会社の社報に講演の記事があった。
題目は地球温暖化についてである。
産業革命前に280ppmであったCO2濃度が今380ppmにそして今は毎年2ppmずつ
上がっているそうだ。
そして400ppmになると温度上昇が2℃となり、そのときには珊瑚の97%が死滅、
1200万人~2600万人が海面上昇とサイクロンで移住を余儀なくされ
10臆~28臆が水が足りない状況に追い込まれ、食料危機が深刻化し1200万~
2億人が飢餓に追い込まれるそうだ。
その時期は10年後という計算になる。
いよいよ迫ってきたわけだ。
少しでもその時間を遅らせるために、ヨーロッパでは2050年までに一人当たりの
CO2排出量を80%削減する(減らす方が80%!!)という計画を立てている
そうだ。
43年後にそうなってたとしても10年後は避けられないと言うことか。
今から15年ほど前にヨーロッパでエネルギー1/10で暮らさなくてはならない、
そのために...と提言した学者がいた。
私もそれに共感して、太陽電池とかソーラーカーとかに入っていったんだった。
そしてそうなると産業形態は全く違ったものになるはずで、それにむけての
ソフトランディング計画を社長に直訴して、いろんなトライをアンダーグランドで
やることを許可してもらって会社を変えていこうとしたんだった。
提案は
1.製造業からサービス産業へ:
当時(今でもですが)とにかくNewmodelを作りまくって買い換えさせていた。
それを止めて、長く使える基本の車両を少量作りメンテナンスと、個人個人の
使い方にあわせたカスタマイズ、ソフトウエアの変更、腕前の向上教室のほうに
重きを置き修理をしやすくメンテナンスでながーく使えるようにする。
2.衣食住を自分達で生み出すようにし、お金への依存度を下げる:
全てを”買う”ことによって生きようとするとお金が無いと不安になる。
最低限の安全保障は自社で賄う。そのかわり給料は少ない(でも支出も少ない)
こんな”結”もどきの社会構成を会社に作れないか。
3.機械力で自分を増幅するのではなく、自分自身の能力を上げれる
マンマシンシステムを提供する:
機械側の成長は、個人個人の成長の形にあった方向になるようにし
(パーソナルフィットとなずけた)そのための人間側の状態推定、
モチベーション推定ができるよう、人間側のシステム(心理面も包括する)を
分析し、機械側、そして状態を分かりやすく理解させバイオフィードバックさせる
マンマシンシステムを提供する。
ということを地下組織でやっていた。(組織と言うにはさびしい状況だったが、
個別に上記の一部ずつを助けてくれる仲間が出来た)
結局自分の周りを変えられないなら理想を言ったって仕方が無いと思い
自分の所属する”会社”で始めていつしか日本の色んな会社に飛び火すれば
良いなと思った。
その計画では今から7年前に効果が出ていればソフトランディングできると
踏んでいた。
その予定からすでに7年過ぎた。最近やっと”そういう商売もあるかも”という
空気がわずかながら出たようにも思うが、今のところ結果にはつながらない。
未だにエネルギー垂れ流しである。(世間並みには頑張っていると思うけど)
とても理想とした1/10なんて話ではなかった。
今日もそういうことが理解しやすいように”システム思考”の説明をし、今の仕事の
問題を解決しつつ裏で省エネも出来る提案をしてみるのだが、やはり新しい方法は
ただ”新しい”だけで”難しい”となってしまう。
その裏では社報記事でこういう温暖化のことが取り上げられる。
そして結論は”エコビジネスが儲かればそれが発展する”というくだりだ。
そうではない。
今の産業形態を否定した先に結果的に経済的にも成立させる提案が
必要だと言うことだ。
経済的に成立しないことはエネルギーとしても成立しないと言うことと等価である。
お金=エネルギーなのだ。
つまり”極限的省エネ=お金が極限的に少なくていい”ということのはずなのだ。
ただし、それを実現するには心理的な慣性力=”お金が無くては生きていけない”
を消せる実例を”運が良かったから”という言い訳をさせない方法で実現して
見せることだ。
今、自給自足の生活が憧れのように言われ始めた。
それが憧れではなく、出来ることなのだと示せることが自分に与えられた
”生”の意味なのかもしれない。
後10年後この世はどうなっているのだろうか。