これまた角田喜久雄らしからぬ伝奇小説。
だいたいわたくしの感覚からすると角田喜久雄の時代小説は、お話の始めから最後まで、通しの主人公が一貫して活躍する伝奇小説のようなスタイルが多いように感じるのだけれども、本書は違う。"綺譚"という呼称がふさわしいように思う。お決まりの、通しのヒーローは、現れない。場面場面では登場するが、その場限りだ。その代わり、悪役は存在する。この悪役は良い仕事をしていると思うが、それは読んでからのお愉しみ。
また、今回も、強引なまでも、結末に行われる伏線回収作業は、やはり上手く見事。
一風変わった角田喜久雄作品をご賞味あれ。
2024年1月25日(木)読了。
だいたいわたくしの感覚からすると角田喜久雄の時代小説は、お話の始めから最後まで、通しの主人公が一貫して活躍する伝奇小説のようなスタイルが多いように感じるのだけれども、本書は違う。"綺譚"という呼称がふさわしいように思う。お決まりの、通しのヒーローは、現れない。場面場面では登場するが、その場限りだ。その代わり、悪役は存在する。この悪役は良い仕事をしていると思うが、それは読んでからのお愉しみ。
また、今回も、強引なまでも、結末に行われる伏線回収作業は、やはり上手く見事。
一風変わった角田喜久雄作品をご賞味あれ。
2024年1月25日(木)読了。