バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.9 バットマン・タンジュ・プール・バトゥリー

2012-01-30 10:31:25 | 日記
前回練習したグラン・プリエのアンシェヌマン、2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのカンブレや4番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのフェッテ(=方向転換)などきちんとバランスを保った状態で行えるようになりましたか?
カンブレはしっかり骨盤を立てておくこと、フェッテはトルソーの中心軸を真っ直ぐ上に向かってねじり上げるように引き上げるイメージで、丁寧に練習して下さいね。
今回はバットマン・タンジュ、バトゥリー(=両脚を打ち合わせるパ)のためのバットマン・タンジュを練習しましょう。
アンシェヌマン自体は極めてシンプルですから、自分の身体と脚の動きに十分注意して、バトゥリーは“腿を打ち合わせる”動きだという感覚を掴んで下さい。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからアン・ナヴァン、そしてア・ラ・スゴンドへ。
右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 右足首フレックス⇒1 右後ろ5番→2 ア・ラ・スゴンド→3 右前5番→4 ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→6 ア・ラ・スゴンド→7 右前5番→8 ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ5番→2 ア・ラ・スゴンド→3 右前5番→4 ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→6 ア・ラ・スゴンド→7 右前5番→8 ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→2 右前5番→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→4 右前5番→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→6 右前5番→ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→8 右前5番→ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→2 右前5番→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→4 右前5番→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→6 右前5番→ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→8 右前5番→ア・ラ・スゴンド
いかがですか?
大事なポイントを確認していきましょう。
まずア・ラ・スゴンドの高さはプレパラシオンでポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドをして足首をフレックスにしたときの高さを守りましょう。ジュテをするように脚を振り上げてはいけませんよ。
5番ポジシオンの後ろ側に脚を引き込むときも前側に引き込むときも股関節のターン・アウトが失われないように気を付けましょう。内腿から内くるぶしにかけてのラインを前に押し出すつもりで5番ポジシオンに引き込みましょう。
動作脚を5番ポジシオンに引き込んだとき、その脚に重心を移動してはいけません。重心はあくまでも軸脚の上に引き上げておきます。
動作脚を5番ポジシオンに引き込むときに勢い任せの動きをして、軸側の骨盤が押されて腰が横に逃げたりしないように気を付けて下さいね。
それでは少しアンシェヌマンを変化させてみましょうか。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからアン・ナヴァン、そしてア・ラ・スゴンドへ。
右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 右足首フレックス⇒1 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→2 右前5番→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→4 右前5番→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→6 右前5番→ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→8 右前5番→ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→2 右前5番→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→4 右前5番→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→6 右前5番→ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ5番→ア・ラ・スゴンド→8 右前5番→ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→2 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ→前→ア・右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→ラ・スゴンド→4 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→6 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→8 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→1 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→2 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→3 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→4 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→5 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→6 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド→7 右後ろ→前→ア・ラ・スゴンド→8 右前→後ろ→ア・ラ・スゴンド
いかがですか?後半はドゥーブルの動きです。
ドゥーブルの練習は、1回ずつの動きがきちんと出来るようになってからで構いません。アントルシャの回数が上がるにつれて、内腿をきちんと打ち合わせることの重要度が増しますから、ドゥーブルでも安定したバットマン・タンジュ・プール・バトゥリーが出来るようになるといいですね。
股関節のターン・アウトが十分に出来ない初級レヴェルのときには、動作脚を引き込む深さは5番ポジシオンではなく3番ポジシオンでもよろしいでしょう。股関節のターン・アウトの度合いに応じて少しずつ深く、5番ポジシオンに近づけていきましょう。

