大阪ボランティア協会・事業レポート

大阪ボランティア協会で実施した事業・イベントの報告を掲載しています。

裁判員ACT通信39号 ~第一回森岡cafe(2016年6月17日)の報告~

2016-08-25 17:03:43 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
///////////////■□ 裁判員ACT通信39号 □■///////////////////

 リオオリンピックにパラリンピック、高校野球とスポーツの夏ですね。
それにしても、毎日、非常に暑いです。皆様お元気でいらっしゃいますか。
 今回は第一回森岡cafe(2016年6月17日)の報告です。今回は裁判員経
験者の松尾悦子さん(裁判員経験時 30歳代、会社員)のお話を聞くことが
できました。裁判の感想やご意見など、松尾さんのお話を紹介します。
(なお、森岡cafeとは、裁判員ACTメンバーの森岡が司会進行を務める「裁
判員経験者交流会」および「裁判員制度について語り合う会」です。)



―担当した裁判はどのような内容ですか。
 2010年10月に仙台地裁で行われた7日間の裁判。30代の被告人が共犯者
と2人で被害者から金を奪った上で殺害したという強盗殺人事件だった。ただ
し、被害者の遺体は見つかっておらず、裁判で見た証拠は遺体を埋めたとさ
れる穴の写真だけというミステリー小説のような遺体なき殺人事件だった。被
告人は、「殺害する計画は知らなかった」と否認していた。被告人が共犯者と
殺害する話し合いをしたのか、殺害行為をしたのかなどが争点だった。
 検察官は強盗殺人罪で無期懲役を求刑、弁護人は「有期刑を」と主張。松
尾さんたちは、殺人の共謀は否定し強盗致死にとどまると判断して懲役15年
の判決を出した。

―裁判で印象に残ったことや、感想を教えて下さい。
 当時の職場には裁判員の特別休暇があり参加しやすい環境だったが、他の
裁判員には有給休暇をとって参加している人もおり、裁判中も仕事の連絡をし
ているような様子もあった。
 ギャングだというので、こわもての人を想像していたけれど、被告人はジャケ
ット羽織ってきちんとした服装の人だった。
 私は、疑わしきは罰せずなどのルールの説明を事前に裁判所から聞いたが、
裁判が終わって他の事件の裁判員経験者から、ルールの説明を十分に受け
なかったという話を聞いて驚いた。裁判のルールを知らない人もいると思うの
で最初に説明をしてもらう必要があると思う。
 裁判官は、意見の誘導はなかったが、タイムキーパーにはなっていたと思う。

―事件は、裁判員裁判初の「やり直し」になりましたね。
 (検察が控訴して翌年,裁判員裁判の一審判決が破棄され、量刑の見直しで
はなく裁判そのもののやり直しとなった。新たに裁判員が選任され、証人尋問
や被告人質問など一審DVD映像を見ての審理が行われた結果、検察の求刑
通り無期懲役の判決が出た。被告人がこれに対して控訴し、高裁はやり直しの
裁判員裁判判決を破棄、懲役15年の判決。最終的に初めの判決通りで確定し
た。)
 判決については、私達の判断に自信を持っていた。あれだけ評議をつくして
考えて、自信がありません、違いますとはいえない。
 裁判の差し戻しを聞き、やりきった感を持っていたのに、一気にテンション下
がった。やり直しの裁判の裁判員は、生の証言を聞かずにDVD映像を見るだ
けの裁判。しかも、やり直しということで前と違う結論を出さないといけないプ
レッシャーがあったかもしれない。彼らは自分たちの出した判決を破棄された
ことに対しても、徒労感があったのではないかと思う。
 判決が確定した時、被告人が、「最初の裁判員裁判と同じ主張が通ったから、
もういい」と上告を取り下げたと記事で知り、嬉しかった。

