バットマンの孤独

 

	正義の味方バットマン。孤高の戦士である。
	「なあバットガール、済まないが、私を一人にしてくれ」
	「……ええ。いいわよ」 「ありがとう」
	バットマンの気持を察したバットガールは、ロビンのもとへ赴いた。
	「どうしたんだい、バットガール？」 「あのね、バットマンは、一人になりたいんだって」
	「そうか。わかるような気がするよ」 「ええ。闘いの後って、孤独になりたいものよ」
	こうして一人きりになったバットマンは……
	「ふふふ。お菓子を一人占めだ」
出演 バットマン ―― 黒金 バットガール ―― サクラ ロビン ―― ゴンちゃん	※バットマンのシリーズ、スペシャルメニューに追加

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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正義の味方の地味な仕事

 

	私は二週間ぶりにG地点を訪れた。するとそこでは、ちょうど草刈り作業の最中だった。
	居たのは、バットマンこと黒金のみ。
	さすがは正義の味方バットマン。皆が安全に避難するのを確認するため、最後まで現地にとどまっていたのだろう。
	例によって、尻尾の先の白い毛を見せ、そしてフェンスの奥へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バットガールの手際

 

	私はバットマン
	今回の敵は、あいつ
	アブラゼミだ、手強いぞ
	あたしにやらせて 大丈夫か、バットガール？
	なんとかやってみるわ
	しゅたっ
	しまった、逃がしちゃった！
	どうもセミません いいんだ、自分をセミるな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

危なかったバットマン

 

	久し振りに、黒金がやってきた。
	それこそバットマンのように、威厳を帯びて、悠々と。
	ところが、この直後、走ってきた自転車にぶつかりそうになってしまった。
	しかも、自転車に乗っていた人に怒鳴りつけられたので、黒金は慌てて引き返し、隠れてしまった。
	よほど驚いたらしい。とても怖かったのだろう。
	結局、こちらまで来ないで、帰ってしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボギー！ 俺もバットマンだ

 

 

	「ねえちょっと、バットマンさん」
	「私を愛してはいけないよ、つらい思いをするだけだ」
	「なに寝言いってんの、去年貸したお金、まだ返してもらってないわよ」
	「そんな昔のことは忘れた」
	「いつになったら払ってくれんの！？」
	「そんな先のことは判らない」 「ちょ、ちょっと、あんた」
	「ふざけないでよ！」 どっしん 「うわっ」
	「き、君のヒット・ミーに乾杯」 「逃げないでよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バットマンの苦悩

 

 

	闘いに疲れたバットマンは、憂鬱に襲われていた。しかも、バットモービルがエンコしてしまった。
	やむなく彼は、徒歩で家路を辿った。 トボトボ
	贅を尽くした屋敷と忠実な執事アルフレッドが、疲れ果てたバットマンを暖かく迎えてくれるだろう。 「なんだ　このペットボトルは？　アルフレッドの奴、掃除をさぼったな。おーい、いま帰ったぞー」
	「うわぁっ」 ダダッ
	「ほほほ。この屋敷、あたくしキャットウーマンが占拠したわよ」
	ガーン 「な、なんだってー」
	「しょうがない、今夜はここで野宿だ。たまには野宿もオツなものさ。ふふふ。ふ……。ちくしょう……」
	「ちくしょおぉぉぉーーー！！」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バットマンの闘い

 

 

	「私はバットマン」
	「この街の平和のため、私は今日も闘う！」
	「むむっ、貴様は！　宿敵、ベンチのカド！」
	「これでも喰らえ！」 ぐりりん
	「ふふふ、楽勝だ」
	「貴様ぁ！　宿敵、吹き寄せられた桜のシベと花びら！　押さえ込みだぁ！」 がばぁっ
	「うおおおーっ」 ばばばばばっ
	「激しい闘いだったが、私の勝ちだ……と思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゅっ

 

	「私はバットマンである。今日は私の必殺技、愛のキッスをお目にかけよう」
	「むっ、私の手の甲にヘンな虫が！」
	ちゅっ
	「ふふふ、どうだね？　私の圧勝だ！　いや、まあ、なんとなくだが」
	「むむっ、あそこに宿敵キャットウーマンが！」
	くんかくんか 「ちょ、ちょっと、何よ、あんた？」
	ちゅっ 「キャー！」
	「いきなり何すんのよ」 「どうもすみません」

 

 

 

 

 

バットマンの歓び

 

　はら　はら　はら

　「む、桜がかなり散っている」

　しん　しん　しん

　「花びらもだいぶ積もっているな、よし、頃合いだ」

　「私はバットマン」

　「今から車の下で待機する」

　「別の車が脇を通り過ぎるのを待つのだ」

　「来たな！」　ブォー　ひゅ～　ぶわぁっ　はらはらはらはら

　「うむ、やはり桜吹雪は素晴らしい」

 

なんだか凄い

　桜もだいぶ散ってきた

　積もる花びら蹴散らすように

　なんだか凄い奴が来た

　後ろ姿はチッチに似てる

　だが顔つきがおっかない

　チッチもちょっと驚いた