バー・レッスン vol.10 グラン・プリエ

2012-01-26 11:25:56 | 日記
前回はクール・ダウンを大切にというお話をしました。
レッスンが始まる前のウォーミング・アップは、バー・レッスンから始まる全身の運動に適した状態に身体を目覚めさせるため、事故や故障の予防にも必要なことです。そしてレッスン終了後のクール・ダウンは、ターン・アウトし続けた身体を解放し、次のレッスンまで身体を良好な状態で維持するために必要なことですね。
生まれつき身体が柔らかいからといってストレッチを疎かにしたり、逆に生まれつき身体が硬いからといってストレッチを敬遠したりしないで、丁寧に続けて下さいね。
今回からまたバー・レッスンですが、センター・レッスンで行うパの予備練習としてバーでの練習で動きの構造を理解したり、コントロールのポイントを確認したりもしていきましょう。
今回はグラン・プリエです。
でははじめましょう。
左手バーで1番ポジシオン、右アームスはアン・バからアン・ナヴァン、そしてア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ドゥミ・プリエ→2 膝を伸ばす→3 ドゥミ・プリエ→4 膝を伸ばす→5 グラン・→6 プリエ→7 膝を→8 伸ばす→1 カンブレ・→2 アン・ナヴァン→3 トルソーを起こして→4 ドゥミ・ポワントに→5 カンブレ・→6 デリエール→7 トルソーを起こして→8 ア・テール→2番ポジシオン⇒1 ドゥミ・プリエ→2 膝を伸ばす→3 ドゥミ・プリエ→4 膝を伸ばす→5 グラン・→6 プリエ→7 膝を→8 伸ばしてドゥミ・ポワント→1 カンブレ・→2 ア・ラ・バール→3 トルソーを→4 戻す→5 カンブレ・→6 オー・ミリュ→7 トルソーを起こして→8 ア・テール→4番ポジシオン⇒1 ドゥミ・プリエ→2 膝を伸ばす→3 ドゥミ・プリエ→4 膝を伸ばす→5 グラン・→6 プリエ→7 膝を→8 伸ばしてドゥミ・ポワント→1 アームスをアン・→2 ナヴァンから→3 右ア・ラ・スゴンド、左アン・ナヴァン→4 ポゼ→5 バーの方にドゥ・ファス→6 更に左に4分の1回転→7 左脚前4番ポジシオン→8 ア・テール→左前5番ポジシオン→1 ドゥミ・プリエ→2 膝を伸ばす→3 ドゥミ・プリエ→4 膝を伸ばす→5 グラン・→6 プリエ→7 膝を→8 伸ばしてドゥミ・ポワント→1 カンブレ→2 アン・ナヴァン→3 トルソーを→4 起こす→5 カンブレ・→6 アン・ナリエール→7 トルソーを→8 戻してポゼ
いかがですか?
ドゥミ・ポワント=ルルヴェでのカンブレをしますから重心のコントロールが大切ですよ。
では大事なポイントを確認していきましょう。
2番ポジシオンのドゥミ・ポワントでのカンブレはバーの方にトルソーを倒していくときには外側の脚のほうに骨盤がずれないように、そしてセンターの方にカンブレをするときにはバーから手を離すわけですから、しっかりトルソーを引き上げて足元がグラつかないように気を付けましょう。
      ア・ラ・バール=バーのほうへ
      オー・ミリュ=センターのほうへ

4番ポジシオンはドゥミ・ポワントでアン・ドゥダーンに方向転換をします。速いテンポではありませんから、きちんとバーの方を向いて2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを通過するようにしましょう。このバーに対してドゥ・ファスになったときにはアームスをアン・ナヴァンに集めます。
4番ポジシオンのドゥミ・ポワントでの方向転換は、内腿の一番高いところをくっつけるつもりで、お腹に向かってしっかり引き上げるようにするとバランスがとりやすくなりますよ。ただ、内腿を実際にくっつけようとして、ドゥミ・ポワントで立っているはずのカカトが下がらないように気を付けて下さい。
バーに対してドゥ・ファスからさらに方向転換をすすめ左脚前の4番ポジシオンに向きを変えていきますが、トルソーよりも左脚のターン・アウトを先行させるようにコントロールしましょう。そして右脚のターン・アウトが安易に失われないように気を付けましょう。
左脚前の4番ポジシオン・ドゥミ・ポワントになったら、右アームスがアン・ナヴァン、左がア・ラ・スゴンドのポゼをしてからア・テールに下りて下さいね。
5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのカンブレ・アン・ナヴァンをするときには腰を後ろに引いて重心がズレないように気を付けましょう。腰を引いた状態でカンブレ・アン・ナヴァンをするとカカトが下がってしまいますから、常に一番高いドゥミ・ポワントを保つように気を付けると腰を引くことなくカンブレ・アン・ナヴァンをすることが出来ますよ。そしてカンブレ・デリエールをするときには重心が後ろにずれたままバーを引っ張るようなカンブレをしたり、骨盤を前に押し出して膝が曲がったりしないように十分に気を付けて下さいね。