―メディアの取材を受けたり、シンポジウムなどに登壇したり、裁判員の経験を
積極的に話しておられるのは、どのような気持ちからですか?
 裁判員を務めたと話した時の周囲の反応が、怖いといった否定的なものが多
かったので、それを払拭したかった。とりあえず行ってみようというふうになって
ほしい。
 裁判員の経験は楽しかった。「せっかく当たったのだから、この経験を発信し
ない手はない」と思って話し始めた。ありのままに思うところを話している。家
族や周囲の人とは裁判員というキーワードをきっかけにいろんな話ができる
ようになったと思う。

―制度は最初の頃に比べて良くなったと思いますか? 
 そう変わっていないように思う。私は会社員枠として話しているつもりだが、
会社員が日本人の大多数を占めているのに発言する人が少ない。公の場で
話している裁判員の経験は古いことが多い。最近の裁判の様子がわかれば、
制度が良くなってきているのかどうかわかると思うので、新しい人にどんどん
話してほしい。
 私は、虐待や性暴力の事件、死刑事件なら仮病を使ってでも辞退したと思
う。子どもがいるので、許せないという感情が抑えられなければきちんと判断
ができないし、それは裁判員としてふさわしくないと思った。死刑は元々制度
に反対なのでかかわりたくなかった。
 担当する事件がわかってから、裁判員がこの事件は精神的に無理という気
持ちがあれば辞退できるようになってもいいと思う。「できない」と思いながら
やるのは被告人に対しても失礼で、裁判自体が不幸になる。できると思う人
がやるのがいい。

 松尾さんは、6年前の裁判のことを鮮明に記憶しておられた。それは、前向き
かつ冷静な態度で裁判に向き合っていたことや、その後も取材に応じるなど
繰り返し発言する機会があったことも手伝っているだろう。また、松尾さんが判
決要旨を持っていたことで、裁判の記憶を確認できたことも確かな記憶を保持
するのに役立っているように思われる。
 松尾さんは、評議の終盤で読み合わせに使った10ページにわたる判決文の
下書きを「記念にどうぞ」と持ち帰りを許されたそうだ。
 裁判所が「裁判員が家族や職場に話しやすいように判決要旨を渡すこともあ
る」と聞くが、判決要旨を持っている経験者に出会うことは少ない。メモの持ち
帰りが禁止されていることや、守秘義務を気にせず語り合う環境がないことか
ら、裁判員ACTでこれまで聞き取りをした経験者も、「裁判の記憶ははっきりし
ない」という人が多い。
 松尾さんも言うように、新しい人がどんどん裁判員裁判を語るためにも、裁判
員に選ばれたら「判決文がほしい」と声に出してほしい
(裁判員ノートhttp://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60参照)。裁判
所はぜひ、判決要旨を裁判員に提供してほしい。

2016年10月23日(日)には連続セミナー第3回があります。
 「彼はどう裁かれたのか~裁判員裁判見えてくる社会的孤立~」
講師:池田直樹氏(大阪弁護士会)です。
 セミナー開催場所は、市民活動スクエア「CANVAS谷町」(大阪市中央区谷町
2丁目2-20 2F)です。参加費は、1000円(当日払)です。
 セミナーへの参加申し込みは①ホームページから、または、②本メールに添付
しておりますチラシのフォームに記入の上、FAXにてお願いいたします。皆様とご
一緒できることを楽しみにしております。




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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
事務局:〒540-0012
大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F 市民活動スクエア「CANVAS谷町」
(福)大阪ボランティア協会 “裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会(担当:永井)
Email: office@osakavol.org
URL: http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html

★フェイスブック
https://www.facebook.com/saibaninact.osakavol
★事業報告ブログ
http://blog.goo.ne.jp/osakavol-report/c/75d41997315d8237933718b371a797bf
★裁判員ACTの提言(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwk2ee2Dqe0
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60&feature=youtu.

メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
裁判員ACT通信へのご意見・ご感想もお待ちしております。
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裁判員ACT通信38号 ~彼はどうして罪を犯してしまったのか~

2016-07-22 20:45:09 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
///////////////■□裁判員ACT通信38号□■///////////////////

 18歳から選挙権が認められて初めての選挙となりました第24回参議院議員選挙も終了し、蒸し暑い毎日です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 裁判員ACTでは、今年度、全3回の連続セミナー「裁判員裁判から見えてくる社会的孤立とその課題」を6月、8月、10月に開催いたします。6月のセミナーでは40人程度の方にセミナーおよびグループトークにご参加いただき誠にありがとうございました。また、12月には、裁判員経験者と一緒に裁判員制度について考える恒例の学習会も開催いたします。本メール最後に申込方法を掲載いたしますので、是非ご参加ください。

 さて、6月のセミナーでは「彼はどうして罪を犯してしまったのか~社会的孤立と刑事司法~」と題しまして、大阪弁護士会の辻川圭乃氏を講師に、知的障害などのある人がなぜ犯罪行為を行ってしまうのか、罪に問われるとき、刑事司法でどのような立場に置かれているのか、いかなる支援が必要かという問題について、3つの事例を紹介してもらい、犯罪行為に至った経過や事件の詳しい内容をお話いただきました。それに加えて、辻川弁護士が携わっている「大阪モデル」についての説明もしていただきました。

 事例①は現住建造物放火未遂事件。この事件を起こした男性はてんかんであることはわかっていましたが、知的障害があることがわかっておらず適切な支援が受けられなかったことが事件の背景にありました。
 事例②は殺人未遂。この事件を起こした女性は、父親が認知症を患い成年後見人がついたときに、父親からの経済的援助がなくなると絶望し、特に疾患を抱えていない成人したわが子を殺し自分自身も自殺しようと考え、わが子の頭を金づちで殴り怪我をさせました。精神疾患がありながら通院しておらず、事件を起こす前に適切な支援があれば、生活保護を受給したり、病院で投薬を受けるなどすることで事件を未然に防げたのではないかと考えられました。
 事例③は殺人事件。この事件を起こした男性は小学生のときのいじめが原因で引きこもりになり、30年間引きこもり続けていました。援助してくれていた姉に自立(生活保護受給)を求められ、姉を殺害しました。精神鑑定の結果、アスペルガー症候群と診断され、二次障害として強迫性障害及び恐怖症性不安障害を有していました。福祉とつながるきっかけが全くなかったわけではないのですが、結局福祉とつながることができなかったことが事件に繋がりました。

 今回の3つの事例では、事件に至るまでに適切な支援が得られなかったことが犯罪に繋がりました。辻川弁護士によると、障害者が加害者となる事件では、その前にいじめや虐待、消費者被害などの被害に必ずあっているとのこと。精神疾患や知的障害を抱えていない人ならば早い段階でSOSを出すところ、障害のせいで助けを求められず悪循環に陥ってしまうことが多く、結果として、重大な事件に発展してしまったそうです。
 辻川弁護士は、障害がなければ事件はなかったと考えるが、単に障害があるから刑を軽くしてくれとは言わない、けれども障害があることで刑を重くすることは絶対にしないで欲しいと裁判員に訴えたいとのこと。

 また、大阪弁護士会では、障害者は自己防衛力が低いことに鑑み、2011年11月から被疑者・被告人に障害があると分かった場合に研修を受けた弁護士を派遣する制度を開始しました。さらに2014年6月からは、大阪弁護士会と大阪社会福祉士会または大阪府地域生活定着支援センターが連携して、いわゆる入口支援(刑事施設入所前の支援)を「大阪モデル」として弁護士会自体のシステムとして運用しています。辻川弁護士は事件を繰り返し起こしてしまうのはその人が反省していないからではなく、その背景にある、病気や障害、貧困、消費者被害に対応した支援に繋がる環境がないからであって、環境調整を行うことで結果として繰り返さなくなると説明されました。このような取り組みはまだ始まったばかりであり、司法と福祉の連携は今後ますます求められると感じました。

