乃琶の独り言

ピアノを勉強している管理人(現在術後療養中)が、日々で想うこと、練習やレッスン、聴いた曲の感想などを徒然に書いています。

小菅優さんのこと

2005年05月25日 22時29分21秒 | ピアノ・音楽


先日、小菅優さんの新譜「ショパン:24の前奏曲他」を買いました。
遺作の前奏曲二曲と、遺作の嬰ハ短調のノクターンも収録されています。

透明感にあふれた、心地よい演奏でした。。
長調と短調が交互に現れ、明るい曲、陰鬱な曲、激しい曲、等々で構成され、
その一曲一曲が一つの曲として非常に完成度が高いショパンのプレリュードですが、
24曲通して一貫する流れが、とても明確に表現されていて
スケールの大きい仕上がりになっています。

小菅優さんのことは、一昨年リストの「超絶技巧練習曲集」で
話題になって聴いてみたことから、
興味を持つようになりました。その後、テレビ「情熱大陸」で取り上げられ、
9歳でドイツ留学し、今日まで着々とピアニストとしての技量を磨いてきた方だと
知りました。

リストの演奏にすっかり魅せられた私は、当時まだ日本では発売されていない
ショパンのエチュード集や、リスト&シューベルト、ラフマニノフ集など
計3枚の輸入盤を取り寄せたりして聴き入りました。

特にショパンのエチュードは、小菅さんが16歳だったかの時の録音ですが、
ヨーロッパでとても定評のある音楽雑誌の評価で満点がついた一枚でもあります。
少な目のペダルで音の切れが良く、ゴテゴテと余計な飾りを一切排除し、
スッキリとまとまった演奏で、私の大好きな一枚になりました。
まだショパンのエチュードを勉強する前の私は、
このCDを聴いて「エチュードを勉強したいなあ」と
何度も何度も聴いては夢を膨らませたものです。(^_^)

そして二年ぶりの新譜。この発売と同じ時期に
Weekly Yomiuriで彼女のインタビュー記事が載っていました。
それで知ったのですが、なんと、お母様を昨年亡くされていたのですね。
まだ子供だった小菅さんのドイツ留学を
実質支えたのは、お母様だったと言うことです。
ドイツ語ができないため、学校でいじめられた娘さんを、
ご自分もドイツ語がそれほど堪能ではないため、英語で学校の先生に必死で手紙を書いたそうです。
それも、いじめをやめて、と直接訴えるのではなく、
「ピアノをやるためにここに来たのだから・・・」ということをきちんと伝えたのだと言うことです。
その他、日常のピアノ以外の煩わしいことを一切引き受け、
いつも小菅さんがピアノのことだけを考えていられるよう、ベストな環境作りに務めていらしたらしい。。。まったく、すごい、としか言いようがありません。

その最愛のお母様が昨年急逝。
大きなショックを受けたことでしょうが、そうしたことを乗り越えて
小菅さんは変わらずに、ピアノを弾き続けています。
実は、今回の新譜に収録されているノクターンは、小菅さんはとても嫌いな曲だったそうで、
でもお母様は大好きだったそうで・・・。
大人になって、この曲の良さが理解できるようになり、
ある演奏会で、内緒でアンコールに弾いてお母様をびっくりさせたというエピソードも
紹介されていました。

小菅優さんの演奏会、一度行ってみたいと思ってるんですけどね、
どうも北海道は旭川とか函館には来てくれるんですけど、
札幌には・・・。^_^;
6月には日本各地でリサイタルが行われますが、これも函館止まり。
う~むと思っていたところ、なんと今回の新譜を買った特典として
小菅優さんのリサイタルのチケットが当たる!というハガキがついていました。
おお!嬉しい!ということで、さっそく応募しました。
でもこれ、6月23日の東京公演(紀尾井ホール)ですけど。(^^ゞ
当たるわけないか、でも当たったら?なんておバカですが、
少しの間、ワクワクさせてもらおうと思います。(笑)


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