『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

ベッドと靴下とぺこちゃん

2006年03月09日 03時58分23秒 | ぺこちゃんにまつわる話
かぁちゃんの引越しで、またもやぺこちゃんを放りっぱなしにしがちな今日この頃。もちろん、かぁちゃんが引越しして来る事は伝えたし、ちゃんと新居の中も案内したのだけれど、も一つ反応が鈍い。あまり興味がないのかな・・・まぁ、それも仕方がないとは言え、かぁちゃんばかりに気を取られていては、少々ご機嫌斜めになるのは止むを得ない。

なので先日の腰痛ドタバタに懲りて、こちらも一大決心。二人がデイサービスの日を一日、ぺこちゃんの部屋の模様替えにあて、和室に絨毯を敷いてベッドを入れた。和室に絨毯って好きじゃないけど、先日より小さなテーブルと椅子で生活し始めたのでそうは言ってられない。既に畳には椅子の型がくっきりあちらこちらに付いてしまっているし破れるのも時間の問題となりそうなので、まぁ仕方がない。
以前住んでいた工場の寮も和室だったので、深く考えないで和室の生活をさせていたけれど、先々足腰がもっと弱る事を考えれば、椅子に座る生活の方が楽だろうし、はっきり言って多少腰が痛くてもトイレには行き易い筈だ。行って欲しい!

しかし、二人がいない日というのは平日だった~っ!
という訳でまたもや力仕事を一人でする羽目になったがこれもまたいたしかたない。が、しかし彼女が引越しの時に持って来た32インチのワイドテレビは重いよ~。大抵の物は息を詰めて集中すれば持ち上がるが、これはちょっと無理。引きずりながら空間を作って絨毯を敷くという、自分の中のこだわりを捨てての暴挙で何とか成功!ん~、わはは!まだまだやれる。
かくして、ぺこちゃんの部屋は彼女の大好きなピンク色にへんし~んっ!
ぺこちゃんは「うわぁ!」と言って喜んでいた。良かった良かった。・・・しかし、擦りガラスの入った引き戸越しに見るとあちら側はピンク色に萌えて・・・いや燃えている。何となく場違いな気もするが、まぁいいかぁ。

ところで、毎週火曜日の「ぺこちゃんデイ」に一緒に買い物をすると、彼女は洋服屋や下着屋の前で止まって手にとってあれやこれやと眺める。必要かどうかを確認して一緒に買うのだけれど、洋服ダンスを移動する時に気付いた。引き出しを抜こうとしても容易に抜けない。力任せに引くと中の物が飛び出した・・・服や下着の山・・・なるほど、それでいつも洗濯したての物ばかり着ていたのかぁ、同じ物ばかり着てるから、お気に入りなのかなと思ってた。それにしても、靴下は新しい物が別にスーパーの袋いっぱいに詰めてあった。下着はずっと以前に買った物らしい未開封のサイズの合わない物が沢山・・・だってぺこちゃん、昔はスマートで、我が家に来た頃はMサイズしか買おうとしなかったっけ。聞くと「Lでは恥ずかしい。」・・・きっと以前に誰かに言われたのだろうが、そんな事言ったって~、入らないよ~。

ぺこちゃんの事がまだ私には分かっていない。なまじ普通に会話出来ているので私の言う事が全て理解出来ていると思ってしまっている所がまず問題だ。けれど、言葉によっては彼女の自尊心を傷つける事になるので、言い方や指導の仕方には気をつけないといけないのだが、彼女のこれまでの事を聞く相手がどこにもいないのが辛い所。・・・繰り返して思う事は「私は母親にはなれない」って事。それだけの覚悟が出来ていなかったし、いまも接し方は手探り状態が続いている。四年かけて同居している事は当たり前なったけれど家族にはなかなかなれない。けれどそれは私自身の問題で、彼女は既に家族の一員という事に何の疑いも持っていないようだ。そのギャップが時に心に重くのしかかる。

ぺこちゃんは未だに私以外の誰とも喋らない。一番近くにいる私でさえこうなのだ。途中から家族になるという事は、想像以上に難しいのかもしれない。


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