 グループトークでは5つのグループにわかれ、今日のセミナーの感想や講師への質問、日頃の活動や感じていることなどを自由に話してもらいました。最後に各グループからその内容を発表してもらい全員で共有しました。




 次回は2016年8月21日(日)
 「彼は社会に出たあとどうしているのか~出所者雇用の取組み~」
講師:岡本昌宏氏
(セリエ・コーポレーション社長、NPO法人なんとかなる(申請中)代表理事、職親プロジェクト)
 出所者の支援についてお話いただき、刑余者の社会復帰のあり方について考えます。

 セミナー開催場所は、市民活動スクエア「CANVAS谷町」(大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F)です。参加費は、1000円(当日払)です。
 セミナーへの参加申し込みは①ホームページから、または、②本メールに添付しておりますチラシのフォームに記入の上、FAXにてお願いいたします。皆様とご一緒できることを楽しみにしております。
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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
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大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F 市民活動スクエア「CANVAS谷町」
(福)大阪ボランティア協会 “裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会(担当:永井)
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メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
裁判員ACT通信へのご意見・ご感想もお待ちしております。
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裁判員ACT通信37号 連続セミナー「裁判員裁判から見えてくる社会的孤立とその課題」の開催告知(再)

2016-06-11 13:28:27 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
//////////////■□ 裁判員ACT通信37号 □■//////////////

 伊勢志摩サミットが無事に終わり、二週間が経とうとしています。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
 裁判員ACTでは、今年度、全3回の連続セミナー「裁判員裁判か
ら見えてくる社会的孤立とその課題」を6月・8月・10月に開催い
たします。また、12月には、裁判員経験者と一緒に裁判員制度につ
いて考える恒例の学習会も開催します。既にお申込みいただいた皆様
ありがとうございます。会場の都合により定員数を設けておりますの
で、若干名となる残席を受付けております。詳しくは本メールに再度
添付いたしますチラシをご参照下さい。




 裁判員ACTは裁判員制度とともに7年間活動を続けています。ACT
メンバー内で裁判員制度そのものを見つめ考える視点と、セミナーや
学習会などで参加者を募り社会や司法の色々な問題について考える
場を提供してきました。今年度のテーマは、誰もが身近に感じられる
福祉や社会復帰などに焦点を当て、なぜ犯罪は起きるのか、私たちは
どう向き合えばいいのかを、連続セミナーを通じて実例の犯罪から原
因を考察し、社会の課題を皆さんと一緒に考えていきたいと思ってい
ます。

連続セミナーの内容は、下記のとおりです。
第一回:2016年6月19日(日曜日)14時~16時半
「彼はどうして罪を犯してしまったのか~社会的孤立と刑事司法~」
講師:辻川圭乃氏(大阪弁護士会)
内容:知的障がいなどのある人がなぜ犯罪行為を行ってしまうのか、
罪に問われるとき、刑事司法でどのような立場に置かれているのか、
いかなる支援が必要かという問題について、お話し頂きます。

第二回:2016年8月21日(日曜日)14時~16時半
「彼は社会に出たあとどうしているのか~出所者雇用の取組み~」
講師:岡本昌宏氏(セリエ・コーポレーション社長、
NPO法人なんとかなる(申請中)代表理事、職親プロジェクト)
内容:刑務所を出所後、円滑に社会復帰するためには、就労、教育、
住居などの支援が必要です。民間で出所者の支援を続けてこられた
立場から、出所者の支援についてお話し頂き、刑余者の社会復帰の
あり方について考えます。

