正しいか正しくないか、それはよく判らないが前々から気になっていたことに
自分なりの回答が出てきた。
その疑問というのは、ある名人の盆栽を見ていたときのことである。
その方の盆栽は直径50cmはあろうかという幹に申し訳程度に付いた葉を持つ
盆栽だった。
幹はほとんど白化し、わずかな外皮が残るのみ。まもなく枯れるとしか思えない。
それを日陰に置いて毎日水を絶やさぬよう優しくかけて元気にするのだと言う。
私の疑問は簡単に言うと、
”そんな大きな木がそのわずかな葉や根で生き延びるわけが無い”と言う
事だった。
今にして思えば、木の木部は既に死んだ抜け殻だったと言うことで
そのわずかな葉っぱと根と幹にこびりつく程度の表皮が木部にくっついて
その体を支えていたということだったのかと思った。
生きている部分は珊瑚のように自分を支える”生きてはいない”木部、
人間の生活で言えば”家”に相当する部分を自分の抜け殻で作成し
それに生きた組織が住んでいただけだったのだ。
それが人間世界で言う”過疎地”だったと思えば木部と生きた部分のアンバランス
はすごくもっともである。
木に巣くう虫がいたとしても枝の木部を主に食べているなら、痛くは無いのかも
しれない。
人間側がそれをさも痛いかのように思って薬を使ってしまうのかも。
そこにも適度な共生関係は築けているのかもね。