Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

明日6/1(日)川崎市市民ミュージアムで「佐伯周子のシューベルト」(No.1558)

2008-05-31 14:08:41 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 いよいよ明日6/1(日)に川崎市市民ミュージアムにて「佐伯周子のシューベルト」が演奏される。無料なので、ご都合付く方は是非是非聴きに来て頂きたい。

川崎市市民ミュージアム-プロムナードコンサート「佐伯周子 シューベルトを弾く」



    第1部「シューベルトのワルツ」 13:30~14:00


     「高雅なワルツ」作品77 全12曲
     「オリジナル舞曲集」作品9 より抜粋 ← 第1曲から時間の限り演奏する予定。運が良ければ全36曲聴けるかも!

    第2部「シューベルトのもう1つの未完成」 15:00~15:30


     ピアノソナタ第15番 D840「レリーク」 補筆完成全4楽章版

「市民ミュージアムのベーゼンドルファーインペリアル」は木目仕上げの特注!


なので、他では見ることができない!
 武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅、川崎駅から川崎市営バスまたは東急バスで「川崎市民ミュージアム」停留所下車すぐ。武蔵小杉駅からが最も便利です。
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シューベルトのワルツ その3(No.1557)

2008-05-30 21:14:19 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 シューベルトが生前に「作品番号」を振って、出版に成功した「ワルツ」は以下の通りである。(後日掲載)
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シューベルトのワルツ その2(No.1556)

2008-05-23 22:12:29 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 「シューベルトのワルツ」を連載途中で「ウィーンのワルツ王 = J.シュトラウス2世のこうもり」公演があったので、思わずお薦めしてしまった。本日より、元の路線に戻りたい


 ベートーヴェンが「ワルツ」を作曲&出版する1824年よりも3年も早い = 1821年11月29日に「シューベルトの最初のワルツ」は出版された。

「36のオリジナル舞曲」作品9 D365


である。内容はワルツでも「名前にワルツが付いていない?」って?? そこまで言うならば

「12のワルツ、17のレントラー、新エコセーズ」作品18 D145


を挙げておこう。1823年2月5日出版であり、ベートーヴェンよりも1年以上早い! 「ワルツ」の題名はキチンと表記されているぞ!


  • シューベルト ≠ 「最初のワルツ出版作曲家」
  • シューベルト = 「最初のワルツ出版【大】作曲家」

である。少なくとも 1819年5月7日までに「群小作曲家 = ディアベリ」が「ワルツ」を作曲 & 出版したことは確認されている。しかし、27才年上のベートーヴェン よりも早く「ワルツ」に作曲着手し、出版も先んじた。しかも出来も圧倒的にシューベルトが上。もし、疑問を感じる人がいらっしゃるならば

  • 新ベートーヴェン全集 = ヘンレ版
  • 新シューベルト全集 = ベーレンライター版

を購入してご自分で弾いてほしい。CDは(どちらも)極めて少ない上に、ピアノソナタなどに比べると、演奏の質に欠けるからである。


  • 田舎町ボン 産まれのベートーヴェン → ワルツ になじめなかった?
  • 生粋のウィーンっ子 = シューベルト → ワルツ になじんだ

と私高本は感じる。
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『ウィーンのワルツの最高峰=こうもり』来日公演紹介(No.1555)

2008-05-22 22:56:01 | 演奏会案内
ちょうど「シューベルトのワルツ」を書いている時に、ウィーンフォルクスオーパー「こうもり」引越公演が来日した。本日「ゲネラル・プローベ(最終総稽古)」を聴いて来たので紹介したい。


偉大なるローカルの雄 = ウィーンフォルクスオーパー「こうもり」


 ウィーンフォルクスオーパーほど「好き嫌いの評価が真っ二つに分かれるオペラ団」も少ないだろう。

  • 絶賛派 → ウィーンにまで通い詰める
  • 無視派 → 全く歯牙にも掛けない

である。 ウィンナワルツが全編にちりばめられた「こうもり」を久しぶりにフォルクスオーパーで聴き、シュターツオーパー(小澤征爾が音楽監督している「ウィーン国立歌劇場」のこと)との違いがはっきり浮き彫りに感じられたので、報告したい。

