本書には、
「シャーロック・ホームズ」
「猫目石殺人事件」
「怪人呉博士」
「出来ていた青」
「失恋第五番」
「失恋第六番」
の六篇を収録。
冒頭の、そのものずばりのタイトル作は、例の加納一朗の長篇探偵小説の先駆てきな作品とはいいかねるような、活劇調のジュヴナイルで、ホームズ氏は、日本語も中国語もぺらぺらの才人であったことが判明する。
わたくしが気に入ったのは、次の「猫目石殺人事件」で、“謎の侠盗”は、誰がどうみても、あの人物にほかならないのを、登場人物たちが気づかないのが、とても嬉しい。編者解説の言葉のとおり、その人物は、“五道三省”の原型と、わたくしも思える。
「出来ていた青」は、<幻影城>誌で、読んでいるはずだが、印象はうすく、読みかえしても、わたくしには、よいできだとは、思えない。
「失恋第五番」および「失恋第六番」は、ともに、『山本周五郎小説全集』で、読了済であったが、本書収録の作品のなかでも図抜けている。残念なのは、その続くべき作品群を、読むことが叶わないことだ。
2009年1月19日(月)読了。
「シャーロック・ホームズ」
「猫目石殺人事件」
「怪人呉博士」
「出来ていた青」
「失恋第五番」
「失恋第六番」
の六篇を収録。
冒頭の、そのものずばりのタイトル作は、例の加納一朗の長篇探偵小説の先駆てきな作品とはいいかねるような、活劇調のジュヴナイルで、ホームズ氏は、日本語も中国語もぺらぺらの才人であったことが判明する。
わたくしが気に入ったのは、次の「猫目石殺人事件」で、“謎の侠盗”は、誰がどうみても、あの人物にほかならないのを、登場人物たちが気づかないのが、とても嬉しい。編者解説の言葉のとおり、その人物は、“五道三省”の原型と、わたくしも思える。
「出来ていた青」は、<幻影城>誌で、読んでいるはずだが、印象はうすく、読みかえしても、わたくしには、よいできだとは、思えない。
「失恋第五番」および「失恋第六番」は、ともに、『山本周五郎小説全集』で、読了済であったが、本書収録の作品のなかでも図抜けている。残念なのは、その続くべき作品群を、読むことが叶わないことだ。
2009年1月19日(月)読了。