いよいよクリスマス・シーズン──と書きながら、
ふと頭の中に小さな疑問符???がたくさん生まれました。
すなわちクリスマスは25日。いわずと知れたイエスの誕生を祝う日。
そして前夜、24日夜がイブで聖夜として、
誰もが幸せな気持ちに自然となる日です。
このあたりまでは、まぁクリスマスとしてOKなわけですが、
シーズンというのはどうなのか?
楽しい時間というのは、あっという間に過ぎてしまうもので、
だからこそ、クリスマスの1週間前、いや1ヶ月も前から、
街にはクリスマスムードが漂いはじめ、
できるだけ長く楽しもうとしているのかもしれませんね。
さて、クリスマスに欠かせないアイテムといえば、ケーキ。
そのケーキの甘さのもとになっているのは、言うまでもなく砂糖です。
一般的には上白糖やグラニュー糖など、
スーパーなどで簡単に手に入る砂糖ですが、
本日のポッポニュースは、それらとは一線を画する甘味の王様、
200年あまりもの歴史を持つ“阿波和三盆糖”に注目しました。
砂糖の原料は、サトウキビ。
阿波和三盆糖も同じくサトウキビから作られています。
ただ、若干品種が違うようで、竹糖という種類で、
茎が細く、背丈も低いのだそうです。
そして阿波和三盆糖の大きな特徴は、製造過程において
手作業の部分が大変多いという点にもあります。
とある仕事の一環で、ピジョンズ・パークは
徳島県上板町で永く阿波和三盆糖の製造を続けている
岡田製糖所さんを訪ねさせていただきました。
岡田製糖所さんにおける、製造の流れを簡単に紹介すると、
サトウキビを絞る(機械)→荒炊きによるアク抜き→
中釜・上げ釜・冷やし釜の煮詰め3工程→
重しをかけて糖蜜を抜く“荒がけ”→
手でこねて糖蜜を抜く“研ぎ”5日(回)→陰干しに到って、
はじめて製品となるのだそうです。
手作業が多い分、サトウキビ本来の風味が残り、
しかもそれが雑味ではなく、上品な味わいとしてコーティングされます。
そのため、阿波和三盆糖はそのまま上質の茶菓子となり、
また甘味料として高級和菓子を支えることができるのです。
全国でもまれな、手作りの甘味“阿波和三盆糖”。
こんなにおいしいのだから、クリスマス・プレゼントにもいいかなぁ、
なんて考えが、ふと心に浮かんだりするのです。
▲上板町で阿波和三盆糖を作り続けてきた岡田製糖所さん
▲竹糖と呼ばれる品種のサトウキビ
▲近隣の農家で収穫されたサトウキビを機械を使って細かく粉砕する
▲このあと、搾汁が行われる
▲作業場に入ると、甘い香りが立ちこめていた
▲荒炊きで出たアクを丁寧に掬(すく)い取る
▲中釜から上げ釜に、煮詰めた搾汁を移す
▲上げ釜から冷やし釜へ。この見極めが熟練の職人さんの技だ
▲冷やし、寝かせた生地を手でこねる“研ぎ”の作業。5日(回)のうち1回目
▲研ぎ終わり、糖蜜が抜けると、白い色に変わる。これを陰干しする
▲時間と手間とをたっぷりかけることで、上品に甘い阿波和三盆糖が生まれる
This program is presented by pigeons-park.