ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画

映画記事も散在報告も停滞中…ですが、自分が飽きない程度のマイペースで運営中。良かったら読んでいってくださいませ。

タイムライン…もうチョッと早く観ていれば良かったなぁ

2006-08-14 23:59:59 | 映画・DVD
今日8月14日のスケジュールは、お昼は奥さんの実家でお盆の食事会。
夕方からは、子供二人と一緒に、美術館に行ってきました。
美術館はリバーウォーク北九州にある「北九州市美術館分館」というところ。開催されていたのは「小松崎茂展」。
(「この胸いっぱいの愛を」の記事のとき、ゆかりんさんのコメントで、ゆかりんさん地元の美術館外観が映ったって、ありましたが、美術館内部は「北九州市美術館〈本館の方〉」みたいです)
「小松崎茂」という方は、戦中ぐらいから児童雑誌のイラストとか、プラモデルのパッケージアートとか書かれていた方らしいです。
タダ券があったから行ったんですが、まぁまぁ楽しみました。
私が子どもの頃買った憶えのある「ゼロテスター」とかのプラモパッケージもありましたよ


さて、昨日観た映画からです。

「タイムライン」
(監督:リチャード・ドナー、出演:ポール・ウォーカー、フランシス・オコナー、ジェラルド・バトラー、2003年アメリカ)

廉価版にて買って、観ずに随分放置していたのですが、8月13日夜、DVDにて鑑賞
購入時の散在報告はこちらです)。



ストーリー
「ジュラシック・パーク」のマイケル・クライトン原作SF小説の映画化。
フランス南西部の修道院遺跡を発掘していたケイト・エリクソン(フランシス・オコナー)とアンドレ・マレク(ジェラルド・バトラー)は、遺跡の中で現代のメガネレンズと、「Help Me」と書かれたメッセージを発見する。
それは、発掘チームのリーダーで、数日前に発掘のスポンサー企業であるITCへ出向いているはずのジョンストン教授(ビリー・コノリー)からのものだった。ITCは空間転送装置の開発中、偶然過去に通じたワームホールを発見し、1357年フランスへの時空間転送を可能としており、教授は、実験中に現地(過去)で消息を絶ってしまったという。
教授の息子クリス(ポール・ウォーカー)らは、装置を使って救助に向かう…。
詳しくは…http://www.gaga.ne.jp/timeline/



ピロEK的感想&点数
楽しめました。「ジェラシックパーク」並には(ということは、まぁまぁ評価高いでしょ

簡単な伏線と、それに対する思ったとおりの結末は小気味良くて、話がわかり易い。
わがまま言えば、わかり易すぎてもの足りないけど。

こういったタイムトラベルものというのは、「難解」とか「タイムパラドックスの理屈が判らない」といった意見を良く聞くんですが、私はいつも、まぁまぁすんなり入り込めます。
何でかなぁ
って、考えたんですが、
これは偏に「藤子不二雄F」先生のお陰かなぁ。
「ドラえもん」~「SF短編」まで、藤子不二雄F先生は、私の知ってる作家さんの中でもSF考証はカナリ上位(昔の人なのになぁ)と思われます。
あえて子供向けにムチャクチャになってる場合もあるんだけどね
子どもの頃、藤子不二雄Fファンだった私は、SF知識を知らず知らずのうちに英才教育されていたのかも…ただ、宇宙空間を光りの速度で航行する宇宙戦に乗ってる人がウラシマ効果で老化しない理屈は未だに理解していません

で、この「タイムライン」は、「歴史は必然」というようなこともセリフで言っているように、「歴史一本道型」な様子。
ですから、歴史は変えられないようです。
でも、登場人物本人たちは歴史変更しちゃったかも!!なんて思ってるんだけど、全ては起こったこと。タイム・パラドックスは起こりません。
「サマー・タイムマシン・ブルース」と同方式だと思います。
となると、歴史を変える的な“浪漫”に欠けることになる訳ですが、
幸い、この登場人物たちは、そんなことは望んでいない様子。
未来にオヤジと仲間をつれて帰りたいだけ。
頑張りポイントが、「歴史改変」でも「歴史を守る」でもないから大丈夫。

タイムトラベルカテゴリーとしては
(※以下、勝手な解釈です。あんまり信用しないで下さい)

