おつかれ山っ!/(^o^)\

山行報告&コラム

巻機山 2017年11月2日

2018年01月26日 | 日本百名山山行報告

仕事の繁忙期も終わり、自治会の秋祭りも終わり、ようやく山の事を考えられるようになった11月。
登り残していた新潟県の百名山密集地帯に向かう事にした。
まずは初日に苗場山に登り、巻機山、最後に越後駒ヶ岳に登ろうと考えていたのだが、ネットで調べたところ、苗場山の登山口となる和田小屋までの林道が既に冬季通行止めになっている事が判明。
最初から出鼻をくじかれたが、それなら巻機山から越後駒、最後に平ヶ岳の三本で行こうと決めた。

文化の日を含めた三連休、その前日に自宅を18:30に出発。
東名から海老名JCTで圏央道、そして関越自動車道と乗り継ぎ、道の駅南魚沼に到着したのは0:20だった。
高速を休憩無しで運転して来たので、だいぶ疲れが溜まっている。
晩酌もそこそこに後部荷室の布団に潜り込んだ。

翌朝6:10起床。
車内の温度計は10度を示しており、なかなか寒い夜だった。
車を降りると申し分のない快晴が広がっている。
缶コーヒーを片手に構内を散策していると、東屋の脇に張られたテントからは山ガール風の女性三人組が起き出し片付けをしていた。
やはり山に向かう前泊組は多いようだ。

歯磨きとトイレを済ませ、巻機山の登山口となる桜坂駐車場に向け出発。7:30到着。
百名山でありながら余り聞かない山名だったので、人気の無い山なのかと思っていたが、なんのなんの第一駐車場は既に満車状態。
第二駐車場に乗り入れた。

車を降りて身支度をしていると駐車場の管理をしているおじさんだろうか、登山道などの説明をしてくれる。
「七合目まで赤土の道で滑りやすいからね、八合目辺りからは雪があるから…」
極めて丁寧だ。
駐車場から見上げると、山頂は前巻機山(ニセ巻機)に隠れて見えないとの事。


冷んやりとした空気の中、駐車場脇から始まる登山道を7:45に出発した。


すぐに分岐があるが、左手の天狗尾根コースは現在崩落のため一般者向きでは無いとの情報。
迷わず右手の井戸尾根コースをピストンにする。


35分で四合目通過。


今日は文化の日を含んだ三連休初日とあって、登山客も多い。
三人の登山客を追い越して登って行くと、単独の女性がかなりのハイペースで登って来た。
私も息が上がり立ち止まった際
「お先にどーぞ」
と道を譲ったが
「えぇ~、独りじゃ寂しいじゃないですか~」
と、何故かその後一緒に登る事になった。
女性「百名山ですか?」
私「えぇ、せっかく来たから越後駒と平ヶ岳も登ろうと思って」
女性「そうですよねぇ~、遠いと来るだけでも大変ですよねぇ~。私は地元新潟だけど南アルプスはまだ行った事ないもんなぁ~。あっ、枝折峠からの越後駒はいいらしいですよ、あと百名山ではないけど八海山もいいですよ~。でもやっぱり北アルプスは別世界ですよね、なんかあれは日本の風景じゃないですよ!アルプスっていうだけあって…、あっ、でも本当は私、山よりスキーの方が得意なんだけど…(以下省略)」
良く喋る女性だった。
話しながらも良いペースで登って来るので
「なかなか良いペースで登りますね」と私が言うと
「いつも男の人達とばかり登ってて、ついてけないと連れてってもらえないんですよ~」との事。
なんだか私も煽られた形で息が上がる。

汗びっしょりになってしまい、私の加齢臭が後ろを歩く彼女に漂っていないか大変心配だったが、ようやく五合目の標柱が見えたので大休止を取る事にした。
ザックを降ろし、汗を拭いながら改めて彼女を見ると、なかなかの美人。
タレントの水野裕子似と言っても過言ではない。
歳は30代後半といったところだろうか。
しかし、こんなハイペースで後ろから煽られては私も辛い。
「私はがっつり休んで行きますので、お先にどーぞ!」
再び促すと、ちょっと不服そうな顔をしながら登って行った。

なんだったんだろう…?

山の神が私にくれた、素敵な出会いだったんだろうか?
それとも新しい手口の詐欺だったんだろうか?
いずれにしても何故お先にどーぞと言う前に「貴方のような綺麗な方とご一緒出来るのは、とても嬉しいですが」と言わなかったんだろうかと、自分の頭をバカバカバカ!と何度も拳で殴る私だった。

五合目は展望が開けており、東側の深い谷を見下ろせた。
見上げれば青空に映える前巻機山が綺麗だ。


汗も止まり、息も整ったところで再びマイペースで登り始める。


30分で六合目に到着。
北面が開けており、見下ろすヌクビ沢には大きな滝も見えていた。

足元にあった雪だるまに心が和む。


六合目を過ぎた辺りから駐車場管理のおじさんが言っていた通り、滑りやすい赤土の道が出て来る。

登山客に多く踏まれているため階段状になっていた。



七合目に到着すると視界が一気に開ける。

(振り返って中央に苗場山)

向かう先には前巻機山(ニセ巻機山)

山頂はまだこれを越えないと見えて来ない。

七合目からはチシマザサの原を階段で急登して行く。

息が上がる。

30分喘いで肩に乗ると、ようやく巻機山(本物)が姿を現した。

残雪が綺麗だ。

右手には米子沢の頭から朝日岳へと続く稜線。

こちらも気持ち良さそうだ。

ひと登りで九合目。前巻機山(ニセ巻機山)に到着。


これより一旦降りに転じ、山頂へは左を巻いて行く。


鞍部には立派な避難小屋。


すぐ傍にある池塘は全面凍結していた。


これより最後の登り。

雪の下には階段が整備されている。

と、ここで五合目まで一緒に登った女性がもう下山して来た。
私「早いねぇ~、もうお昼も食べて来たの?」
女性「最高地点にケルンがあるって聞いたから行ったんだけど、分からなくてずーと先まで行っちゃいましたよぉ~。もぉ~ケルンがあんなに小さいとは思わなかったわぁ~」
私の質問には一切答えず、再び凄いスピードで降って行く彼女だった。

