触れることすらできぬほど

2010年04月29日 17時24分06秒 | B地点 寄り目ちゃん

 

 

「ああ……凄いなあ」
「今年もまた、花びらのじゅうたんが!」
「綺麗だなあ……!」
「でもね、たぶん、こっち側は、もっと凄いよ」
「そう、僕の後ろの、この塀の、裏側のことさ」
「ほら、ここだよ」
「うわあ、やっぱり……!」
「見てよ、花びらのプールだ!」
「おむさんみたいに、この中を走り回ってみたいな」
「おかか先生みたいに、この中で寝転がってみたいな……」

「でも、それって、なんだか、いけないことのような気もするよ」

「おむさんやおかか先生に遠慮してるんじゃなくてさ」
「こんなに綺麗なんだもの。踏み付けにしたくないんだ」
「余りに崇高だから……見るだけでも許されないような気がする」
「こういう景色は、誰にも知られない所にあるべきなのかも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いちばん美しい日

2010年04月29日 17時17分00秒 | B地点 おかか

 

 

だいぶ陽が傾いてきたな
一年でいちばん美しい日も、もうすぐ暮れる
厳しい冬を、なんとか乗り越えて、
今年も、遂にこの日を迎えることができた
このピンクの絨緞を、来年も見ることができるだろうか……
……いや、そういう考え方は止めよう
どの日も、それぞれに美しいはずだ
毎日が、いちばん美しいのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


お前は俺か

2010年04月29日 15時55分00秒 | B地点 おむ

 

 

オムイ外伝 第三部(武芸帳篇) 第60話



抜け忍、オムイである。
なぜか、顔を隠している……。
「ふッふッふ、見付けたぞ、オムイだな?」
「ツラを隠しても無駄だ! 勝負せいッ」
「おい、こらッ! ツラを見せんか!」
「よかろう。見せてやる……。だが驚くなよ!」
そしてオムイが顔を上げると……
← なんと、こんな顔だった!
「うわああーーーッ!?」
「オ、オムイは俺自身だったのか……!?」
がくっ
「ふッふっふ」

オムイは鏡を見せたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ネガティヴ・シンキング

2010年04月29日 15時45分32秒 | B地点 おかか

 

 

課長 おむ耕作 ファイル12



係長、おかか豊作である。
「うへへへへ……」
「うふふふふ……」
課長、おむ耕作である。

「……さっきから、何を嬉しそうにしてるのかね?」
「あ、課長」
「へへへ。もし、この花びらが全部、一万円札だったら!」
「そう考えると、楽しくて、楽しくて!」
「やれやれ。つくづく君は、楽天家だねえ」
「私は苦労性だから、つい悪い方へ考えてしまうよ」
「この花びらが全部、請求書だったら? なんてね」
「……えっ!?」
「こ、この花びらが、全部、請求書……」
「……」
「ぐはあーーーっ」
がくっ
「君、それはオムイ外伝のネタじゃないか」

「すみません」