おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

平清盛

2011-12-11 06:56:55 | 歴史
「乱世に挑戦した男平清盛」 岩田慎平著 ㈱新人物往来社

 歴史とは勝者が語りつくるものであり、源平の争いも奢り昂る平氏を源氏が打つという構図が定着している。本書は、実際の清盛を描こうとしており、その清盛は「温情で情け深い」「迷信にとらわれない合理性」「思慮遠謀の軍人」というもの。生い立ちから死亡まで時系列に解説してあり、楽しく読めた。
 まず、生い立ち。清盛の出生は諸説あるが、筆者は、内大臣・太政大臣に就任したことに着眼し、白河天皇の子供と認定。
 家族や妻子も紹介されているが、何より天皇家や摂関家などとの複雑な親戚関係。当時は妻を何人にも抱え、子供らの結婚といえば政略結婚ということがよくわかる。
 保元の乱、平治の乱を経て政界の重鎮となっていく清盛であるが、貴族社会の前例を無視することはできなかったことも興味深い。

 本書で一番感じたのは、源平合戦時代の真の主役は「後白河上皇」。平清盛とも微妙な関係を維持し、天皇や他の上皇との権力争いも行いながら、たえず政治の実権を維持しようとしている。本書では記載がないが、その後木曽義仲、源義経、源頼朝など丁々発止の政争を繰り広げることも、よく理解できる。
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