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アグリーガール

2015-07-12 17:02:06 | YA・アメリカ

「アグリーガール」 作:ジョイス・キャロル・オーツ 訳:神戸万知 発行:株式会社理論社

4652077416 アグリーガール
ジョイス・キャロル オーツ Joyce Carol Oates
理論社 2004-05

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昼休みにふざけて言った言葉が仇となって
警察の取り調べを受ける羽目になったマット。
そのマットをかばってくれたのは、
「アグリーガール(みにくいオンナの子)」、アーシュラ。
ほとんど接点がなかった二人だったが、
アーシュラの正義の心が(?!)燃え上がり、
二人を急速に結びつける。
マットに次々と訪れる危機を、
クールなアグリーガールが、ホットに解決していく。

ちょっとあらすじはおおげさすぎたかな。
この本、原題が Big Mouth & Ugly Girl となっていて、
Big Mouth=マットと、Ugly Girl=アーシュラという
二人の主人公の物語、というわけなのである。
一見クールで超然としているが、実はホットな部分も持っている
アグリーガール・アーシュラの存在がとても大きく、
物語の中で輝いている。
一方のマットは、優等生だがお調子者の一面があり、
そのため苦しい思いをすることになる。
爆破テロの疑いは解けたものの、父親が学校を訴えたため、
学校中からひんしゅくを買い、リンチまで受ける。
…といった具合でマットのほうは悲惨な状況ばかり。
邦題が「アグリーガール」だけなのも仕方ないかもね。

オーツの本は2冊目(というかヤング向けは2冊だけか?)
だけど、これはとてもおもしろく読めた。
ストーリーがまずおもしろく、アグリーガールの振る舞いがとてもすてきだ。
マットの苦しい心情もしっかり描かれていてよろしい。
やっぱり若い人に読んでもらいたい本だ。
もちろん大人が読んでも感動します。
おすすめですね。


" Big Mouth & Ugly Girl" by Joyce Carol Oates (2002)



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