Piano Music Japan

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シューベルトが終生手本にしたベートーヴェンピアノソナタ第27番ホ短調作品90と幻想ソナタD894(No.2514)

2017-01-24 23:52:49 | シューベルト:作品大系&詳述
 シューベルトは、27才年上のベートーヴェンを尊敬しており多くの作品からエッセンスを、自らの養分として吸収して行った。ベートーヴェン晩年の弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130 の「新しい終楽章」までも手本にしている。最も早い時期から手本にしたのが、ピアノソナタ第27番ホ短調作品90 であった。出版された1815年6月は、シューベルトピアノソナタ第1番を同年2月18日に開始したばかりの時期だった。テンポ&表情を読んで欲しいが、「速過ぎず」のみがテンポであり、残りは全て「表情豊かに」をいかにすれば実現できるか? を事細かに支持している。テンポは速過ぎずだけでなく「遅過ぎ」も表情を殺してしまう。腹に入れて、シューベルトは早速9月にピアノソナタ第2番ハ長調D279を作曲した。この後、作曲順に、ピアノソナタD459,D506,D566,D567,D459A,D664,D575,D613, 交響曲D759「未完成」,弦楽四重奏曲D804,連弾ソナタD823,ピアノソナタD840 と作曲した。未完成作品とされる曲が多いのも事実。そこで、D567の改作=D568 を経て、究極に仕上げたのが ピアノソナタ第18番ト長調「幻想」D894 である。「生き生きと、徹底して感情を込めて、表情をもって」「性急過ぎず、よく歌い込むように」をまさにベートーヴェン以上に広大な空間を構築できたのだ!
 

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