馬島産鯨類化石の剖出
古い話だが、2011年10月7日に馬島に行った際、鯨類の脊椎骨化石を採集した。その時には、当ブログに報告した(10月13日から4回にわけて掲載)が、3回目に脊椎骨化石の採集のようすを書いてある。
1 2011年に採集した時の写真(再録)2011.10.07
この化石をおおよそ掘りだしてみた。在職中と違って、機械力を使わないからずいぶん時間がかかってしまった。欠けてしまった所が多かったので、プラスチックで埋めた。写真では白く見える所がプラスチックである。掘ってみたら脊椎骨が腹側を上にした状態で埋まっていたことが分かった。左の側突起夜、椎体の腹側の一部は当初から失われていた。
2 剖出がほぼ終った脊椎骨化石。脊椎骨を前・右背側からみたところ。スケールは5センチ。写真は「斜め写真」だからスケールの長さは正確ではない。
標本はヒゲクジラ類の後方の胴椎である。鯨類では骨盤と関節する脊椎:仙椎が存在しないから、腰椎と仙椎にあたるものを合せて胴椎と呼ぶ。胴椎の前方は胸椎で、胸椎には肋骨が関節する。胴椎の後方は尾椎で、尾椎にはV字骨が関節する。通常V字骨があるなら、脊椎の椎体の腹側の前後方向の稜は2本、なければ1本であるが、この標本の腹側は発見時上方になっていて、風化で失われていたから、V字骨関節面があったかどうか分らないし、腹側稜の数も分らない。だから、尾椎の可能性もある。ただ、脊髄の通る孔の太さから後方の胴椎だろうと推測した。
時代は漸新世。地層は芦屋層群である。
古い話だが、2011年10月7日に馬島に行った際、鯨類の脊椎骨化石を採集した。その時には、当ブログに報告した(10月13日から4回にわけて掲載)が、3回目に脊椎骨化石の採集のようすを書いてある。
1 2011年に採集した時の写真(再録)2011.10.07
この化石をおおよそ掘りだしてみた。在職中と違って、機械力を使わないからずいぶん時間がかかってしまった。欠けてしまった所が多かったので、プラスチックで埋めた。写真では白く見える所がプラスチックである。掘ってみたら脊椎骨が腹側を上にした状態で埋まっていたことが分かった。左の側突起夜、椎体の腹側の一部は当初から失われていた。
2 剖出がほぼ終った脊椎骨化石。脊椎骨を前・右背側からみたところ。スケールは5センチ。写真は「斜め写真」だからスケールの長さは正確ではない。
標本はヒゲクジラ類の後方の胴椎である。鯨類では骨盤と関節する脊椎:仙椎が存在しないから、腰椎と仙椎にあたるものを合せて胴椎と呼ぶ。胴椎の前方は胸椎で、胸椎には肋骨が関節する。胴椎の後方は尾椎で、尾椎にはV字骨が関節する。通常V字骨があるなら、脊椎の椎体の腹側の前後方向の稜は2本、なければ1本であるが、この標本の腹側は発見時上方になっていて、風化で失われていたから、V字骨関節面があったかどうか分らないし、腹側稜の数も分らない。だから、尾椎の可能性もある。ただ、脊髄の通る孔の太さから後方の胴椎だろうと推測した。
時代は漸新世。地層は芦屋層群である。