1. BABA O'RILEY
2. BARGAIN
3. LOVE AIN'T FOR KEEPING
4. MY WIFE
5. THE SONG IS OVER
6. GETTING IN TUNE
7. GOING MOBILE
8. BEHIND BLUE EYES
9. WON'T GET FOOED AGAIN
振り返ってみると、浪人時代の音楽生活で、“最大の出会い”となった作品は、この作品でした。
“THE WHO”というバンドを知ったのは、中学生の頃。今にして思えば、彼らの記録映画『The Kids Are Alright』の“ビデオ化発売”(←時代を感じますねぇ・笑)の広告ページを、ある雑誌で見たのが最初。その時の私、「どうせビートルズをマネしたバンドだろう。それにバンド名が“WHO”だって。ヘヘ…」と内心笑ったものです。いや~、“何も知らない”というのは、コワイものです。(笑)
それから数年後、ある雑誌で“他界した名ミュージシャン”の特集記事を見ました。ジョン・レノン、ジム・モリソン、ジミ・ヘンドリクスetc…と紹介されている中で、キース・ムーンが紹介されていました。何でも、“パワフルなドラムを叩く…”との記述。読み進めると、THE WHOのドラマーであったこと、そして参考作品に、この『WHO' S NEXT』が載っていました。
「あぁ、THE WHOねぇ。この作品だけでも聴いてみるか…」なんて、軽い気持ちで買ったのですが、まさかまさか、それが大きな出会いになろうとは…。
THE WHOの通算6作目。彼らの最高傑作に位置づけられています。
実はこの作品、元々はコンセプト作品にするつもりだったものが変更となったアルバム。
とは言え、完成度は高いです。
一言で言えば、“ダイナミック・ロック”でしょうか。彼らのサウンドはしばしばハード・ロックの範疇に括られます。確かにHRではありますが、ヘヴィメタリックではありません。“ガツン!”、“ザン、ザ~ン!”と力強く、壮大、豪快、快活な面があるので、私の勝手な造語ですが、“ダイナミック・ロック”が適当かもしれません。
この作品では1、8、9が有名曲。
ループ状のシンセのイントロから始まる1。壮大なロックですが、どこか叙情性があり、曲終盤に登場するバイオリンの音色が感動を呼びます。買って聴いた時、この曲に、ただただ感動したものです。
静と動のパートを含む8も、感動を呼ぶ曲。
まさに豪快なロックの9も盛り上がりを見せる曲。アルバム最後で盛り上げて終わるというのも、なかなかの構成です。
ちなみに上記3曲は、昨年2008年11月の来日公演で聴くことが出来ました。本当に感動しました。
THE WHOというバンドは、欧米では、ビートルズ、ローリング・ストーンズと並ぶバンド。日本では近年再評価されていますが、やはり、“聴く人が聴く”バンドという扱い。
その理由は、ある音楽誌の言葉を借りれば、他のバンドに比べ内容が“文学的”だからだとか。確かに1969年のロックオペラ作品『トミー』はまさしくそれですし、この作品の1でも、“Teenage waste land(十代って、荒野だよね)”と、何か奥深いメッセージが込められています。
また、彼らのドキュメンタリーなどを見て思ったのが、このバンドには“イギリスの薫り”が強く漂っているような気がします。何が“イギリスの薫り”か?、と言われると難しいのですが、何と言うか、“イギリス特有の皮肉の要素(?)”が含まれている、と言ったら分かり易いでしょうか。ビートルズや、ストーンズにはそこまで強く“イギリスの薫り”が強く漂っていません。その点や、またTHE WHOの全盛時代、来日公演を行っていないことも相成って、日本では“聴く人が聴く”存在なのかもしません。
私はその奥深さ、また実験的な面もあることから、ストーンズよりも、THE WHOの方が好きです。(ビートルズは、別扱いになりますが…?)
THE WHOのこの作品は、是非押さえておきたいアルバムなのでは、と思います。
この作品に感動した当時の私。これを機にTHE WHOを聴き進めることになりました。
[CD日記 '70洋楽編 # 29]