1.歴史改変可能型
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
「オーロラの彼方へ」
「バタフライ・エフェクト」
「タイム・コップ」
「ゴジラVSキングキドラ」
「スーパーマン」(1作目)
等。
過去が変わることによって、未来軸が変わってしまうパターン。
タイムパラドックスの解決方法は、元の未来には戻れないこと(登場人物いとっては、元の未来には戻れなくなる)
過去に戻って自分を殺した場合、自分は消えるか、世界が崩壊します…というバカパターン。
未来軸が変わることにより、登場人物が消えそうになるパターンも。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、コメディ。
「オーロラの彼方へ」とか「バタフライ・エフェクト」はファンタジーな感じで、理論は二の次(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の場合、らしい説明はされてるけど屁理屈に過ぎません)
でも、真面目に描こうとすると、結構可哀想な映画になるようです。
「ドラえもん」も「タイムパトロール」とかいるところをみると、このカテゴリーでもある様子。
でも「ドラえもん」の場合、色々ですね

2.歴史は基本的に修復しようとする型(セワシ君説明型)
このカテゴリーとしては、
「タイムマシン」
「戦国自衛隊」(←微妙。何にも考えていないオバカ映画なのかも
「ターミーネーター」シリーズ
とか。
ん?「ドラえもん」はやっぱりコレ
最も納得できないタイプです
セワシ君の説明によれば。
「東京から大阪に行こうとする場合、どの路線に乗っても付くから、ジャイ子と結婚しようが、しずかちゃんと結婚しようが、セワシ君は生まれるから安心して下さい」的なタイムパラドックス修復機能型。
タイムパラドックスは、超常的な力によって阻止されます(結果的に)
過去に戻って、自分を殺したら…どうなるんだろう…グダグダな事になります。
微細な変化はあっても、歴史が大変なことになる前に修復しようとする(らしい)
どこまでが重要で、どこまでが細かなことかはわかりませんが。
とにかく、歴史を改変しようとしたり、歴史を守ろうという登場人物たちの行為は、お釈迦様の手のひらの上状態。
映画「タイムマシン」で、「過去に何回戻ってもフィアンセが死ぬ事実は変えられない」(死に方が変わるにも関わらず)という屁理屈には、いまだに納得しておりません
「ターミーネーター」シリーズも、超駄作の3作目に到って、このカテゴリーだったようです
この系統は、結局グダグダになるか、宗教的な結末を迎えてムリヤリおとしたり…という印象が強いです。

3.パラレルワールド型
一瞬、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、コレかなって思ったけど、マーティーが消えそうになったりするところをみると違いますね。
このパラレルワールド型が、一番納得の説明をしてくれますが、面白くないです。
歴史が変わった場合、変わった未来と、変わらなかった未来が両方、平行世界として存在します。
タイムパラドックスは基より存在しません。
過去に戻って、自分を殺しても、自分がいる未来と、いない未来が存在しているだけ。その時点から未来に戻ると、自分が死んだ未来に到着します。まわりの方々はビックリします。
つまりは、主人公たちが歴史を変えようとするか、歴史を守ろうとするか…この努力は場合によっては実りますが、自分が希望の未来に戻りたい欲求以外は満たされません。結果、失敗した世界もあるという、(気がついてしまえば)後味の悪いオチ。
面白くなくなるからか、映画作品はあんまり思いつきませんが、逆にいえばキチンと説明されていない場合「コレなのかも?」っていう作品は多いのかも。
「ドラゴンボール」で、トランクスが来た未来と、孫悟空が死ななかった未来は別物(パラレルワールド)です。
ブルマは、平行世界へのワームホールを開く(5次元的?)タイムマシンを発明したんでしょうか?
5次元的な移動方法を持っているのに、4次元方向(時間方向)へはコントロール困難。で、帰り便は平和な未来へは到着しません
多分、平行世界の一つが基点になっていて、そこにしか戻れないと推測。

