奥 山 豊 和 (おくやま とよかず)公式ブログ

培った経験と人脈を活かし、生まれ育った故郷を元気に。
対話重視、市民が主役の市政運営を取り戻します。

ファシリテーションを学ぶ~全国若手市議会議員の会東北ブロック研修会in塩竈

2017-04-02 22:42:33 | 日記

新年度になりました。

このやり方でいいのか?という問題意識を常に持ちながら、気持ち新たに頑張っていきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

さて、年度末の押し迫った30日(木)31日(金)の2日間、宮城県は塩竈市を会場に、全国若手市議会議員の会東北ブロックの研修会を開催いたしました。

メンバーが秋田県にかたよっているということもあり、私が入会してから宮城県での開催は初めてで、これも、地元の土見・阿部両議員がご加入頂いたことによって実現できたものと思う。有意義な研修会を設営して頂いたことに、改めて深く感謝申し上げます。

また、全若の第9代会長をお務めになられた伊藤・塩竈市議会副議長にも激励に訪れて頂きました。先輩方が築いて下さった土台の上に、今の私たちの活動があるのだということに感謝しながら、各地のまだ見ぬ同士たちとの出会いにも大いに期待を寄せているところである。

今回の研修は、各地の先進事例を視察し説明を聞くという座学ではなく、仙台市在住のファシリテーターである伊藤さん、中西さんを講師にお招きして、「開催地である塩竈市の現状を題材に、協働のまちづくりを目指した『住民主体の市街地活性化』について学びを深める」べく、「『地元に帰ってすぐに実践できる手法の獲得』および『研修会場となった地域の振興に資するアイデアを生み出す』ことを目標」とした、ファシリテーション形式による研修をみっちりと行った。

そもそもファシリテーションというのは、

「人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう段取りすること」で、「集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味」している。
(日本ファシリテーション協会ホームページより)

要するに、「場」をデザインし、互いに受け止め引き出す「対人関係」をデザインし、かみ合わせて整理する「構造化」をデザインし、まとめて分かち合う「合意形成」をデザインしながら、うまくことが進むように舵取りをすることである。

まず初めに、2つのグループに分かれて「住民主体とは何か?」ということを話し合った。

そもそも、「住民主体」というのは行政ことばであって、多数の「住民」に対し、本来単体であるはずの「主体」を求めるというのは、行政の一方的なくくりではないかということ。

誰がやるのかがあいまいで、ついつい声の大きい人に流されていってしまう実態があること。

住民と行政、議会というトライアングルの中で相互理解を深めていくことが大切。

いかにして幅広い年齢層の方々に参画してもらい、声の小さい人たちの、声なき声を拾い上げていくためには、やはり、利害関係のない助け合いの精神が大切であるということ。

自主防災の観点から、自分の家族を守りたいという共通の想いを大切にし、家族の集合体が地域であるという意識づけが、自分たちのまちについて、まちづくりについて考えるきっかけになるということ。

といったような意見が出された。

先進的な取り組みとしては、市民ファシリテーターを育成し、市民が市役所の会議をファシリテートしたり、市政懇談会を住民参加型のワークショップ方式を取り入れている自治体もあるとの事。

また、議会と住民でファシリテーション形式のワールドカフェを開催し、議会と高校生が語り合う場を設けているところもあるようだ。

市民協働を促し、郷土愛を育むことを目指している横手市の取り組みは、まだまだ遅れているなということを改めて実感した。

具体的に市民を巻き込みながらやるべきこと、できることというのは、まだまだたくさんあるはずだ。

場の提供をせずに、理念の共有と共感を働きかけることもしないで、一方的に市民に対し自主自立を求めるというのは、全くもって順番が逆なのだろう。

私は、郷土愛も自主自立も一体で考えるべきものと持っている。そういう意味でも、ファシリテーションの手法を取り入れることには十分に意味があるんだろうと感じた。

続いてのテーマは、「市街地活性化を考える」ことについて。

理想の姿から現実の姿を差し引いたものが、その地域が抱える課題であって、ファシリテーションを通じて市民から出された課題に対し、民間企業とマッチングさせ商材化することによって、社会的課題を解決しているという事例が、今や欧米では一般的だということである。