  1. 弦楽器が10型の小型編成(10,8,6,4,4)で、無理に大きな音を出さないので「管楽器が相対的に大きい」のが特徴

  2. ウィンナワルツの「2拍目を長くするリズム」を伴奏だけに用い、旋律線はインテンポで演奏するので「すっきりした感触」が強い

  3. オケだけでなく、歌手もやや小粒だが無理に大きな声では歌わせない。拠って、東京文化会館ではやや広すぎる


 舞台は東京文化会館大ホールを 3/4 にした程度に寸詰めし、高さは 2/3 程度か? GP は、第1幕は「ハーフボイス」で歌うソリストが多かったが 第2幕以降は ほぼ8~10割の声量で歌った(ように思う)。

 「以前のフォルクスオーパーのこうもり」に比べると、バレエダンサーに掛け声を掛けさせたり(ブダペストオペレッタの影響だろう)、日本語のダジャレが無かったり(本番ではあるかも)、いろいろと細かな変化はあるが

濃密な演技のフォルクスオーパー


が、女声主要2役に色濃く出ており、私高本としては楽しめた1夜である。明日金曜から日曜まで3日連続で東京文化会館大ホールにて。今回公演の「看板」の コロ と コヴァルスキー は両者共にフルボイスで歌った箇所が少なかったので、本領は不明。むしろ、

  1. アデーレ役 = ファリー
  2. ロザリンデ役 = グスタフソン

が魅力あった。アイゼンシュタイン役のケルシュバウムは、個人的にはやや不安がある(高音が大丈夫?)が、本番は万全に聴かせてほしい。
「ウィーン訛のこうもり」を聴きたい人は、是非是非逃さず聴いてほしい。本日昼段階では、全4日残席余裕ありだった。
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シューベルトのワルツ その1(No.1554)

2008-05-20 21:17:12 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
6/1(日)に 佐伯周子 が 川崎市市民ミュージアム で シューベルトを弾く。第1部 = 「シューベルトのワルツ」。今日から数回に分けて「シューベルトのワルツ」について書く。


ウィーンで「作品番号を振ったワルツ」を最初に出版した大作曲家 = シューベルト


 音楽史を「広い視野」で見てみよう。

「ウィーン」と言えば「ウィンナワルツ」


と魅力を感じている人は極めて多い。「世界一のオーケストラ」の誉れ高い 『ウィーンフィル』のニューイヤーコンサート = ワルツ集 である。J.シュトラウス2世 の作品が中心である。 父親のJ.シュトラウス1世もワルツを作曲&出版&演奏していたし、ヨーゼフ・ランナーも同じだ!
 ・・・で、その起源を辿っていくと、ベートーヴェンも作曲して出版している(本当!)

  1. ワルツ 変ホ長調 WoO.84(1824年)
  2. ワルツ ニ長調 WoO.85(1825年)

の2曲である。
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佐伯周子のシューベルト「レリーク」D840(No.1553)

2008-05-14 23:28:29 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」が終わり、少しホッとしてしまったか? ブログ更新が少ない > 私高本

佐伯周子のシューベルトの魅力 = 「レリーク」D840 の演奏に凝縮


 私高本は「シューベルトファン」なので、家で聴く音楽はシューベルトが圧倒的に多い。(他に モーツァルト,リスト,伊福部昭 もそれなりに多いがシューベルトほどではない)
 その私高本が「最も多く聴くシューベルト = 佐伯周子のレリークD840」の録音である。「私家盤」として1枚CD-Rに起こしたのがあり、頻繁に聴いている。 『佐伯周子のデビューリサイタル』であり、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール で「スタインウェイ D」で演奏、2004年8月。 う~ん。当時の私高本の力が低くて、東京文化会館は借りられなかったのが原因(泣


 この演奏が「第2楽章まで」でも、素晴らしいのだ。第3楽章も第4楽章も素晴らしいのだが。

  1. 全曲構成がはっきり伝わる

  2. テンポ設定が良い

  3. 曲が「手の内」に入っている


が美点。 同日に演奏した他の曲(シューベルトもあるが、他の作曲家の作品も2曲ある)とは『完全な別人』のような演奏である。


 今日から半月後の「6/1(日)15:00 武蔵小杉からバスで10分の 川崎市市民ミュージアム」で

『佐伯周子が シューベルト レリークD840』を全4楽章版で
ベーゼンドルファーインペリアルで弾く


のは、本当に今から楽しみでならない! 
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ベーゼンドルファージャパン訪問して来ました(No.1552)