第三回:2016年10月23日(日曜日)14時~16時半
「彼はどう裁かれたのか~裁判員裁判から見えてくる社会的孤立~」
講師:池田直樹氏(大阪弁護士会)
内容:裁判員裁判で審理される事件の中には、加害者側の社会的な
孤立がその背景にあったのではないかと考えられるものがあります。
介護疲れからの無理心中事件や、児童虐待事件などのほか、障がい
者が殺人行為をしてしまう場合もあります。具体的な事件をとおし
て、私たちはどのようにこれらの犯罪や裁判員裁判に向き合うべき
かを考えます。

 セミナーの開催場所は、市民活動スクエア「CANVAS 谷町」大会
議室(大阪市中央区谷町2 丁目2-20 二階)です。参加費は、
各1,000 円(当日払)ですが、第1~3回にすべて参加の方は初回
に3,000 円頂戴し、公開学習会(12/3に開催します・後述)の受講
料を500 円にいたします。大阪ボランティア協会の個人会員は、第
1~3回をすべて参加の場合、2500 円です。

 上記の連続セミナーのほか、以下の公開学習会を予定しています。
公開学習会:2016年12月3日土曜日 13時半~17時
「私たちは裁判員制度にどう向き合うか~裁判員経験者たちの思い」
講師:裁判員経験者数名その他(調整中)
参加費:1000円

 以上の連続セミナーおよび公開学習会への参加お申し込みは、
①ホームページから、
又は②本メールに添付しておりますチラシのフォームに記入のうえ、
FAXにてお願いいたします。
 皆様とご一緒できることを楽しみにしております。


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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
事務局:〒540-0012
大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F 市民活動スクエア「CANVAS谷町」
(福)大阪ボランティア協会“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会(担当:永井)
e-mail: office @osakavol.org
URL: http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html

★フェイスブック
https://www.facebook.com/saibaninact.osakavol
★事業報告ブログ
http://blog.goo.ne.jp/osakavol-report/c/75d41997315d8237933718b371a797bf
★裁判員ACTの提言(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwk2ee2Dqe0
http://www.youtube.com/watch?v=oewPvijMXB8
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60

メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
裁判員ACT通信へのご意見・ご感想もお待ちしております。
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裁判員ACT通信36号 裁判員法施行7年を迎えて

2016-05-21 19:54:41 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
//////////////■□ 裁判員ACT通信36号 □■//////////////

裁判員法施行7年を迎えて
                  西 村  健
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)が成立したのが
2004(平成16)年5月28日、施行されたのが2009(平成21)年5月
21日である。今年2016(平成28)年5月21日で、施行後7年が経過
したことになる。法律成立後からは約12年である。
2001(平成13)年6月12日付の司法制度改革審議会報告書
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report/ikensyo/pdf-dex.html
で裁判員制度導入が提案されたが、それからすると約15年である。
裁判員裁判という用語もほぼ定着し、日常化している。

弁護士会や私は、裁判員制度導入前、日本に市民参加制度を導入した
場合、必ずうまくいくと主張してきた。しかし、頓挫の危惧感が全くなかっ
たかといえばうそになろう。戦前の陪審は、1928(昭和3)年から施行
されたが、実施件数が減少傾向にあったからである。また、戦争が理由
とはいえ、約15年後の1943(昭和18)年に停止された。そして、何より
も、あの敗戦必至の状況で停止された際にでも戦争終了後の復活が
予定されていたが、民主憲法となり、裁判所法でも陪審復活が予定され
たものの、約60年にわたり市民参加制度が導入されなかったからである。
日本人は、それほど、市民参加制度に抵抗感を有しているのかという
危惧感である。しかし、全くの杞憂であった。おおむね順調に推移してい
ると言えよう。そして、社会の在り方を考える大きな動力にもなりつつある。

