的な演目については子どものころから梨園で修業を積んでこられて初めてできるものがほとんどであり、その下積みがない中車さんはこれからの修業が大変だろうなあと思います。
香川照之という一人の役者としてはすごく好きな役者さんなので、ぜひ頑張ってもらいたいです。

あ~しかし本当にいいものを見た。
寿命が延びました
今年、歌舞伎たくさん見たいなあと思います。…お金かかるなあ


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2 Comments

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びっくりしたね (シークレットM)
2013-02-04 11:38:43
ぼちぼちと忙しい中の更新お疲れ様です。
息抜きできてるんかいなぁとちらちら覗きに来ています。

しかし、今朝のニュースは驚いたね。私は昨夜2時過ぎまで起きてテレビを見ていたらニュース速報で團十郎さんの訃報が!一瞬猿翁と勘違いして、まぁ体調悪かったしなぁと思っていたら、もう一度速報が流れて「え?團十郎???」と画面を2度見してしまいました。

そういやさいこちゃんが顔見世に行ったときには出てたような・・・と思い見てみたらそうだよね、勘三郎さんのことを悔やんでらしたんだよね。
いつかこの人の舞台を見てみたいと思っていたけど思ったときにはいかなきゃあかんね。

海老蔵君がこれで一回り人として大きくなれるといいなぁ。
そうなのです (さいこ)
2013-02-04 23:48:25
Mさん、コメントありがとう。
今朝、ほんとに驚きました。記事の方でも書いたけど、朝のニュースみてびっくりしました。
最後の舞台を見ることができたのは良かったけど、ちょっと複雑です。
やはり見られるときに見に行かないとだめですね。
というわけで、東京新歌舞伎座杮落しも何とか行きたいと画策中です。

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