2008-05-07 23:35:02 | グランドピアノの買い方・選び方
ゴールデンウィーク最中の 5月2日(金)に開業した ベーゼンドルファー・ジャパン。まだホームページも立ち上がっていないので「どうしているのかな?」と思っていらっしゃる「ベーゼンドルファーファン」も多いことだろう。連休明けの本日夕方、『佐伯周子ピアノリサイタル』 6月1日(日)&8月1日(金)の調律のお願い方々ご挨拶に伺ったので、簡単にご報告を。


旧「日本ベーゼンドルファーショールーム」跡に『ベーゼンドルファージャパン』開業


である。私高本の所感をいくつか述べる。

  1. ショールームでなく「選定ルーム」として立ち上げたのが特徴

  2.  これは「ほぼ全ラインナップ機種を勢揃え」している力の入れようだった。尚、「選定ルーム」なので、当面は「部屋貸し」の予定は無い、とのことだった。

  3. コンサートグランド2機種が揃っており圧巻!

  4.  インペリアル290cm と 275cm の2機種が隣り合わせに置いてあったが、見た目にも圧巻!

  5. 内山武彦社長は、ヨーロッパで大活躍された「コンサートチューナー(演奏会担当調律師」

  6.  これは技術的に安心できる。

 まだ、ホームページも開いていないので、不安のある方は

ベーゼンドルファージャパン 03-6681-5189


に電話すれば、調律依頼や楽器選定ができる。佐伯周子ピアノリサイタルの調律もこれで安心だ!
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ニッセイプラザ丸の内ミニコンサートを聴いて(No.1551)

2008-05-05 19:57:07 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
本日もニッセイプラザ丸の内ミニコンサート = 全シューベルトプログラム をガンガン全プログラム聴いて来た。「ラフォルジュルネ」いいですね!!!



  1. D965 + D943 → 金井隆子(ソプラノ) 13:00の部
  2. 「日本語訳詞によるシューベルト歌曲」 →  秋山徹(テノール) 15:00の部

は、滅多に聴けない + 質の高さ で素晴らしかった。秋山徹の「抱腹絶倒のシューベルト」は、他の歌手では「完全に無理」と言うほど、『手に入ったプロの技』だった。「子守歌」の時に、秋山徹のお子さんを登場させたが「信じられない最高のタイミングで泣く」のは、やはり「歌手の子供」だったろうか?!
 小助川のピアノも「衣裳替えに戸惑う秋山」をしっかりフォローして、本当に素晴らしかった。「フランツ・シューベルト・ソサエティのミニコンサート」は面白いので、明日の「ヴァイオリン」も聴きに行くことを決意した。
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「佐伯周子のD840」と「大原亜子のD845」を聴いて(No.1550)

2008-05-04 22:35:21 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
本日から、フランツ・シューベルト・ソサエティの 『ニッセイプラザ・ラ・フォル・ジュルネ 無料ミニコンサート』が開始された。トップバッター = 佐伯周子。いきなり「立ち見続出」になったが、「佐伯周子人気」だけではなく、次の「大原亜子」にバトンタッチしても「立ち見が出る満員御礼」が終日続いたことにはご来場の皆様に感謝するばかりである。


 本日のコンサートは全部聴いた。全て素晴らしい演奏だった。佐伯周子も良かったし、大原亜子も良かった。

・・・で、標題の両曲を聴いての感想がある。



D840 と D845 は「小節数」は大差ないが「時間的規模」が D840 の方が約1.3倍近く大きい可能性が高い


である。
 単純に「テンポ設定」の問題であろう。
  • D845 → 第3楽章&第4楽章は速い → 大原亜子の演奏ではっきり確認できた
  • D840 → 第3楽章も第4楽章も「中庸」 → 佐伯周子の演奏ではっきり確認できた

である。「瓜二つの姉妹作品」と呼ばれる2曲だが、「1日の内にナマで聴く」と相当に違う感触がある。産まれて初めての体験。

  1. 佐伯周子
  2. 大原亜子
  3. フランツ・シューベルト・ソサエティ

に感謝するばかりである。
 尚、ここだけの話だが、「明日5/5」の 13:00の部 が最も面白いプログラムかも知れない。D943 と D965 を1日に聴けるのは、ここ30年の東京で初めて!
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「佐伯周子のシューベルト」の魅力(No.1549)