ただ、裁判所への出席率が減少し、他方、裁判員の辞退率が上昇する
http://www.saibanin.courts.go.jp/vcms_lf/h28_2_saibaninsokuhou.pdf
など、参加程度が気になる状況にある。しかし、例えば、当初と比較して
長期審理の裁判が増えてはいるので、3日程度までの審理の場合と
比較して、ある程度下がるのはやむを得ない。他方、参加したくてもでき
ない人も一定数存在するのであろう。例えば、就業先の理解が得られ
ない、育児介護を任せる人がいない等である。これらは、勤労や福祉等
の在り方とも密接に関連しており、その原因分析や対策が必要となって
いる。これらの改善は、日本の社会の在り方そのものの改善にもつなが
るであろう。

次に、高裁・最高裁で無期となった死刑判決が3件あったり、最高裁で
減刑された求刑超え判決もあるなど、不適切な重罰化傾向にあるので
はないかとの印象も否定できない。他方、仮に重罰化だとしても、国民
の意見が反映された結果であって、むしろ従前が軽すぎたのではないか、
また、裁判官だけで判断する上訴審で裁判員裁判の量刑を否定すること
はおかしいのではないかという意見もあろう。ただ、少なくとも言えることは、
裁判員裁判が導入されたからこそ、広く国民の間で量刑の在り方について
議論されるようになったということであろう。ルール違反に対してどのような
罰が適切なのか社会全体で考えていくということも、日本の社会の在り方
そのものと関連する。

このように課題はあるものの、今後も試行錯誤、改善改革を重ねながら、
裁判員制度は運営されていくであろう。その際の基本は、私たち自身が
この社会を支えていく、そのことに責任を持つ、裁判員制度を通じて
社会の在り方をも考えていくという点にあろう。市民参加制度導入の
是非を議論していた司法制度改革審議会のヒアリングにおいて、
四宮啓弁護士は、「陪審制というのは大きな車輪ですから、動かすには
最初の動力が必要です。大変だと思います。しかし、この審議会でその
最初の動力を与えていただければ、法曹三者や国民や研究者の方々の
協力をいただいて、必ずうまく動かすことができると思います。
国民を信頼する司法というのは、必ず国民からも信頼されると私は思い
ますし、国民を信頼する国というのは、必ず国際的にも信頼される国だ
と思っています。」と述べた
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai30/30gijiroku.html )。
審議会の大勢を、評決権ある市民参加制度導入に傾けさせた重要な
発言であった。今後も、裁判員ACTが、車輪を動かす大きな動力となり、
活動を拡大継続することを願ってやまない。

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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
事務局:〒540-0012
大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F 市民活動スクエア「CANVAS谷町」
(福)大阪ボランティア協会“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
(担当:永井)
e-mail: office @osakavol.org
URL: http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html
★フェイスブック
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http://www.youtube.com/watch?v=oewPvijMXB8
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60
メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
裁判員ACT通信へのご意見・ご感想もお待ちしております。
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裁判員ACT通信35号 裁判員ACT:連続セミナー開催のお知らせ

2016-04-21 19:56:14 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
//////////////■□ 裁判員ACT通信35号 □■//////////////

 新年度が始まりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 裁判員ACTでは、今年度、全3回の連続セミナー
「裁判員裁判から見えてくる社会的孤立とその課題」を6月・8月・10月に
開催いたします。
また、12月には、裁判員経験者と一緒に裁判員制度について考える
恒例の学習会も開催します。
チラシを本メールに添付いたしましたので、ご参照下さい。





裁判員ACTは、裁判員制度が始まってから7年の間、活動を続けてきました。
裁判員制度という視点から、社会や司法の色々な問題について考える場を
提供してきました。これまでの活動を通し、裁判員を体験した人から
様々な声を聞きました。中でも多く聞かれたのは、「犯罪はなぜ起きてしまうの」
「犯罪者となった人は裁判の後はどうなるの」「どのように社会復帰していくの」
という声でした。
司法は社会の縮図です。特に刑事司法は社会のひずみや歪みを
そのまま反映しています。本来は福祉や教育によって対応されねばならないような
社会問題への対応がうまくなされず、その結果としてセーフティネットから
漏れた人々が社会的に孤立して逸脱行動に走り、犯罪者とされてしまうという構図が
存在します。いったん刑務所に入ると、問題に適切に対応する体制が
不十分であるがために、出所後の社会復帰がスムーズに行われにくくなっている
という状況もあります。
そこで今年度は、連続セミナーを通して、実際の事件などから
犯罪の原因を考えます。そして、社会の側がどのように刑事裁判や犯罪に
取り組むべきなのかという課題を様々な視点から考えていきたいと思っています。