4.歴史一本道型(抵抗不可能型)
「サマー・タイムマシン・ブルース」
そしてこの「タイムライン」(だと思うんだけどなぁ)
が、このカテゴリー。歴史は決まっているとすれば、全ての努力は無駄にも感じますが、本人たちは生半可なタイムトラベル知識(歴史改変可能型だと思って)から、歴史は変わると思っています
また、知っていたとしても、歴史の望む位置にもぐりこもうと足掻いてくれるはずです。
基本的に一本道なので、伏線なんかが生きてきます。
タイムパラドックスは存在せず、起こそうとしても上手く阻止されます…というか、全ての行動の結果が見えている未来ということです。
過去に行って自分を殺そうとした場合、何らかのジャマが入ります。
極端に突飛な話にしない場合、このストーリーが一番安定するんじゃないかな。
この形式でも、タイムマシンの乱用により違う結果が出ないのか?
ということは思いますが、
「サマー・タイムマシン・ブルース」では、登場人物たちのビビリ具合から…
「タイムライン」では、限定の時間と場所にしか到着しない、かつエラーがあるので何度も行き来出来ない、という不便さから…
上手く防がれています。
もしも完璧なタイムマシンでムリヤリ歴史変更しようとしたら、パラレルワールド型に移行するしかないんですかね?
だとすると残念。

ということで、説明がエラく長くなっちゃいましたが(何度も言いますが、私はゴリゴリのSFファンではないので、ここまでの話、あんまり信用しないでくださいね)
真面目なタイムトラベル映画の場合、「4.歴史一本道型(抵抗不可能型)」がキッチリわかりやすいストーリーで納得させられながら、面白いことが多いようです(というより私の好み?
「タイムライン」の場合、“量子テレポーテーション”という技術の開発過程で、実験を繰り返していたら過去の時間に行くワームホールを通過する装置になっちゃった…ということで、ツメの部分が絵空事とはいえ、タイムマシンを科学っぽく説明してくれようとしています。トンデモ説明ですが、納得しちゃいそうになりました。
帰り用のマーカー(このあたりから多少イイカゲンなタイムマシン説明になっていくんだけど)とか、最初に戻ろうとした人が、装置以外のところに出てきた理屈は説明されていなかった不満は少し残るんですが、まぁ及第点です。


タイムトラベルものとしての出来も評価ですが、
中世ヨーロッパのヨロイカブトと戦争といった観点でも満足。
私が、中世ヨーロッパ好きですから、この映画に対して高評価というのもあります。
ヨロイカブトも、「キング・アーサー」なんかより断然良い(カッコイイ)し。

歴史スペクタクルじゃなくて、SFなのに攻城戦が意外なほど良い出来でした。
(歴史スペクタクルだからキッチリ作って、SFだとそうでもないなんて、私の偏見ですかね
世界史は勉強していないので、百年戦争っていうのを知らないということもありますが、それなりに満喫させていただきました。

ところで、主人公クリス(ポール・ウォーカー)って、活躍しましたっけ???
という感想が残るのもご愛嬌な映画でした。

点数は4点(5点満点中)。
今のテンション的には5点でもいいけど、私の趣味な映画ということに過ぎんしなぁ。話はベタだし



補足・蛇足
アンドレ・マレクっていう人が一番活躍して、中世のお姫様と恋をして現地に残る美味しい役どころなんだけど、この人の役回りって、「戦国自衛隊」だったら、「かまやつひろし」ですねぇ。



本日はこんな感じ。
では






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5 コメント

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こんにちは (カヌ)
2006-08-15 12:16:03
私はこの作品、いまいち納得できなかったです。

レディ・クレアって実在の人物じゃないのですか?

映画の中では辻褄あってるけど、本当の歴史変えちゃったのかと思ったのですが(^^;
Unknown (ちゃぴちゃぴ)
2006-08-15 15:30:58
はじめまして。

ずいぶん前に観たので、私の記憶が定かでない分もあります。

私、単純に楽しみました。

あの過去に残っちゃうのは、オペラ座の怪人でブレイクしたジェラルド・バトラーですね(私も観た後に知りました)。ポールより存在感ありましたね。

タイムマシーンの話、面白かったです。このテの話は好き。なるほどね。

タイムマシーンではないけれど、似た系統(記憶を消していく)では、エターナル・サンシャインもよく出来ていて面白かったですね。
なるほど (ジュン)
2006-08-16 00:51:53
ピロEKさんおもしろいです!

この解説、いろんなパターンに分類されてとてもわかりやすかったです。

私は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を大絶賛してしまう方なので

『タイムライン』の作品自体はいまいち乗り切れなかったんですが

この記事はすごく興味深いですね。
Unknown (PINOKIO)
2006-08-18 02:47:35
なるほど~!です!!