2008-05-03 23:14:51 | ピアニスト・佐伯周子
明日 5/4(日) は13:00からと、14:00から「フランツ・シューベルト・ソサエティ主催 シューベルトミニコンサート」で「佐伯周子のシューベルト」が聴ける。私高本自身が「佐伯周子のシューベルト」のファンなので、魅力について感じるところを述べたい。


シューベルトアーティキュレーションの再現 = 佐伯周子のシューベルト


 「佐伯周子のシューベルト」は魅力的だ。(だからマネジメントしている!) いろいろと多方面に魅力を感じるが、「1点だけ」と言われると「アーティキュレーションの正確さ」を挙げたい。

「シューベルト弾き」は大概旋律線は浮かび上がらせることは得意


である。「プツプツ切れたシューベルト」では人気出ないからだ!

・・・で、

  1. ペダル長目

  2. 旋律声部だけ際立つ


演奏が多発しているのが現状。『1978年 = シューベルト没後250年』にシューベルトの魅力に取り憑かれたアホ = 私高本 から見ると、30年全く変化が無い。


 シューベルトの音楽は、「ベートーヴェンを手本」の色彩が最も濃い。モーツァルトの影響もハイドンの影響も認めた上でだ。
 ベートーヴェンの「多声部処理のうまさ」をシューベルトは完全に身に付けた、と感じる。
 5/4 の佐伯周子の演奏曲目では、ピアノソナタ3曲(D157, D840, D960)が魅力を最も聴き取り易いだろう。もしお時間があれば是非聴いてほしい。
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ピアノソナタ第15番ハ長調 D840第3楽章の終結部について(No.1548)

2008-05-02 20:02:56 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
昨日の続編である。(5/4 が佐伯周子のコンサートなので、いろいろと雑用で疲れてしまった。)

偉大な補筆完成版先人2名の「形式観」の問題点



  1. パウル.バドゥラ=スコダ補筆 = ヘンレ版

  2. マルティノ・ティリモ補筆 = ウィーン原典版


は偉大な著作であり、「シューベルトピアノソナタ研究家のバイブル」と呼んで差し支えない名著である。この2人の著作が無かったら、私高本が「シューベルトピアノソナタ補筆完成版」に着手する勇気が湧いてきたかどうかもわからない。私が大学1年の時(遙か昔で両手の指では数え切れない!)に手にした「バドゥラ=スコダ補筆版初版楽譜」を「北の丸」で開かれていた「第1回ドイツ楽器&楽譜展」で入手し、帰宅してからむさぼり読んだ日を思い出す。 相前後して、LPでの全曲録音(1回目、ベーゼンドルファーインペリアルらしい)があったとのことだが、インターネットも無い時代なので情報が全く無く、「ただただ楽譜を読み、自分の頭の中で再現する」作業を繰り返した。時代が過ぎ、バドゥラ=スコダ補筆版の2回目の録音 = フォルテピアノ演奏のアルカナ盤 と ティリモ補筆のEMI盤とウィーン原典版 が 相次いで発売されたのは 「1997年 = シューベルト生誕200年」前後であった。


 当初は「凄い!」と思っていた バドゥラ=スコダ補筆 であるが、何度も読み直している内に「ここ変だ!」と思った箇所が出て来た。

  1. D840/3 第3楽章主部が「第2主題で終曲」していること

  2. D840/4 第4楽章再現部で「第1主題が縮小再現」されていること


の2点。ヘンレ版やペータース版やユニヴァーサル版や旧シューベルト全集に目を通し、「変だ」の感想は強まった。

他のシューベルトのピアノソナタでは、実在しないから


である。第4楽章の件は、また別の機会に述べたい。本日は「第3楽章主部終結」だけ述べよう。


 昨日号に掲載した「シューベルト作曲ピアノソナタの舞踏楽章」を聴いてほしい。「最後の最後は第1主題で終結する」のである、必ず!
 バドゥラ=スコダ補筆とティリモ補筆が「第2主題で終結させた理由」は、今すぐここに書くことが可能。

バドゥラ=スコダ補筆とティリモ補筆 → 舞踏楽章を「完璧なソナタ形式」と勘違いした


からである。ベートーヴェンにはあることはある。しかし、「ベートーヴェンを手本としたシューベルト」には残念ながら無いのだ!