駐車場を出発してから3時間30分。
山頂標柱がある御機屋に到着。


10名ほどが思い思いに休憩しているなか、若者二人がけん玉に興じている。

撮った動画をインスタにアップしていたが、いいねは押さないでおきたい。

巻機山の最高地点はこれよりまだ少し先にあるので、休まず進む。


雪が解けてグチャグチャになった木道を10分歩き、巻機山本峰1967mに到着。

ケルンが積まれていなければ、気付かず通り過ぎてしまいそうな山頂だ。
場所が広くない為、こちらは単独行の男性が2名いるのみ。
静かに展望を楽しみながらおにぎりを頬張った。

南へ続く稜線の向こう、写真中央が谷川岳。


その左肩には薄っすら富士山が見えている。

妙高山に登った時にも富士山が見えて感動したが、こんな遠く新潟まで来ているのに富士山が見えるとは驚きだった。

西南に今回登れなかった苗場山。

右奥には薄っすら北アルプスの山並みが見えていた。

更に西に目を移せば妙高、火打。


開けた西南方向ばかり見ていたが、北から東の方向には後日登る予定の越後駒(左)と中ノ岳(右)


東には左手に平ヶ岳、右奥に燧ケ岳。


東南、左手奥に燧ケ岳を見ながら右手前に至仏山。


とまぁ、ぐるっと一周素晴らしい展望に恵まれ腹ごしらえも整い、下山を開始。
御機屋に戻る稜線を歩きながら、何度も立ち止まっては展望を目に焼き付けた。

御機屋からの降り、池塘の脇を歩いていると、登山道を横切る幼虫を発見。

こんな環境の中、本当に逞しく生きている。

降りは一段と雪解けが進み登山道はグチャグチャ。
滑って尻もちなどついたら大変な事になるので慎重に行く。


避難小屋から再度巻機山を仰ぎ見る。

また来るよ~!(絶対ウソ)

前巻機山からも振り返る。

もうこれを降ると山頂は見えなくなる。

七合目通過。

素晴らしかった展望もこれが最後、これより樹林帯へと入る。

樹林帯に入ってからも紅葉を愛でて行くのでなかなか歩みは進まない。






良くこれだけ登って来たなと思わせる長い長い降りを経て、14:10桜坂駐車場に到着。
余り人気のない山なのかと思っていたが全然そうではなく、良く整備された登山者の多い山だった。

(参考コースタイム)
  7:45  桜坂駐車場出発
  8:20  4合目
  8:40  5合目(休憩10分)
  9:20  6合目
  9:50  7合目(休憩10分)
10:20  8合目
10:40  前巻機山(9合目)
11:15  御機屋
11:25  巻機山最高点(昼食)
11:45  下山開始
12:10  避難小屋(休憩10分)
12:25  前巻機山
12:35  8合目
13:30  5合目(休憩10分)
14:10  桜坂駐車場


下山後は温泉!
スマホで検索してみたがどこも宿泊扱いの所が多く、日帰り温泉がなかなか見つからない。
唯一あった六日町温泉「湯らりあ」に向かった。
アーケード街の一角にあり、小さな公衆浴場といった佇まい。
入浴料は400円とリーズナブルだが、石鹸シャンプー等は自販機で買うシステムになっていた。
湯船には「熱いので注意」との張り紙があるが、熱い湯が好みの私は「なぁ~に言ってやんでぇ!」と湯船に入るが、少々長く入り過ぎて気持ちが悪くなり、フルチンのまま脱衣所で暫く休んでから退出した。

(立ち寄り湯)ゆらりあ¥400★☆☆☆☆

温泉を出た後は車中泊する為、道の駅「ゆのたに」へと向かう。
道の駅に到着後、例の如く近くに居酒屋はないかSiriに聞いてみるが、示したのは近場の焼肉屋だった。
店先まで行ってみるがこれはちと違うなと思い、第二候補の定食屋「よしや」へ。
ここもちと違うなと思ったが、もう面倒臭くなり夕食だけ済ます事に。
味噌ラーメンを注文したが30分以上待たされたあげく全く美味しくなくて、これなら初めからコンビニで済ませれば良かったと後悔しきり。
見知らぬ土地ではなかなか上手く行かないものである。

百名山ツアー2日目に続く>>


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2 コメント

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おつかれヤマです (かたこりまさかり)
2018-02-02 17:42:07
巻機山、結局登らないまま、北海道に島流しになってしまいました。
すてきな女性との出会いがあったようで、うらやましい限りです。
しかし、それだけ速いと、逃げられるのも早いかもしれませんね。
後ろ姿だけでも見たかったものです。
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>かたこり様 (おつ山)
2018-02-03 22:22:31
かたこりさん、巻機山まだでしたか。
私も余り期待しないで行ったのですが、結構人気で良い山でしたよ☆
健脚のかたこりさんなら牛ヶ岳、更には割引岳のピストンも可能かと思います。是非!

素敵な女性との出会い…、もぉ〜ほんと、バカバカバカ!でしたよ(>_<)
じゃなくてね、独りで心細かったんでしょう、きっと。
羅臼岳の時もそうでしたが、ずっと一緒に降って来た女の子が登山口に着いた途端、振り向いたらいなくなってましたから(笑)
新たな詐欺には気を付けましょう。
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