静岡県富士宮市で、一般社団法人宇宙エレベーター協会(JSEA)が開催している「第5回宇宙エレベーターチャレンジ」(SPEC2013)で10日、大会初となる高度約1200mの競技環境が実現し、クライマーの昇降性能も1000m超えの新記録が生まれた。
実行委は大会最終日のこの日、ケーブル(テザー)を吊り下げるバルーンを、高度約200mの競技と並行して1200mでも掲揚して実施。大小計6個をまとめたバルーンは高度1200mまで上がると、薄い雲を透かしてわずかに視認できる点になった。この日は暑さは厳しかったが晴天に恵まれて風も穏やかで、例年強風にあおられて大きく湾曲したり、ねじれたりしたテザーは過去にないほど垂直に屹立した。
競技のGOサインが出ると、年々多機能化していく昇降機械(クライマー)でエントリーしている常連チーム「チーム奥澤」が先陣を切ってトライ。テザーに取り付けられたクライマーは、スタート当初わずかに空転した後、勢いをつけて甲高い駆動音とともに急上昇し、設定高度の1100mに難なく到達した。復路もスピードが出すぎることなく無事にゴールすると、拍手の中でメンバーたちが抱き合ってガッツポーズを決め(=写真=)、「1200mでも良かったかも」と余裕を見せた。続く日本大学のチームも約1200mを達成するなどして次々と記録を塗り替え、3日間の大会が終了した。
軌道エレベーターの基本原理は、高度約3万6000kmの静止軌道を、地球の自転と同期して周回する静止衛星と地上をエレベーターで結び、宇宙へのアクセスに用いるもの(全長は静止軌道よりも長くなる)。本大会はバルーンから釣り下ろしたテザーをエレベーターのピラーに見立てて昇降性能を競う。JSEAは「高度1kmという一つのハードルを越えた」と自信を深め、今後さらに規模拡大を目指すとしている。(軌道エレベーター派 2013/8/10)
実行委は大会最終日のこの日、ケーブル(テザー)を吊り下げるバルーンを、高度約200mの競技と並行して1200mでも掲揚して実施。大小計6個をまとめたバルーンは高度1200mまで上がると、薄い雲を透かしてわずかに視認できる点になった。この日は暑さは厳しかったが晴天に恵まれて風も穏やかで、例年強風にあおられて大きく湾曲したり、ねじれたりしたテザーは過去にないほど垂直に屹立した。
競技のGOサインが出ると、年々多機能化していく昇降機械(クライマー)でエントリーしている常連チーム「チーム奥澤」が先陣を切ってトライ。テザーに取り付けられたクライマーは、スタート当初わずかに空転した後、勢いをつけて甲高い駆動音とともに急上昇し、設定高度の1100mに難なく到達した。復路もスピードが出すぎることなく無事にゴールすると、拍手の中でメンバーたちが抱き合ってガッツポーズを決め(=写真=)、「1200mでも良かったかも」と余裕を見せた。続く日本大学のチームも約1200mを達成するなどして次々と記録を塗り替え、3日間の大会が終了した。
軌道エレベーターの基本原理は、高度約3万6000kmの静止軌道を、地球の自転と同期して周回する静止衛星と地上をエレベーターで結び、宇宙へのアクセスに用いるもの(全長は静止軌道よりも長くなる)。本大会はバルーンから釣り下ろしたテザーをエレベーターのピラーに見立てて昇降性能を競う。JSEAは「高度1kmという一つのハードルを越えた」と自信を深め、今後さらに規模拡大を目指すとしている。(軌道エレベーター派 2013/8/10)