それにこれの主人公って活躍・・・ないですよね(;´∀`)

歴史を専攻してたので、そのときのその現場に行ったときの学者達の喜びはすっごくわかったんですが・・・

突然ナンパする彼に納得できず
★★コメント感謝★★ (ピロEK(カヌさん、ちゃぴちゃぴさん、ジュンさん、PINOKIOさんへ))
2006-08-20 21:44:33
長いことブログ放置しちゃいました。

コメントいただいている方々、ありがとうございました。

遅くなりましたが、お返事書かせていただきます。









★カヌさんへ★



いつもコメントありがとうございます



>私はこの作品、いまいち納得できなかったです。

>レディ・クレアって実在の人物じゃないのですか?

>映画の中では辻褄あってるけど、本当の歴史変えちゃったのかと思ったのですが(^^;



レディ・クレアが吊るされたことによりフランス軍の士気がアップして、勝ったというのは伝承。

後の人が、面白く脚色したもの。

本当は映画の中のように助かっていた。ということなんじゃないんでしょうかねぇ?

ですから、あくまでも物語の中では歴史は変わっていないと私は理解したのですが、どうなんでしょうね。

(続編とか仮にできたら、私の推測なんか簡単に裏切られたりして…

レディ・クレアが実在の人物なのか(&首つられ伝承が歴史に残っているのか?)どうかは私には???です。

中世ヨーロッパの歴史って、東洋と違って紙じゃなくて羊皮紙だから、歴史が残りづらくて結構曖昧とも聞きますし(このあたり14世紀だとどうなのかは??…私の適当話かも…)、曖昧なのでどうにでも受け取れたりするんじゃないですかね。

では、またきてくださいね。









★ちゃぴちゃぴさんへ★



コメントありがとうございます。



>あの過去に残っちゃうのは、オペラ座の怪人でブレイクしたジェラルド・バトラーですね(私も観た後に知りました)。ポールより存在感ありましたね。



オペラ座のファントム(?)ですよね。

あちらでは仮面被ってるから気がつきにくいですよね…同じ俳優さんだってこと。



>タイムマシーンの話、面白かったです。このテの話は好き。なるほどね。



私の記事は単なる戯言なので、あんまり信用しないで下さいね。



>タイムマシーンではないけれど、似た系統(記憶を消していく)では、エターナル・サンシャインもよく出来ていて面白かったですね。



「エターナル・サンシャイン」は、結構勧められるのですが、まだ観てません。

レンタルに行ったときナカナカ思い出さないんですよね。

では、またきてくださいね。今後ともよろしくおねがいいたします。









★ジュンさんへ★



コメントありがとうございます。





>この解説、いろんなパターンに分類されてとてもわかりやすかったです。



のちゃぴちゃぴさんへのお返事にも同じ事を書いていますが、勝手な分析した戯言なので、あんまり信用しないでくださいね。



>私は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を大絶賛してしまう方なので



私も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は大好き

パート1みたら、ノンストップで「3」まで観ちゃうほどです。

アレはアレで変な時間理論が面白いですよね。

では、またきてくださいね。今後ともよろしくおねがいいたします。









★PINOKIOさんへ★



毎度コメントありがとうございます



>なるほど~!です!!



のちゃぴちゃぴさん&ジュンさんへのお返事にも同じ事を書いていますが、

勝手な分析した戯言なので、あんまり信用しないでくださいね。

「バタフライ・エフェクト」「サマータイムマシン・ブルース」「タイムマシン」なんかでダラダラ書いてた記事やコメントを自分なりにまとめて見ました。



>それにこれの主人公って活躍・・・ないですよね(;´∀`)



活躍しませんでしたねぇ。

活躍しなさすぎて、「イントゥ・ザ・ブルー」の精悍な若者と同じ俳優という印象は少ないです。

まぁ、あちらでもある意味目立っていなかったですけど。



>歴史を専攻してたので、そのときのその現場に行ったときの学者達の喜びはすっごくわかったんですが・・・

>突然ナンパする彼に納得できず



自分達に注意を促してくれた人物を助けた結果芽生えた愛ということではないですかね(?)

とはいえ、たしかに唐突な感じもしましたけど。

では、またきてくださいね。

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