100枚を超えるようなプレゼン資料ではなく1枚のシートで課題と解決の方法、その理由を説明できなければならない。
すぐに核心に迫り、商談を決める。トップがそれを5分で判断してしまうというのが、一流企業のスタンダードになっているようだ。

行政が行う施設整備についても、民間企業の商品試験とコラボレーションさせて維持管理費を賄うといったような手法も十分に考えられることであり、5分で判断する企業に対し、行政としていかにトップセールスを行っていくのかというのも、今後の大きな課題であるように感じた。

活性化のための情報発信について言えば、

ありとあらゆる情報がネットの世界に溢れている今、点の情報など人々の目には留まらないということである。

点を線にし面にして、一つの塊にして発信していくことによって、情報を見つけやすくなる。官民連携、自治体間の連携は必須である。DMOの本質もここにあると私は思う。

シビックプライドと言う言葉があるように、「俺たちのまちって最高だね」と住民が外に対してどんどん発信してくれることが一つの大きな塊になってうねりになっていった時、持続可能なまちづくりというものが見えてくるんだろうと思う。

時間をかけて取り組んでいくべき課題がきちんと見えているか?

5~10年後のビジョンを語らなければならない私たちの責務でもある。

地域が抱える問題点を見える化し、悪いところこそ発信していくいさぎよさ。それを、市民を巻き込んだ形で行っていくことこそ、ファシリテーションを実践する意義、未来を語る意味なんだろうと強く感じた次第である。

冒頭、講師の先生方から、「ファシリテーションには普段と違う自分で参加しよう」ということを言われた。他人の話に共感し、「いいね」と言えること。ともすれば、自己主張に走りがちな私たちの世界にあって、きちんと人の話を聴きましょうという基本的なことも、改めて学ばせて頂いたような気がする。

今回の研修には、我々東北ブロックの会員のみならず、地元宮城県加美町議会の高橋議員、そして、東北学院大学の学生である真田君にも参加してもらった。

髙橋さんはなんと、私と東北学院大学の同期であった。学部は違えども、きっと学食ですれ違っていたに違いない。

町村議会の世界にはまだまだ若手議員が少なく、横の連携も希薄なようで、こういったネットワークがあることが羨ましいというようなことを言われていた。

私自身、若手議員の集まりに積極的に参加するようになってから、同世代の頑張りに刺激を受けるのはもちろん、視点や物事の捉え方が広がっていくことを実感している。

若くして政治を志したことは一緒で、フィールドが市だろうが町村だろうが関係ない。

政治理念や信条を越えて、若い力をひとまとまりにすることに意義があり、これからも連携を図っていきたいものと思う。それ以前に、同級生というだけで、無条件に親近感が湧いてきます。これからもよろしくお願いします。

そして、学生の真田君。

同郷で大学の後輩ということもあり、フェイスブックでは繋がりがあったものの、今回が初対面。
学生インターン生として議員事務所に出入りしたり、様々活動をしているという彼の姿勢と心掛けには正直驚かされた。

私の学生時代と言えば、陸上競技に没頭し、社会のことや郷土のことについて想いを寄せることなど考えたこともなかった。もっと言えば、将来自分が何になりたいのかさえ真剣に考えていなかったように思う。

目の前のことに夢中で、何とかもう一度、陸上競技で花を咲かせよう、その想いしかなかった。

結果として今の自分を振り返ってみた時、仙台で学んだあの4年間というのは、大切なプロセスであったと確信しているが・・・

同郷のかわいい後輩として、彼にはこれからも様々なことを経験し広く世界に羽ばたいてほしい。そしていつか、故郷を舞台に大いに活躍できる人材になってほしいし、そうなってくれるものと確信している。


2日間の研修では、ファシリテーション方式という中身はもちろん、学生との交流というこれまでの枠組みを超えた活動ができたことに、一つの手ごたえを感じている。

立場を越えて、若い力が共に手と手を携えあったときに、新しく見えてくる景色がきっとあるものと思う。

東北ブロック代表として、みんなの協力に感謝しながら、これからも切磋琢磨しながら、共に歩んでいきたいものである。






初日の会場は、旧亀井邸。
亀井商店(現・カメイ株式会社)の創業者が建てた、「塩釜港の繁栄と亀井商店の隆盛を象徴する建物」。



2日目の会場は、塩竈市魚市場内の会議室。



マグロのセリの様子を見学。



最後に、皆さんに感謝を込めてご挨拶。





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