2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのカンブレも、4番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでの方向転換もトルソーの中心軸から外れないように、自分の身体にまっすぐに通っている縦の線を常にイメージしてコントロールするようにしましょう。

センター・レッスン vol.9 クール・ダウンについて

2012-01-23 09:37:05 | 日記
前回練習したコーダのアンシェヌマン、スムーズに動きを繋いでいくことが出来るようになりましたか?
ひとつひとつの回転は決して力任せにせず“まっすぐに立つ”ことを大切にして、回転というよりも“方向転換”と考えてみて下さい。
たとえば、グリッサード・アン・トゥールナンのあとのトゥール・アン・ドゥオールは進行方向に対してドゥ・ファスでスタートしますが、回転終わりのドゥミ・プリエはエカルテ・ドゥヴァンですから1回転はしていませんね。ですからドゥ・ファスからエカルテに方向転換をした、と考えるのです。そんな風にパとパの繋がりやそのつなぎ目でのトルソーの向きをしっかり確認していくと、慌てないできちんと動けるようになりますよ。
そして、十分にアンシェヌマンを習得してある程度速いテンポでも動けるようになったら、回転数を増やすことにも挑戦してみて下さいね。
プレパラシオン→グリッサード・アン・トゥールナン→トゥール・アン・ドゥオール=ドゥー・トゥール→ピケ・アン・ドゥダーン=ドゥー・トゥール→トゥール・シェネ……
という風にです。
もちろん、トゥール・アン・ドゥオールかピケ・アン・ドゥダーンのどちらかだけドゥー・トゥール、でもいいでしょう。少しずつレヴェルをあげて挑戦していけばいいのですから…
さて、これまで3年間にわたってクラシック・バレエのパやそれに基づくアンシェヌマンの練習をしてきましたね。
初歩の初歩、真っ直ぐに立つということから中級レヴェルのパまで基本の動きをご説明して、そのコツや注意点などもお話してきました。すべて、私が自分の身体をどんな風にコントロールして動いていたか(=踊っていたか)、コントロールしようとしているか、そして現在の私のクラスでレッスンしている生徒にどんなふうに伝えアドヴァイスしているか、それをそのままこのレッスンでもお話してきました。
もちろんまだ練習していないパもありますし、ポワントの練習もこれからです。
ですからここで、身体のことを少し考えてみましょう。
クラシック・バレエの基本はアン・ドゥオール(=ターン・アウト)です。初めは股関節部分から脚全体をアン・ドゥオールするのに苦労していた身体も、練習を重ねるにしたがってアン・ドゥオールは自然になり日常生活においても脚は外を向いているのが特別なことではなくなっていきます。でもそのことを反対側から考えてみれば、アン・ドゥオールを支え続けるために常に縮んでいる筋肉もある、ということなのです。ですから、その縮んでいる筋肉を解放することもアン・ドゥオールを続けていくためには必要なことです。
そしてレッスンの間中動き続け、緊張し続けた筋肉を解放することも大切です。
レッスンを続けていくことで筋肉は強くしなやかにもなりますが、疲労も溜まっていくのです。もちろん、その疲労の度合いは個人差がありますが、疲労が過労になったときにケガや故障をしやすくなります。
ヴァイオリンなら弦が切れたら張り替えればよいでしょう、太鼓ならもし革が破れたら張り替えればよいでしょう。
でも私たちダンサーは身体がすべてです。張り替えることも出来なければ継ぎをあてることも出来ません。
ケガや故障をしたら当然のことですがレッスンを休まなければならないし、レッスンを再開するときにはケガをする以前のレヴェルで復帰することは出来ません。ですからケガや故障をしないようにケアを忘れないことが大切なのです。
私が若かった頃、大先輩方から言われたものです。
『ケガをしないのも才能のうち』
と…。
皆さんも、レッスンが終わったらクール・ダウンの時間を作るようにしてみて下さい。
クラスが終了して次のクラスが始まるまでの間の時間にスタジオを使わせてもらえるところもあれば、終了したらすぐに出なければならないところもあるでしょう。すぐに出なければならない場合は帰宅後の少しの時間でもいいのですからクール・ダウンのためのストレッチをしましょう。
自分の身体の声を聴くつもりになって呼吸を大切に、ゆっくりストレッチをして下さいね。

