大阪ボランティア協会・事業レポート

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裁判員ACT通信 11号 裁判員交流会報告「証拠に確信が持てない難しさ」&「見て、聞いてわかる裁判を」

2014-08-22 11:45:02 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
//////////////////■□ 裁判員ACT通信 11号 □■//////////////////

 8月2日(土)、今年3回目の裁判員交流会を開催しました、
今回は、ゲストの裁判員経験者Aさんと安原浩弁護士のお話を中心に意見交換。
予定時間を超えて3時間半、濃い~話が交わされました。

●証拠に確信が持てない難しさ

 Aさんは2013年2月、名古屋地裁で裁判員を務めました。フランス人の女性が
中部国際空港に覚醒剤3.1キログラムを持ち込んだ事件で、女性は武装した
ナイジェリア人から「友人や家族に危害を加える」と脅されて運んだと主張。
 アフリカやフランスで起こった事を確認できる証拠がないことや、法廷での
通訳が的確でない印象を持ったこと、調書は評議室に1冊置かれていたものの、
分厚い書類を読む時間はなかったことなど、Aさんは「これだけの証拠だけで
判断するのは難しい」と感じたそうです。
 検察官の求刑は13年で、弁護士は5年を主張。「脅された」という被告人の訴え
は信用できず、報酬目的で持ち込んだという結論になり、8年の判決になりました。
 「懲役はなぜ年単位なのか、裁判長に質問したが明確な答は聞けなかった。
判例から3.1キログラムは多いらしいとわかったが、納得できる基準を持たない中で
出した結論が正しいのかどうか、答が出ない」と、感想を話してくださいました。
 証拠や評議の感想の他、「10日間の予定を空けて裁判所に行き、抽選でもれて
選任されない場合、ふつうの会社員は対応が難しい」など、選任手続きについての
意見や疑問もあったそうです。



●見て、聞いてわかる裁判を

 安原浩弁護士は、「Aさんは難しい裁判を担当されたと思うが、普通の裁判と
違い裁判員裁判の法廷が緊迫しているのは素晴らしいこと」とコメント。
 弁護士として裁判員裁判を担当された経験から、「裁判員は一生に一度の体験
なので法廷での話をよく聞き、真剣に考えている。検察官や弁護士が証拠に
基づかないことや不合理なことを言うと納得しない。検察官、弁護士が証拠に
基づいてわかりやすい説明ができているか、力量が問われることになる」。
 また、元裁判官の立場から、「若い裁判官は誘導しないように自分の意見を
言いながらも,裁判員の意見を引き出すように努力している」と実情を紹介して
いただきました。


★次回の裁判員交流会は10月4日(土)に開催します。
詳しくはお問い合わせください。

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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html
★フェイスブック
https://www.facebook.com/pages/裁判員act-裁判への市民参加を進める会/153869441396369?ref=hl
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★裁判員ACTの提言(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwk2ee2Dqe0
http://www.youtube.com/watch?v=oewPvijMXB8
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60
 
 メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
 月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
 飛び入り参加も歓迎です♪

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