「ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発」 作:大塚敦子 発行:株式会社講談社
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2014年7月、GMaC(ギヴ・ミー・ア・チャンス=ぼくにチャンスを)と呼ばれるプログラムが、
千葉県にある八街少年院でスタートしました。
非行を犯して少年院に送られた少年たちが、動物愛護センターなどに保護された「保護犬」を訓練する。
その経験をとおして、一度は社会からドロップアウトした少年たちが、少しずつ変わっていきます--。
3か月におよぶプログラムに密着し、少年たちと犬との温かい交流を描く渾身のルポルタージュ!
〈小学上級・中学から〉
(HPから)
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以前「犬が来る病院」という本を読みましたが、その作者の大塚さんが書いた、
やはり犬と人との交流を描いた本になります。
「非行をして少年院に送られた少年たちが、なんらかの事情によって捨てられたり、
手放されたりして動物愛護センターなどに保護された「保護犬」を訓練する。
少年たちの手でよい家庭犬となるための基本的な訓練を受けた犬たちは、
希望する家庭に引き取られる。
このプログラムは、捨てられた犬たちを救うこと、そして、犬を救う過程を少年たちに担ってもらうことで、
彼らに社会復帰のきっかけをつかんでもらうことをめざしている。
また、このプログラムは少年院の中だけで完結するのではなく、
社会から一時退場させられている少年たちと社会をつなぐため、
週末は地域のボランティア家庭に犬たちを預かってもらい、
少年たちと日誌を介して交流してもらう。
彼らが訓練した犬を引き取る「セカンドオーナー」にも、少年たちに手紙を書いてもらう。
つまり、一般社会の人びとにも、犬を介して少年たちとかかわることで、
少年院にいる少年たちへの理解とサポートを深めてもらいたい――。
そんな願いを込めて創ったプログラムなのだ。」
手放されたりして動物愛護センターなどに保護された「保護犬」を訓練する。
少年たちの手でよい家庭犬となるための基本的な訓練を受けた犬たちは、
希望する家庭に引き取られる。
このプログラムは、捨てられた犬たちを救うこと、そして、犬を救う過程を少年たちに担ってもらうことで、
彼らに社会復帰のきっかけをつかんでもらうことをめざしている。
また、このプログラムは少年院の中だけで完結するのではなく、
社会から一時退場させられている少年たちと社会をつなぐため、
週末は地域のボランティア家庭に犬たちを預かってもらい、
少年たちと日誌を介して交流してもらう。
彼らが訓練した犬を引き取る「セカンドオーナー」にも、少年たちに手紙を書いてもらう。
つまり、一般社会の人びとにも、犬を介して少年たちとかかわることで、
少年院にいる少年たちへの理解とサポートを深めてもらいたい――。
そんな願いを込めて創ったプログラムなのだ。」
長い引用になりました。
本では(当然のことながら)、犬に訓練を与える少年たちの姿、そして少年たちが苦闘しながら、
少しづつ変わっていく姿が描かれます。
訓練は本格的なもので、命令の言葉は英語だし、歩き方やジャンプまで訓練するのです。
自分も犬を飼ったことがありますが、お手やおまわり程度しかできなかったし、
それで困ったことはあまりなかったので、「ここまでしないかんのかな?」とは思いました。
おそらく、「少年たちの訓練」という側面もあるから、訓練もきちんとやるんでしょうね。
本では(当然のことながら)、犬に訓練を与える少年たちの姿、そして少年たちが苦闘しながら、
少しづつ変わっていく姿が描かれます。
訓練は本格的なもので、命令の言葉は英語だし、歩き方やジャンプまで訓練するのです。
自分も犬を飼ったことがありますが、お手やおまわり程度しかできなかったし、
それで困ったことはあまりなかったので、「ここまでしないかんのかな?」とは思いました。
おそらく、「少年たちの訓練」という側面もあるから、訓練もきちんとやるんでしょうね。
親から暴力を受け、人に頼れなくなった少年が、訓練で変わった。
「けっこう楽になったんです、人と接するのが。まえは自分でやんなきゃって思ってたから、
でも、いまは頼ってもいいんだなっていうか。
自分でどうしようもないときは素直に認めて、親とか仕事関係とか帰住先とか、
大変になるときがあると思うんで、そんときは素直に助けてって言えると思う」
人は変われる。人は犬の前で素直な自分に出会うのである。
「けっこう楽になったんです、人と接するのが。まえは自分でやんなきゃって思ってたから、
でも、いまは頼ってもいいんだなっていうか。
自分でどうしようもないときは素直に認めて、親とか仕事関係とか帰住先とか、
大変になるときがあると思うんで、そんときは素直に助けてって言えると思う」
人は変われる。人は犬の前で素直な自分に出会うのである。
ぜひご一読ください。
"Give Me a Chance" by Atsuko Otsuka(2018)