センター・レッスン vol.9 コーダ

2012-01-19 10:09:18 | 日記
前回練習したグラン・アレグロ、大らかに動けるようになりましたか?
グラン・ジャンプを続けたり、最後の最後にトゥール・シェネをしたりと盛り沢山ですが、それを楽しく感じられるようになるといいですね。
今回はコーダの練習です。
回転技をいくつか組み合わせて構成してありますから、慌てずに一つ一つのパを丁寧に動くようにしてください。
でははじめましょう。
上手奥。プレパラシオンで右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 グリッサード・アン・トゥールナン→2 右前5番ドゥミ・プリ・エファセ→3 トゥール・アン・ドゥオール→4 左脚ドゥミ・プリエ、右脚エカルテ・ドゥヴァン・デガージェ→5 右にピケ・アン・ドゥダーン→6 左脚ドゥミ・プリエ、右脚エカルテ・ドゥヴァン・デガージェ→7 トゥール・シェネ→8 トゥール・シェネ⇒1 グリッサード・アン・トゥールナン→2 右前5番ドゥミ・プリ・エファセ→3 トゥール・アン・ドゥオール→4 左脚ドゥミ・プリエ、右脚エカルテ・ドゥヴァン・デガージェ→5 右にピケ・アン・ドゥダーン→6 左脚ドゥミ・プリエ、右脚エカルテ・ドゥヴァン・デガージェ→7 トゥール・シェネ→8 トゥール・シェネ⇒…
いかがですか?
はじめは少しゆっくりのテンポで進行方向やトルソーの向き、デガージェに伸ばす脚のポジシオンなどを丁寧に確認しながら練習してみて下さい。
では大事なポイントを確認してみましょう。
はじめのグリッサード・アン・トゥールナンを回り急がないことです。右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼから左脚前5番ポジシオン・ドゥミ・ポワント・クロワゼにきちんとグリッサードをして、5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントが完成すると同時に回転します。回転を急いでトゥール・シェネと区別のつかない中途半端な動きにならないように気を付けましょう。
グリッサード・アン・トゥールナンをしたら右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに下りますが、このときトルソーは進行方向を向き、その位置で右脚をルティレに引き上げてトゥール・アン・ドゥオールをします。
トゥール・アン・ドゥオールのあとは右脚をエカルテ・ドゥヴァンのデガージェに伸ばして左脚はドゥミ・プリエをしますが、これが次のピケ・アン・ドゥダーンのためのプレパラシオンになりますよ。トルソーもしっかりエカルテのポジシオンを守りましょう。そしてデガージェの脚が安直に高く上がりすぎないようにきちんとコントロールして下さいね。デガージェではなくポワン・タンジュでもいいですよ。
ピケ・アン・ドゥダーンのあとも右脚をエカルテ・ドゥヴァン・デガージェの左脚ドゥミ・プリエに下ります。もちろんこれが次のトゥール・シェネのためのプレパラシオンですね。
トゥール・シェネはここでは1カウントに1回転でご説明しましたが、1カウントで2回転するとテンポを合わせやすくコントロールの練習にもなりますよ。
トゥール・シェネが終わったらはじめのポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼに戻りアンシェヌマンを繰り返しましょう。

矢のように速く進むコーダは迫力もあり美しくもありますが、だからと言ってただ速さだけに固執してはいけません。グリッサード・アン・トゥールナンはグリッサード・アン・トゥールナン、トゥール・アン・ドゥオールはトゥール・アン・ドゥオール、ピケ・アン・ドゥダーンはピケ・アン・ドゥダーンです。一つ一つのパをきちんと粒だててその動きを見せることを大事にして下さいね。

