豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

川瀬巴水「富士と東京」という豆本

2011年05月23日 | 豆本






 今回も風景画である。
 「近代の広重」と称され、日本全国津々浦々の風景を描いた川瀬巴水の沢山の中から、富士と東京を一冊に纏めてみたものである。向井潤吉とまた異なった安らぎを覚える作品の数々で、眺めていると津波だ、放射能汚染だと混乱する現実の方が嘘のようにも思えてくる。いや本当に嘘であってくれたらどんなによいか知れない。
 さてこうして富士と東京が出来上がってみると、これ以外のもっと多くの全国の美しい風景をそのままにはしておけず、全国編も纏めるべく準備中である。
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向井潤吉の豆本

2011年05月20日 | 豆本






 美人画もいいけれど、風景画もやすらぎを与えてくれる。
 民家を描いてきた向井潤吉の画は少年時代から好きであった。生まれも育ちも都会のごみゴミしたところであった自分がなぜこの人の画に惹かれるのかよく分らないのだが、この人の画を観るとほっとする。一見どこででも見受けられるような風景なのだが、いや、それだからこそこの人の画は日本人の「原風景」を描いていて、田舎育ち都会育ちにかかわりなく、心の故郷にもどったように思われるのではないか。
 そうはいうものの、大きな画集も所持していても、なかなかそれを開くことはない。それが豆本にしたことでいつでも簡単に観られるようなったというわけである。豆本おろそかにすべからず。
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伊東深水の豆本

2011年05月17日 | 豆本


  



 「絵に描いたような美人」というが、正真正銘の画に描いた美人なのだから文句のつけようがない。

 文芸作品の豆本は、出来上がった満足感というのはあっても、完成後にそれを読むということはまずやらない。
 しかしこういう画集は、時々引っ張り出してはついつい眺めてしまう。従ってかような画集の豆本は、本の機能をより濃く残しているものとして、私としては作り甲斐があると思っている。
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東郷青児の豆本

2011年05月14日 | 豆本






 東郷青児もまた、特色ある女性像で一目でそれと知れる。特に三番目のような女性図は数多くあって似たようなものでありながら、その一つひとつは微妙に違っていて、それぞれに魅力があるという不思議な絵である。
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国芳の「水滸伝」の豆本

2011年05月05日 | 豆本


 歌川国芳の水滸伝と題したが、今回は2作品についてである。国芳は生涯に何種類もの水滸伝をものしていて、まずはそのデビュー作がその一つ(全体写真左下)である。簡単に水滸伝と言っているが「通俗水滸伝豪傑百八人一個」(一個はひとりと読む)という長い標題が正式の名称である。108人の登場人物の個々を描いた力作で、国芳はこれにより「武者絵の国芳」という地位を確立する。

 

上掲2枚は第一作の物で、かように手の込んだ力作であるが、ただ残念ながら全作品は揃わなかった。

 国芳がその後に似たようなタイトルで描いた「スイコデン」の断簡を集めたのが、右下の「様々水滸伝」と名付けたもう一つの方である。下掲がそれらであるが、絵の右上の全体タイトルの描き方で違うシリーズであることが分かる。最後のように複数人数を描いたシリーズとか、漫画パロディー的なものある。また、山東京伝が文章を書いた「通俗水滸伝」の挿絵としても描いており、最初のページを開いたものはその本の袋の表絵である。

 



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