8:40福用駅出発
9:30経塚山の展望地
10:25馬王平
11:10電波中継所の反射板
11:30白光神社
11:40八高山山頂
13:45下山開始
14:10馬王平
14:35なだらかコースの分岐
15:15登山口
15:35福用駅
南アルプス間ノ岳を源流部とする静岡県の大井川。
その流れに沿って降って行くと、ずっと下流の西側に島田市と掛川市を隔てる八高山がある。
サークル鬼ヶ島の二月の山行に計画されていたが、生憎の雨で中止になっていたためリベンジで、KANIYO氏、チェブラーシカ氏、Oじろー氏を誘って登る事にした。
大井川鉄道の福用駅に車を止め支度をしていると、隣に止めた車から登山者らしき50代くらいの男性が降りて来た。
おはようございま~す!と挨拶を交わすと
「八高山登るの?!」
と、驚いた様子。
いつもの事だが、山登りを楽しむ年齢層からいえば私達はまだ若い方に分けられ、若い人達は皆アルプスや大きい山に行ってしまう為、こういう低山に来ると決まって珍しがられる。
そして決まって「いやぁ~、もう若くもないんですよ!」なんて返事をするが、読者の皆さんもご承知の通り、ほんとにもう若くもないのである(ほっとけ!)
支度をしながら、その後もこの男性と色々話をしていると、膝を悪くしてしまって最近は山登りがきついのだと言う。
(あぁ、中高年に良くある症状だな…)
なんて思っていたが、詳しく聞けば北アルプスを縦走中、強風に煽られて70Lのザックを背負ったまま6m滑落して、左足と左手の小指を骨折したと言う。
ヘリを呼ぶのも恥ずかしいので自力下山したそうなんだが、時間が掛かり過ぎて小指は曲がったままになってしまった。と外を向いた小指を見せてくれた。
驚きの声を上げて聞いていた私達に男性は気を良くしたのか、その後も武勇伝をとめどなく話し、仮眠も取らずに車で九州の山々を巡った話しや、12日間に及ぶ南アルプスの大縦走、日本海の朝日岳から北アルプスを縦走しジャンダルムを越えて上高地へと下山した話し、東海自然歩道を京都~東京までを全て踏破した話し等々。
物凄い勢いで一気に喋り、男性の口元には白い泡が一杯溜まっていた。
20分余りとめどない武勇伝を聞き、出発が遅れていたので一瞬の隙をみて
「じゃ、行きますか!(汗)」
と、男性を残して福用駅を出発!
「いやぁ~、山にも全国を放浪する寅さんがいるんですねぇ~」
と、チェーブラーシカ氏が言うので、それ以降私達はこの男性の事を"寅さん"と呼ぶ事にする。
「←八高山」のでかい看板に従い神社の前を通り過ぎて行くと、近道をしたのかまた寅さんが待っていた!
そして登山口からもずっと寅さんと一緒に登る事になる。
急坂に取り付き15分ほどで尾根に乗ると茶畑の中を進み、大井川を見下ろす。
更にひと登りすると西の展望が開け、目の前には大きな山容を見せる経塚山があった。
ここで一旦休憩を入れると寅さんも一緒に立ち止まり、またまた独演会が始まる。
寅「明治大学の山岳部で山を始めてからもう4000個の山に登ったよ!南アルプスで市毛良枝に会い、北岳で中島誠之助に会い、静岡のビク石ではみなみらんぼうにも会ったよ!」
Oじろー氏「今おいくつなんですか?」
寅「60になるけど、もう山も40年登ってるなぁ」
再び歩き始め、右から「なだらかコース」の分岐を合わせて杉や桧の林に入る。
寅さんとも歩きながら山の色んな情報や知識を教えて頂いたが、私達の遅いペースにしびれを切らしたのか、ここで
寅「じゃ、先行くね!」
と、先行して行った。
登山道は一旦林道に出て、10分ほど歩くと広い馬王平に到着。
(目の前にこんもりとした八高山がある)
陽当たりの良い馬王平でしばし休憩した後、山頂に向け急な杉桧林を登って行く。
電波中継所の大きな反射板を過ぎ、樹齢がかなりありそうな杉の大木を見上げながら行くと白光神社があった。
今日の無事下山を祈り、手を合わせて行く。
(白光神社付近、杉の大木)
白光神社からほんのひと登りで八高山山頂に到着。
標高は832mと低いが、れっきとした一等三角点のある山だ。
北には真っ白い雪を被った聖岳、手前に大無間山、東の富士山はガスに覆われて見えないものの手前の山並みが綺麗に見えた。
(こらっ!君の記念写真ではないのですよ…)
(山頂の展望写真。クリックで拡大)
南面も少しガスっているが、浜松市街や遠州灘も見えている。
狭い山頂で15人ほどの中高年がそれぞれに昼食を取っていた。
寅さんもピーナッツパンをかじりながら、今度は別な人を捕まえ話しをしている。
私達も少し戻った陽当たりの良い斜面で昼食。
カンパーイ!