センター・レッスン vol.9 グラン・アレグロ

2012-01-16 10:22:52 | 日記
前回練習したシソンヌのアンシェヌマン、シソンヌ・シャンジェやシソンヌ・ドゥ・コテでトルソーの向きが変化する部分や、二つ目のアンシェヌマンでのデヴロッペ・アッサンブレの部分など、慌てずにしっかり方向を変えて次の動きにスムーズにつなぐことが出来るようになりましたか?
リズムの変化や動きのパターンを覚えたら少しずつ音楽を速くしたり、跳躍の高さや移動距離を大きくしたりして練習を重ねましょう。
ところで、昔ちょっと小耳にはさんだエピソードなのですが、バレエのパの名前はそれぞれ動きの特性が名前の由来になっています。たとえばタンジュ(=緊張した、張り詰めた…)とか、アッサンブレ(=集める、組み合わせる)とか、ソー・ドゥ・バスク(=バスク風の跳躍)とか…。でもシソンヌは、ムシュー・シソンヌという男性ダンサーの得意技だったから、彼の名前を冠したのだとか…。“イナバウアー”のようなものですね。…本当でしょうか…
さて、今回はグラン・アレグロの練習をしましょう。
大きな跳躍をするには助走となるパのコントロールが大切です。
でははじめましょう。
上手奥で左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスはドゥミ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 シャセ→2 グリッサード→3 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→4 アラベスク・ルルヴェ→5左にパ・ドゥ・→6 ブーレ→7 グリッサード→8 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→1 右にパ・ドゥ・→2 ブーレ→3 グリッサード→4 アッサンブレ・ポルテ→5 右にピケ・アラベスク→6 左にシャセ→7 グラン・ジュテ・アン・トゥールラセ→8 右脚ドゥミ・プリエ、左アラベスク→1 左にバランセ→2 右脚ピケ・アティチュード・アン・トゥールナン→3 左にバランセ→4 右脚ピケ・アティチュード・アン・トゥールナン→5左にバランセ→ 6 右脚ピケ・アティチュード・アン・トゥールナン→7 下手奥に向かって移動→8 左脚アティチュード・ア・テール→1 左にトンベ・パ・ドゥ・→2 ブーレ・→3 グリッサード→4 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→5 右にトンベ→トゥール・シェネ→6 シェネ→7 シェネ→8 左脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセでポゼ、左アームスがアン・オー、右がア・ラ・スゴンド
いかがですか?
動線をしっかり描くようにして下さいね。
それでは大事なポイントを確認していきましょう。
まずはじめの右方向へのグラン・ジュテ・アン・ナヴァンと左方向へのグラン・ジュテ・アン・ナヴァンとでは、助走となるパが違っています。右方向へはシャセ、左方向へはパ・ドゥ・ブーレです。中途半端に動きを流してしまわないように気を付けて下さいね。
はじめの右方向へのグラン・ジュテ・アン・ナヴァンで着地したらすぐに軸脚をルルヴェに引き上げます。そしてアラベスク・ルルヴェからフェッテをするようにトルソーの向きをアン・ファスに変えて左方向へのパ・ドゥ・ブーレをします。このときトンベをするようにトルソーが左方向に移動します。
次の右方向へのパ・ドゥ・ブーレ、グリッサードからのアッサンブレ・ポルテは、右アームスをアン・オーのアロンジェに引き上げることでトルソーを引き上げて跳び上がり横方向に大きく移動しましょう。
バランセのときにはアン・ファス、エファセの方向にピケ・アティチュードをしてアン・トゥールナンです。このときアティチュード・デリエールに上げる脚と同じ側のアームスがアン・オー、もう一方がア・ラ・スゴンドです。
下手奥に移動する部分はスタジオの広さや4回目のアティチュード・アン・トゥールナンが終わった位置によって、歩いてもいいですし、走ってもいいでしょう。でもくれぐれもトルソーを引き上げて美しく歩くことを忘れないで下さいね。
最後のグラン・ジュテ・アン・ナヴァンの着地がアラベスク・プリエになりますから、そのアラベスクの脚の方にトンベをすると同時にトルソーを引き上げてトゥール・シェネをはじめます。シェネの回数はゆっくり3回でも構いません。無暗に回数を増やして足元がバラついたり進行方向が歪んだりするよりも、少ない回数できちんと動く方がキレイですよ。少しずつ回数を増やせるように練習していきましょう。
最後のポゼはポワン・タンジュ・デリエールの爪先の上に中途半端に重心が乗っからないように気を付けて下さいね。

グラン・アレグロは、ただ高く大きく跳躍することや終盤の回転のスピード感にだけとらわれるのではなく、各フレーズにイメージ付けをしながら全体の構成を見渡すようにすると動きやすくなりますし、楽しくなりますよ