連続セミナーの内容は、下記のとおりです。
第一回:2016年6月19日(日曜日)14時~16時半
「彼はどうして罪を犯してしまったのか~社会的孤立と刑事司法~」
講師:辻川圭乃氏(大阪弁護士会)
内容:知的障がいなどのある人がなぜ犯罪行為を行ってしまうのか、
罪に問われるとき、刑事司法でどのような立場に置かれているのか、
いかなる支援が必要かという問題について、お話し頂きます。

第二回:2016年8月21日(日曜日)14時~16時半
「彼は社会に出たあとどうしているのか~出所者雇用の取組み~」
講師:岡本昌宏氏(セリエ・コーポレーション社長、
NPO法人なんとかなる(申請中)代表理事、職親プロジェクト)
内容:刑務所を出所後、円滑に社会復帰するためには、就労、教育、住居などの
支援が必要です。民間で出所者の支援を続けてこられた立場から、
出所者の支援についてお話し頂き、刑余者の社会復帰のあり方について考えます。

第三回:2016年10月23日(日曜日)14時~16時半
「彼はどう裁かれたのか~裁判員裁判から見えてくる社会的孤立~」
講師:池田直樹氏(大阪弁護士会)
内容:裁判員裁判で審理される事件の中には、加害者側の社会的な孤立が
その背景にあったのではないかと考えられるものがあります。
介護疲れからの無理心中事件や、児童虐待事件などのほか、障がい者が
殺人行為をしてしまう場合もあります。
具体的な事件をとおして、私たちはどのようにこれらの犯罪や裁判員裁判に
向き合うべきかを考えます。

 セミナーの開催場所は、
市民活動スクエア「CANVAS 谷町」大会議室(大阪市中央区谷町2 丁目2-20 二階)です。
参加費は、各1,000 円(当日払)ですが、
第1~3回にすべて参加の方は初回に3,000 円頂戴し、
公開学習会(12/3に開催します・後述)の受講料を500 円にいたします。
大阪ボランティア協会の個人会員は、第1~3回をすべて参加の場合、2500 円です。
 
上記の連続セミナーのほか、以下の公開学習会を予定しています。
公開学習会:2016年12月3日土曜日 13時半~17時
「私たちは裁判員制度にどう向き合うか~裁判員経験者たちの思い」
講師:裁判員経験者数名その他(調整中)
参加費:1000円

以上の連続セミナーおよび公開学習会への参加お申し込みは、
①ホームページから、
又は②本メールに添付しておりますチラシのフォームに記入のうえ、FAXにて
お願いいたします。皆様とご一緒できることを楽しみにしております。

今年度も、裁判員ACTをよろしくお願いいたします。

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★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
事務局:〒540-0012
大阪市中央区谷町2丁目2-20 2F 市民活動スクエア「CANVAS谷町」
(福)大阪ボランティア協会“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会(担当:永井)
e-mail: office @osakavol.org
URL: http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html

★フェイスブック
https://www.facebook.com/saibaninact.osakavol
★事業報告ブログ
http://blog.goo.ne.jp/osakavol-report/c/75d41997315d8237933718b371a797bf
★裁判員ACTの提言(you
tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwk2ee2Dqe0
http://www.youtube.com/watch?v=oewPvijMXB8
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60

メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
裁判員ACT通信へのご意見・ご感想もお待ちしております。
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