バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バランセの基本の≪基≫

2017-01-31 11:57:18 | 日記
バレエのパにも、ワルツ・ステップといわれるものがあります。
それが今回練習するバランセ(=Balance)です。
基本形は実にシンプルで単純な動きですが、勘違いを起こしやすい動きでもあります。
まず、練習してみましょう。
右脚後ろ5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはドゥミ・スゴンドで準備して下さい。
②・③右脚ア・ラ・スゴンドにジュテ、トンベ→1 右脚ドゥミ・プリエ-左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→左脚ドゥミ・ポワント→右脚ドゥミ・ポワント⇒2 左へトンベ、左脚ドゥミ・プリエ-右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→右脚ドゥミ・ポワント→左脚ドゥミ・ポワント⇒3 右へトンベ、右脚ドゥミ・プリエ-左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→左脚ドゥミ・ポワント→右脚ドゥミ・ポワント⇒4 左にトンベ、左脚ドゥミ・プリエ-右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→右脚ドゥミ・ポワント→左脚ドゥミ・ポワント⇒………
1拍ごとの動きを分解してみるとこんな風になります。
1拍ごとに重心が載るのは片方の脚だけです。
両脚を揃えた5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントで動きを停めることはありません
片方の脚のドゥミ・ポワントの間もう片方の脚はしっかり爪先を伸ばして、ドゥヴァンあるいはデリエールの床すれすれに引き上げておきます。
無頓着にデガージェ・ドゥヴァンに放り上げたり、5番ドゥミ・ポワントで動きを停めてはいけません
2拍目・3拍目の片脚をドゥヴァンまたはデリエールに上げる場合はそれぞれに指定があります。
右あるいは左にトンベをした最初のドゥミ・プリエ‐ク・ドゥ・ピエ・デリエールは、3拍子の第1拍目の強アクセントのところですから、しっかりとプリエに踏み込むようにしましょう
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、はじめに
2・3⇒2・3=ダウン→アップ→アップ⇒ダウン→アップ→アップ⇒右→左→右⇒左→右→左⇒………
と、リズム確認のレッスンをするようにしています。
動きとリズムが一致してスムーズに動けるようになったら、1拍目の強アクセントのところはエファッセにして角度を付けてみましょう。
このとき、顔の向きは正面に近い肩のほうにエポールマンです。
さあ、いかがですか?
1拍目のク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付ける脚はきちんと軸脚の後ろ側に引き付けられていますか?無頓着に軸脚のふくらはぎのほうに蹴り上げてはいませんか
1拍目の強アクセントのところが、トンベ⇒プリエ→ク・ドゥ・ピエと“2拍”に分かれていませんか?
トンベをしたら、プリエとク・ドゥ・ピエは“同時”です。
3拍目で5番ドゥミ・ポワントに脚を揃えて動きを停めていませんか?
3拍目の動きをなくしてはいけません
くどいようですが、そして実に当たり前のことですが、《強・弱・弱⇒強・弱・弱⇒》あるいは《ダウン・アップ・アップ→ダウン・アップ・アップ→》拍が“3つ”だから3拍子というのです。
2.5拍子、3.5拍子などありえませんね
1拍目でク・ドゥ・ピエ‐ドゥミ・プリエ、2拍目ではク・ドゥ・ピエにしていた方の脚でルルヴェをしてもう一方の脚をデガージェ・ドゥヴァンにジュテ、3拍目は5番ドゥミ・ポワントで静止……、この動きは3拍子に見えますが、厳密にはバランセではありません


<2010.08.23初出 2017.01.31修正>

ジュテ

2017-01-24 12:00:09 | 日記
《アッサンブレ》の練習をしましたので、今度は《ジュテ(=パ・ジュテ Pas jete またはプティ・ジュテ)の練習をしましょう。
その前に、バレエの跳躍技は5つに分類することが出来ます。
1.両脚で踏み切って跳び両脚で着地するもの
2.両脚で踏み切って跳び片脚で着地するもの
3.片脚で踏み切って跳び両脚で着地するもの
4.片脚で踏み切って跳び、同じ片方の脚で着地するもの
5.片脚で踏み切って跳び、もう一方の片脚で着地するもの
《アッサンブレ》は片方の脚で踏み切って跳び上がり、空中で両脚を5番ポジシオンに引き付けて両脚で着地しましたから、“3”に分類されますね。
《ジュテ》は、片脚で踏み切って跳び上がり、もう一方の片脚で着地しますので、“5”に分類される動きです。
先ずは《ジュテ・ドゥシュ》
右後ろの5番ポジシオン、ドゥミ・プリエで準備して下さい。
ドゥミ・プリエのまま、後ろ側の右脚を素早く強く横に押し出して、ポワン・タンジュになると同時に左脚で跳び上がります。
空中では左の膝と足首をよく伸ばし、右脚のドゥミ・プリエに着地します。左脚は右脚の外くるぶしのところでク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付けます。
次は、ク・ドゥ・ピエ・デリエールの左脚を横に押し出して右脚で跳び上がり、左脚のドゥミ・プリエ、右脚のク・ドゥ・ピエ・デリエールで着地します。
脚の動きや跳び上がるタイミングを正確に身に付けるため、なれないうちはアームスはア・ラ・スゴンドかアン・バで練習するといいでしょう。
《ジュテ》の大切なポイントは
空中で、両脚の膝と足首をきちんと伸ばすこと。両方の爪先の間を少し狭い2番ポジシオン程度に開くことが出来れば理想的です。
着地の瞬間にク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付けられれば、動きがシャープに見えますよ。
着地の位置が左右に移動してはいけません。右脚を横に押し出したら右の方に、左脚を横に押し出したら左の方に、と左右に移動 してはいけません。準備の5番ドゥミ・プリエをした位置から真っ直ぐ一直線上 に着地するのですよ。

《ジュテ・ドゥス》
右脚前の5番ドゥミ・プリエで準備したら前側の右脚を横に押し出して左脚で跳び上がり、右脚のドゥミ・プリエ、左脚のク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンで着地します。
大切なポイントは《ジュテ・ドゥシュ》と同じですが、後ろ方向へ進む動きですから、股関節のターン・アウトをしっかり守って、くれぐれも“お辞儀”のようなドゥミ・プリエにはならないように気を付けましょうね。
そしてもう一つ、ク・ドゥ・ピエの足に無駄な力が入ってしまって、“バナナ 足”にならないように注意しましょう。

《パ・ジュテ/プティ・ジュテ》はアレグロでの動きですが、タン・ルヴェをつないだり、バチューで行なったり、さまざまな組み合わせで動けるようにならなければなりません。まず、基本となる《パ・ジュテ/プティ・ジュテ》を正確に身に付けましょうね。

<2009.05.25初出 2016.01.24修正>