  1. バドゥラ=スコダ補筆 に続き
  2. ティリモ補筆 に続き
  3. プリュデルマシェール補筆

まで(楽譜出版は無いが)CD録音の発売はされた。これまた「第2主題で終結」である。何でだ???
 シューベルトは「第1主題を展開する必然性」は感じていなかった作曲家である。例えば ピアノソナタ第20番イ長調D959 の 第1楽章 の展開部を見てほしい。「第2主題の終結部にある動機」だけで埋め尽くされている。しかし「再現部は、ハイドン&モーツァルトの通りに再現」するのが「シューベルト流」。私高本は昔も今もヒマ(?)なので、シューベルトの音楽を聴きまくっている。(ピアノ曲だけでは無いぞ!)



シューベルトの舞踏楽章 ≠ ベートーヴェンの舞踏楽章


 これを理解していないと勘違いする。
シューベルトは「舞踏楽章」に関しては、ハイドンやモーツァルトに近い感性で作曲したようである。つまり「完全なソナタ形式」では作曲しない。

第1主題で打ち切り!


である。


 5/4 の「佐伯周子 ミニコンサート 14:00 の部」では、この D840 第3楽章 と 第4楽章 を新補筆完成版で聴いてもらうことができる。4年ぶりだ!
 第3楽章は「きちんと第1主題で終結の原則」に従った補筆完成版。「佐伯周子の シューベルト弾き としての腕の良さ」が 引き立ててくれるだろう > 4年前 と同じく
もしよろしければ、「無料コンサート」なので ニッセイプラザ丸の内(JR東京駅丸の内北口徒歩1分)にお越し頂き聴いた上で「あなたさまの耳に響いた音」の感想を聞かせて下さい。
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ピアノソナタ第15番ハ長調 D840第3楽章の終結部について(No.1547)

2008-05-01 14:44:04 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
シューベルトCDの紹介も「5枚組以上のジャンル」全てが終了したので、本日号は、5月4日(日)13:00から 東京駅丸の内北口「ニッセイプラザ丸の内」で開催される

フランツ・シューベルト・ソサエティ ミニコンサート(無料)


で、佐伯周子が演奏する ピアノソナタ第15番ハ長調 D840第3楽章の終結部について述べてみたい。


シューベルトの舞踏楽章主部は必ず冒頭主題にて終結する鉄則


 舞踏楽章は「スケルツォ」または「メヌエット」と表記される。第1楽章や第4楽章に比べて、(作曲着手した時は)完成される率が極めて高い。
・・・と言うか、

D840 以外の「ピアノソナタ用舞踏楽章」は連弾ソナタも含めて全曲完成


が実情!


  1. D334(1815)初稿?
  2. D157/3(1815)第2稿?
  3. D277A(1815)初稿?
  4. D279/3(1815)第2稿?
  5. D566/3(1817)
  6. D459A/2(1817?)
  7. D570/1(1817)
  8. D575/3(1817)
  9. D593/1(1817)初稿?
  10. D593/2(1817)第2稿?
  11. D625/2(1818)
  12. D812/3(1824)
  13. D845/3(1825)
  14. D850/3(1825)
  15. D568/3(1826?)第3稿?
  16. D894/3(1826)
  17. D958/3(1828)
  18. D959/3(1828)
  19. D960/3(1828)

 これが「ピアノソナタ用舞踏楽章」の全てである。組合せがはっきりしない楽章もあるが、【D840/3以外は全部完成している】が特徴。
 D571+D570 や D625 のように両端楽章は仕上げられていないのに、舞踏楽章だけ完成しているソナタも複数ある!


 上記全舞踏楽章を聴けば誰でもすぐわかるのだが、シューベルトの舞踏楽章主部は必ず冒頭主題にて終結する鉄則 が存在する。大半の曲は「同じ高さにて再現」するが、ごく稀に「異なる声部で再現」する曲(例 : D958)もある。だが「2番目の主題で終わることは決して無い」のだ!


 D840/3 は2つの主題から成り立っている。

  1. 第1主題呈示 1~12小節(12小節)
  2. 第2主題呈示 13~18小節(6小節)
  3. 第1主題装飾確保 19~30小節(12小節)
  4. 第2主題確保 31~38小節(8小節)
  5. 展開部 39~74小節(36小節)全て 第2主題の動機展開
  6. 再現部第1主題 75~80小節 ← ここで自筆譜が作曲中断されている

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