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ハーレムの闘う本屋

2016-07-31 17:21:02 | YA・アメリカ
「ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯」 作:ヴォーンダ・ミショー・ネルソン 訳:原田勝 発行:株式会社あすなろ書房
 
4751527525 ハーレムの闘う本屋
ヴォーンダ・ミショー・ネルソン R・グレゴリー・クリスティ
あすなろ書房 2015-02-25

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1939年、ニューヨーク7番街に、
風変わりな書店が誕生した。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。
黒人が書いた、黒人についての本だけを売る店。
「ニグロは本を読まない」と言われていた時代、
世間の嘲笑をよそに、
黒人に本を、そして、知識を広めることに尽力した
ルイス・ミショーの生涯とは……?
 
(カバーから)
 
 
読書感想文コンクールの課題図書である。
ニューヨーク、ハーレムで黒人のための本屋を開いたルイス・ミショーの
幼年期からその死までを描いた、事実に基づくフィクション。
ルイスは、黒人には知識が必要で、そのためには黒人のために黒人が書いた
本が必要だと痛感し、本屋を始めた。
本の冊数が増え、人が集まるようになる。
店の前では黒人活動家が演説を行い、
それを聞くために人が集まる。
ルイスの人柄で人が集まってくるのだ。
本屋はただ本を売るだけでなく、情報の集積地になった。
 
ルイスの言葉(?)を引いておく。
「わたしは、だれの話にも耳を傾けるが、
 だれの言い分でも聞きいれるわけじゃない。
 話を聞くのはかまわないが、
 それをすべて認めちゃいけない。
 そんなことをしていたら、
 自分らしさはなくなり、
 相手と似たような人間になってしまうだろう。
 勢いこんで話してくる人を喜ばせ、
 それでも、決して自分を見失わずにいるには、
 けっこう頭を使うものだ」
なかなか深い言葉で、自分はだれの話でも
無反省に聞いてしまうところがあるので、
耳が痛い。
信念を持って、その信念に基づいて行動する、
そんな人間になりたい…無理だなあ。
 

"NO CRYSTAL STAIR" by Vaunda Micheaux Nelson (2012)


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