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~音楽好き(ニッチーくん改め)マロくんのCD日記や、あれこれ~

492 May J. 『Silver Lining』〈2021 日本〉

2022年03月26日 20時53分20秒 | CD日記邦楽編

※ジャケットは通常盤仕様

1)Unwanted
2)Can't Breathe
3)Love & Hate
4)Silver Lining (Interlude)
5)DRAMA QUEEN
6)Paradise
7)Feel Like Home
8) Rebellious
9) Psycho (feat. 大門弥生)
10) (Un)wanted
11) Flowers (Bonus Track)

May J.の昨年(2021)12月に発表された9枚目のオリジナルアルバム。

“ May J. ”の名を聞くと、ディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』(2013)[※日本では2014年公開]のテーマソング《 Let It Go ~ありのままで 》を歌った歌手という印象を持つ方が多いかもしれません。(ちなみに私は『アナ雪』を観たことはありません。)
彼女のデビューはそれから遡り2006年。始めはダンス系のアップテンポな曲を歌う歌手でした(私はその印象が強かった)。それからポップス系に転向。《 Let It Go 》を歌うチャンスを掴み、注目されました。
しかし映画内で声優を務めた、女優の松たか子が‘ 劇中歌 ’として歌う《 Let It Go 》の方がインパクトが強かったようで、‘ テーマソング ’として歌うMay J.へ対し、「なぜお前が歌うんだ?」というような風当たりが強くあったとか。
また注目はされるも、カバー曲の企画アルバムが多かったこともあり、今度は「ヒット曲が無い歌手」という声もあり、それまで歌うことが好きで頑張ってきた彼女ですが、常に葛藤抱いていたそうです。

私も《 Let It Go 》で彼女の歌声と(不純な動機ですが)彼女自身の美しさにも惹かれ、当時発売された2枚組ベスト『W BEST』(2014)を買いました。その中で出会った《 Lovin' You 》というバラードは、大好きな曲。
それから彼女のCDを買ってみるも、あまり聴かなくなってしまった。
なぜだろう。確かに彼女は歌が上手い。でも上手いだけで、聴いていて何か突き抜けるもの(強い個性)が無い。単に上手く歌えるだけの“ 優等生歌手 ”なんです。私は「もったいないなぁ」と思いました。
優等生歌手の存在は否定しません。しかし長いスパンで見ると真っ当で、正統派な歌手であり過ぎて、飽きられもして、一定の所で止まってしまうかもしれません。
そのような側面も加わってしまうのか、彼女へ対する一般的な評価がネガティブなものになってしまうのでしょう。
歌うことが好きな彼女。頑張って注目されるまでに至るも、認められない部分がある。そんな自分の殻を破ろうと制作したのが、このアルバムなのです(彼女も、あるインタビューでそのように語っていた)。

このアルバムですが、印象としては、ズンとした重さのあるポップスで、時には幻想的な雰囲気も漂っています。アップテンポな曲もありますが、どこか落ち着いています。
先に記した歌手としての葛藤も含め、彼女の気持ちを訴えている、もしくは訴えているかのような曲やナレーション曲も聴かれ、そこから一層の重さを感じるのかもしれません。これまでのツヤのあるポップスを歌うMay J.のイメージで聴くと「え!?」と思うでしょう。
本来ならCD日記ではオリジナル曲目を重視したいので、ボーナストラック(以下:ボートラ)は表記しないのですが、上記曲目に11)のボートラを加えました。それには訳があります。
このボートラ、ラテンリズムの活き活きとしたポップス。アルバムの中で一番明るい曲かもしれません。ボーナストラックでありながら、重い雰囲気のあるアルバムでの良いエンディングとなっており、また映画のエンドテロップのようでもあります。
このボートラが流れると「アルバム聴いてくれて、ありがとう~!」と言って、May J.が笑顔で、手を振っている姿を、私は想起します。
もしこのボートラが無ければ、掴み所の無いアルバムになっていたかもしれません。なので、ボートラがアルバムの「救い」であり、聴いていて「救われる」ものにも感じられます。

彼女のチャレンジ精神を持って制作されたこのアルバム。私は聴いてみて「おっ、May J.いいねぇ!」というのが感想。幻想的な雰囲気も漂う今作をすごく気に入っています。またトータルタイムが36分程というのも引き締まっており、聴きやすいです。
彼女のチャレンジ精神に拍手!だし、この気持ちを忘れずに頑張って欲しいです。
いっそのこと、今後アルバム曲でロック(もしくはHR)や、アコースティック・ギターの効いた曲やオルガンが鳴るプログレ・ポップスなんかを歌ってくれると面白いかもしれません。

またここから改めて、May J.と向き合っていきたいと思います。

[CD日記 邦楽編 # 13]

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