(先週の猫越岳で食べそこねた鍋焼きうどんの昼食)
既に昼食を終えた寅さんが帰り際に立ち寄り
「おぉ~、美味そうなもん食ってんなぁ~」
と笑っている。
「またどこかの山で会いましょう!」と、別れの挨拶を交わすと
「じゃっ!」
と手を上げて、いきなり走って下山していった。
私もあんな60才になりたいと思った。
と同時に、まだまだ私も暢気に癒しを求めてちゃいかんな!攻めの人生にしなくちゃいかんな!と、なんだかとても元気を貰った気がする。
今日は風も無く穏やかな天気。
ほろ酔い気分にお腹も満たされ最高の昼寝日和。
こういう山登りがしたかったんだよなぁ~と、先ほどの寅さんへの気持ちとはウラハラに1時間近く爆睡。
目が覚めた時には、どこで寝ていたのかも分からなくなり
(うわっ!やべっ!今日、山の約束してたんだっけ!!)
と、飛び起きてしまった。
身支度を整え、誰もいなくなった山頂で記念撮影
少しガスが出て来た中、13:45下山開始。
標高が低くコースタイムも短かったため甘くみていたが、降ってみると結構な急斜面だった事に気付く。
馬王平を過ぎ、杉林に入ると「急斜面コース」と「なだらかコース」の分岐。
登りに急斜面コースを使ったので、降りはなだらかコースを使う事にする。
尾根を左から巻いて進む道は雑木林が多く、シロタモ、イヌガミ、ケンポナシ、リョウブ、ヒメシャラ、アセビ、コナラ、シラカシ、アカガシ、モミ、ツガ、カゴノキ、ケヤキ…等々、沢山の木々が見られた。
と言うか、これだけ木の名前を知っている私は素晴らしいな!と、自画自賛である。
が…、これらは全て看板が取り付けられていたものだf(^^);
北へ北へと向かって降り、本当に合っているのか心配になるころ道は大きく右に曲がって降って行く。
民家が見えて来たところで茶畑の脇を通り、登山口到着。
大井川鉄道沿いの車道を15分ほど歩いて福用駅到着。
おつかれやまぁ~!
今回の八高山山行。久々に陽溜まりでゆっくり昼寝を楽しめた良い山行だった。
全面杉桧林になっているかと思ったが思いのほか雑木林も多く、なだらかコースからの降りは気持ちの良い道だった。
しかし…、山の印象より寅さんのインパクトの方が大きくて余り記憶にない(笑)
ちなみに下山後、川根温泉に立ち寄ると、またまた寅さんに遭遇した。
目が合った途端、ニカッ!と笑い
「もう3時間も入ってるよ!」と言う。
どこまでタフなんだろうか…、寅さん。
(同行者)チェブラーシカ氏、Oじろー氏、KANIYO氏
(立ち寄り湯)川根温泉ふれあいの泉¥500 評価★★☆☆☆
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洗い場も多く露天の種類も豊富
いつも混雑しているのがいただけない
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